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1話プロローグ

 月の光を集めキラキラ輝く金色の髪、血に濡れ赤く染まった唇。俺は綺麗な女の子が人を食べている所を見てしまった。

「何ですか貴方もしかして自分から食べて欲しくてきちゃいました?」

 そして俺は彼女に骨まで食べ尽くす勢いで食べられた。



 両親の私を見つめる目、そろそろ慣れてきた。でも今日の目は違う。私を恐れてる目。

「あ、お父様お帰りなさいませ。お父様も食べます?」

 私は人の腕を差し出す。

「アリシア……お前弟を食ったのか……?他人ではなく自分の弟だぞ!お前は私たちの子じゃない。お前は悪魔だ、この家から……この国から出て行け!」

「お言葉ですがお父様わたしからフィーくんを食べたわけじゃないですよ。フィーくんがわたしのご飯食べてる所を見ててわたしに食べて欲しそうな顔で見てきたんです。だから食べました。それに吸血鬼何だから人を食べるのは当たり前でしょう?何か悪いですか?」

 何故だろうわたしは普通に人を食べただけなのに悪魔呼ばわりされている。

「まずその考えからおかしいんだ!何故人の肉まで食べる、血だけを飲めと言っていただろう!それにお前が食べたのは未来の国王だぞ!言い訳はいい出て行け!」

 お父様はいつもそうだ。わたしに王族らしく生きろとか人を食べるなとかわたしのやる事全てに文句を言う。わたしはただ自分らしく生きろと言われたから自分らしく生きていただけなのに。

「お前が人を食べてからだ私たちが生きにくくなったのは。お前さえ……お前さえいなければ、フィールは死ななかったし他の国とも戦争にならなかった。予言通りの悪魔の子だったなお前は!この家から出て行かないのなら私自ら殺してやる!」

 お父様は剣を抜きわたしに斬りかかって来る。いくら吸血鬼の生命力が高くても首を切られたら死ぬ。

「はぁーわかりましたよ。出て生きますから殺さないでくださいお父様。」

「わたしはもうお前の父親ではない。二度とこの国に近付くな。わかったのならいますぐ出て行け!」

 わたしは逃げるように家を飛び出た。

「さてさてまずはどこに行きましょうか。とりあえず人の多いところがいいですね食料には困りませんし。」

 私は独り言を呟きながら人の国まで飛んだ。



 同時刻ドラキュレア王国〜

「聴こえているか?ツーベルグ王よ。今そちらの国に私の娘だった物が向かっているはずだ。あいつは人も吸血鬼も見境なく喰う悪魔だ。被害がそちらの国に及ぶ前に殺してくれ。こんなことを頼める立場ではないことはわかっている。だが頼むあいつは生きててはいけない存在なんだ。本当に申し訳ないがあいつを、アリシアを殺してくれ。」



 人知れず弟だった肉塊がぴくりと動いた。


 1時間ほどたちツーベルグに着いた。しかしいつもとは違い大門は閉ざされ検問をしている。私は気付かない振りをし通り過ぎようとすると門番に呼び止められた。

「失礼ですが只今隣国から犯罪者が逃走しているため簡単には開門ができません。目的とお名前を伺ってもよろしいですか?」

「私はドラキュレア王国国王の娘アリシア・ドラキュルです。この国の見学したいのですが中に入れて貰えますか?」

「ドラキュレアの姫様ですか。王宮にも確認を取らなければいけないので一度別室に来ていただけますか?以前別な国の王族が市民と偽り入国したことで王宮に確認を取らなければならなくなったのです。」

 私は逃げることができないまま牢獄のような部屋に連れられた。

「そちらの椅子にかけてお待ちください担当の者を読んで参ります。」

 門番は逃げるように部屋から出るとすぐに3人の人が部屋に入って来た。

「やれ。」

 彼ら入ってくるなりすぐに仕掛けられていた魔法で私を縛り上げた。

「一国の姫に対しこれはなんですか?これは国際問題で戦争ですねぇ。」

「ほざくな悪魔め。先程ツーベルグ王とドラキュル王の二人直々に元王族アリシア・ドラキュル討伐の命が下った。我々の正義の元に死ね悪魔。」

 彼らの剣が振り下ろされ私の四肢が飛んだ。四肢が飛んでも笑いが込み上げてきた。

「あははは、おかしくっておかしくてもうお腹痛いです。私は吸血鬼ですよ?首をはねる前に四肢を落としちゃダメでしょう?お陰で自由なのであなた達食べちゃいますね。」

 私は飛びっきりの笑顔で四肢を切った騎士に飛びかかった。


 部屋は真っ赤に染まり頭や指が床に散らばる。

「ふぅやっと繋がりました。この調子だと他の国でもお尋ね者ですね。こんなことになるなら先にお父様から食べちゃえばよかったですね。さてさてこれからどうしましょう。」

 そして赤い部屋で一人の少女が立ち上がった。

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