第1話 魔物の暴走
「異世界最強クリエーター」に続き二作目になります。読んでいただけたら幸いです。
俺は真っ白な空間に大勢の男たちとともに神と名乗る3つの顔の化物の話を聞いている。
この空間には500人位の男たちがいる。人種も色々だ。
「お前ら悪人は地球にいても無駄飯食らうだけで役にたたん!だからこのミストラスに召喚した!この世界は滅びかけている!戦ってこの世界を救うのだ!」
「何でそんなもんのために戦わなきゃならねえんだよ!」
「イヤなこった!」
「くだらねえ!ペッ!」
そりゃあそうだ。いくら悪人でもいきなり呼び出されて異世界で戦えなんて納得できるわけがない。それに俺は無実の罪なんだけど。
「オーホホホホ、戦わないならここに居るといいわ。何もないのですぐに死ねるわよ。ちなみに元の世界には戻れませ〜ん」
「何だとー!」
「グギギ戦うなら加護をやろう!嫌ならここで俺が殺してやるグギギ」
こいつ違う顔がしゃべるたびに首が回る!怖い!
「クソー!」
「おのれー!」
みんなしぶしぶ承知した。それはこの神と名乗る3つ顔が怖いからだ。戦わなくても分かる。こいつにはかなわない!
どうしよう!俺、善努は無実の罪で陥れられて捕まっていたのだ。こちらの方がましだろうか?しかし死ぬかもしれないし・・・。
これから行くところは魔物が大量発生した所で人族が困っているそうだ。
「それじゃあ行ってもらおう。念の為に言っておくが死んだら終わりだ。だが、逃げたら俺が罰する。頭に入れておけ!」
「あ、あの、加護ってなんですか?」
「グギギそれは人により違う。行った先で確かめろグギギ」
まばゆい光に包まれて気がついたらそこは一つの大きな町の前だった。魔物たちが城壁を壊そうと躍起になっていた。
壁の高さは約5メートル位だ。石でできていてなかなか頑丈そうだ。
俺たちは城壁の外で魔物と出くわした。犬みたいな魔物やゴブリンやオークが多い。
みんないつの間にか剣や槍を持っていた。俺は槍と短剣を握りしめていた。
「くそう!やるしかねえか!」
「「「うおー!」」」
俺は足がすくんで動けなかったが後ろの奴に押されて前に出た。
「うあーーー!」
何がなんだか分からないまま魔物の群に突っ込んだ!怒声や悲鳴が絶え間なく聞こえてくる。
俺の槍はゴブリンの腹を貫いていた。しかし、相手の短剣を右腕に受けてしまった。
「うあー痛い!ぐうう!」
腕がどんどん腫れてくる。これは毒か?腕がしぴれて使えない。
「ううう、なんてこった!ちくしょう。俺の加護って何だよー!」
槍をゴブリンから抜いて倒れ込んだ。腕が熱い!何とかしないと死んでしまう!
「くそくそくそー!もう!毒よ消えろー!」
あれ?なんか楽になっている。何だ?俺魔法でも使ったのか?ようしそれなら!
「傷よ癒えろ!おお、傷がふさがって行く!なるほど」
みんな頑張っている!ゴブリンはあらかた倒し今はオークと戦っている。
オークでも一回り大きいのがいる。何だろう?オークジェネラルってとこかな。
オークはあと250体ほどだ。ジェネラルは見える限り5体かな。
オークでも魔法を使う奴がいる。10体ほどで炎の玉を飛ばしてくる。なかなか厄介だな。でも、あれ俺にもできないかな?
「ファイヤー!おお出た!」
だけど疲れてきた。うーん、魔法ってエネルギーくうな。あと5回も使ったら倒れそうだ。あのジェネラルに当てられないものかな。
ガンガンガンガンガンガイン!
「とてもじゃないが近づけない!」
城壁が破られた!魔物たちが町へ入って行く。だが町の中から反撃が始まった!
俺たちは今の場所で足止めを受けて1時間が経った。
「ハアハアハアハアもう魔力もないみたいだハアハアハア頭くらくらするハアハアハア」
1時間で分かった事がある。俺、槍も使えるみたいだ!何なんだ。俺のスキルは?
一緒に来た連中はだいぶやられた。逃げ出したやつもいる。俺は試すこともあって逃げずにここに踏みとどまっていた。
町から反撃を受けてオークたちが撤退を開始した。女をかついで逃げている。30人は連れて行かれている。
俺は後ろからオークの腹に槍をぶち込んだ。
「ブキーー!」
ドサッ!
「キャー」
「ハアハアハアハア返してもらうからなハアハアハア」
オークは血まみれで反撃して来るがついに力尽きたようだ。俺も意識が遠のいた。
気がついたらあの真っ白い部屋にいた。500人はいた男たちは300人に減っていた。
「完璧とはいかねえがよくやった」
「あなた達のお陰で町は守られたわ」
「グギギ逃げた奴らは罰しておいたグギギ」
罰した?殺したのかな?そういえばこの部屋には人間の他に猿が30頭ほどいるが・・・まさかこいつらは・・・?
「そうだ。その猿どもはお前らの仲間の成れの果てだ」
「それじゃあこいつらはずっと猿のままってことか」
「グギギ、いーや戦場で3回戦い抜けば人間に戻れる。だが猿の格好で3回戦い抜けたやつは今までいないがな。ぐはははは。ちなみに今度逃げたら芋虫だ!グギギ」
なんて奴だ。神じゃなくて悪魔だな!
「とりあえず戦い抜いたあなた達にはご褒美をあげるわ。次の戦いまで 自由にしてていいわ。あの町へ住んでもよし。ほかに行ってもよし」
「戦いになったら自動的に集められ 戦うことになる。数が減っているから強くなっておけよ」
「グギギそれまで楽しんでおくことだグギギ」
「いつ戦いになるんだ?」
「それは分からないわ。一週間後かもしれないし一か月後かもしれない。時が来たらこの採点部屋に集めるわ」
「採点部屋?」
「そうあなた達の人生の採点部屋よ。ホーホホホホホホ」
意識が遠のき俺は気絶した。
基本的に不定期更新になります。仕事が忙しい時は空いてしまうかもしれませんがお付き合いください。よろしくお願いします。