第10話 盗賊狩り
「もうこの辺りには強い魔物はいないようだな。うーん。そろそろ他の町に行こうかな」
「おいゼン!ちょっと来い!話がある」
「何だ?ギルドマスター」
応接室
「断る。いつ来るか分からない敵を待ってはいられない。他を当たってくれ」
ガチャ、ギー、バタン!
「あの様子だとゼンは他の町に行ってしまいますね」
「うーん。腕はA等級でもいいんだが討伐以外はやらねえからなー。まったく困った奴だ!」
道具屋
「俺はそろそろ他の町に行ってみようと思う。だからこれでお別れだ」
「なんでそうなるのよ!」
「だってお前ここから離れられないだろう?お母さんもいるし。いつ帰ってくるか分からない俺をずっと待ってるなんてことはできないだろ?」
「あんたが戦闘バカなのは知ってるわよ。だからって何でさようならになるのよ。私が一緒に行けばいいことでしょ」
「俺と一緒に来ると危険が多いぞ」
「どこにいても死ぬ時は死ぬわよ。だったら好きな人と一緒に行った方がいいわ。もうお母さんには相談してあるもの」
「そうなのか」
「うん」
「それじゃあ旅の用意をしよう」
エミリーはお母さんに全てを任せて身一つで俺と一緒に来るつもりだ。
俺のあげたお金は全てお母さんに渡したらしい。俺もお母さんに宝石をいくつか渡しておいた。
馬車と身の周りの日用品を買い食料を買い込んだ。そして午後から出発することにした。
「それじゃあこれで失礼します。お世話になったのに本当に申し訳ないです」
「はーはっはっは!気にすることはないよ!あんたは中々の孝行息子さ。こんな大金を残してくれたしね。ゆうゆうと暮らして行くよ!」
いつもながら豪快なお母さんだ。時々戻って来よう。
「それじゃあお母さん行って来るね」
「ああ、幸せにおなり」
俺たちは馬車で西にある町アルカスを目指した。そうだ町を出る前に仲間に一言断っておくか。
ちょっと馬車を止めてギルドに入り中を見回してみる。あ、ベルがいた。
「やあベル」
「あっゼンさ〜ん。今から依頼ですか〜?」
「違うよ。この辺りにはもう強いのが居ないしさ。町を移ることにしたんだ。西へ向かってアルカスへ行ってみようと思うんだ。一応パーティーメンバーには言っておいた方がいいかなと思って」
「そんな〜ずいぶん急ですね〜。私たちはどうなるんですか〜」
「まあ4人いるから俺がいなくてもなんとかなるだろう」
「そんな〜!それじゃあパーティー組んだ意味がないじゃないですか〜」
「みんなには悪いんだけどさ。よろしく言っといてくれ」
「ちょっと待って下さい〜。もうなんて勝手なの〜。みんなに知らせなくては」
アルカスまでは30キロメートル位らしい。馬車で行けば夕方には着くと思う。
「また日は高いわね」
「あと少しで着くんだろ」
「ええ、そのはずよ」
「あれ?馬に乗った男がたくさんいるけど何だろう?」
「うわ!あれは盗賊よ!ゼン気をつけて!」
「おもしろい!俺から何か取るつもりか」
「止まれー!命がおしかったら身ぐるみ脱いで置いていけ!」
「ふっ、笑わせるな!アースバレット!」
ドスドスドスドス!ドスドスドスドス!
「うぎゃー!うわー!ぐあー!」
ドサッ!ドサッ!ドサッ!ドサッ!ドサッ!
「エミリーこいつ等弱いよー」
「あんたが強すぎるのよ!拘束して騎士団に連れて行けば奴隷として売れるわよ」
「そうなのか!それならお金にしよう」
全部で16人、馬は10頭いた。全員武装解除してロープでつないだ。
「よし、連れて行くか」
「うう、お前など頭にかかれば」
「何だ、まだ仲間が居るのか」
「今日は町に入りましょうよ」
「そうだな」
30分ほどで町に着いた。門番が騎士団に連絡してくれた。馬も連れて行ってくれた。後で呼ばれるらしい。
「エミリーは宿を取っておいてよ」
「ゼンはどうするのよ」
「俺は盗賊の後始末をしてくるよ」
「はやく帰って来てよ!二人でご飯食べたいから」
「分かった」
俺は町から出た所でフライで飛び上がり盗賊を探した。案の定さっきの場所に斥候が来ていた。
こいつをつければアジトが見つかるだろう。造作もないことだ。
見つけた。小屋が6つあり馬があちこちにつないである。町から1時間位の所じゃないか。さっそく攻撃を開始する。
「アースバレット!アースバレット!アースバレット!」
「うあー!ぐえ!うお!」
ドサッドサッドサッ!
「貴様何者だ!」
「うるさいよ!アースバレット!」
弱い!なんの練習にもならない!早く帰ろう。全部で18人いた。馬は10頭。
なんと捕まってる女の娘が6人いた。体力回復ポーションを飲ませた。
こいつ等は中々の悪らしい。溜め込んだ物がたくさんあった。全部回収して町に戻って来た。1時間以上かかった。
「またお前か。今度は何だ」
「盗賊のアジトを潰してきた」
「何だとー!こいつは黒狼のレストン!すぐに騎士団に連絡だ!」
「あと女を保護した」
「分かった。後はこちらで手配する」
「頼む」
馬車を見つけエミリーの所に着くことができた。
「遅いよゼン!ご飯にしよ」
「ああ、悪かったな」
そういや宿で食事なんて初めてだった。なんか彼女も嬉しそうだ。
食事の後お湯で体を拭いて休むことにした。
「そのお金はどうしたの?」
「盗賊のアジトにあったのを持って来たんだ」
「うわー大金ね。それは私が管理しましょう」
「そうだな。任せるよ」
金貨156枚、銀貨2500枚あった。武器や防具はストレージに入っている。宝石類もだ。
「なあエミリー、この町もいずれは移動することになると思う。だから商売するなら移動できるお店にできないかな」
「うん。おもしろいわね。馬車を改造すればできると思うわ。明日から大工さんを探してみるわ」
これからの事を相談して俺たちは眠りについた。




