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可愛い占い師なら一回、水晶で殴られてみたい

「くそ遠いなー 荷物こんなに持ってくるんじゃなかった」

背中にパンパンに詰まったリュックに押しつぶされそうになりながら、道なき道を歩きながらグチる。

「冒険者になりたいっていっただけで追い出すことはないだろー」

18歳になると転職の塔っていうものにいき、職業の欄を更新しないといけない。転職の塔では各々にあった職業が呈示され、その中から自分の好きな職業を選んで更新すればいいらしい。

「あれか?」

ちっさ!?ボロッ!?

今にも崩れ落ちそうなオンボロの小屋に、辛うじて読める字で『格安!!転職の塔 1h、100G~』って書いてある。

数ある転職の塔で一番費用が安いもの選んだけど、ちょっと後悔してきたぞ。怪しすぎる。


「いらっしゃい 職業はどうていでいいかい?」

扉を開けた瞬間、いかにも魔女ですっていう感じのローブをきたやつにケンカを売られた。顔までローブにすっぽり覆われていて、年齢を伺い知ることはできない。声の感じからしてけっこうなババァじゃないかと思うんだが、ローブの下にから主張の激しい二つのわんぱくな山が年齢をわからなくしている。こいつ、意味わかんねぇな。ババァだろうとなんだろうと、ケンカ売ってきたのは事実だ。そっちがその気ならこっちからもやってやるぜ。ファーストインプレッションってかなり大事だからな。

「どっどうていちゃうわ」

・・・・・・・・・・・・何も言わないでほしい。どうていがどうていについていきなりいじられると対処不能になるんだ。特にどうていの勢力が少数派のとき。1回やってみて欲しい。どうていの友達と一対一で、どうていイジリを。どっちも上手い受け流しができずに、気まずい空気が流れるから。あー想像したら胸が痛くなってきた。

「どうしたんじゃ?どこか痛いのかの、苦しそうな顔しとるのぅ。」

誰のせいだよ。

「コホン、座っていいか。」

「もういいのかの?おっぱいは?」

「見てねーし」

確かに人物観察の一環として、それが含まれていたことは否定はしない。だが性的な目では絶対に、見ていない。絶対にだ。なんかあるなー、でかいなーっていうぐらいなかんじでしか見ていない!

「まあ今回はそういうことにしといてやろうかの。お主の相手もちょっと飽きてきたし、そろそろ本題に入るとするかの。フード邪魔じゃのぅ」

ババァじゃなかった...ゴクリ。俺は思わず目を奪われてしまった。新雪のように真っ白で長くきれいな髪に、真っ白で傷一つない肌、怪しい雰囲気をただよわす赤い瞳に、赤く小さな口から少しみえる八重歯。幼いようにみえるし、歳老いているようにみえる不思議な雰囲気を持っている。

「ババァじゃなかったのか!」      ピキッ

「魔道書 フェイク 中 本 お姉さん 縄 心当たりあるかの」

ちょっと待ってくれ!あの水晶には何が写ってるんだ

「ちょうどお主の母親が部屋に入ってきたの ちっと、そこの本光らしてみるかの」

「やめてくれーーーーー頼む、後生だから」

「今面白いところじゃ座っておれ」

身体が動かない!?あーーーーもうすぐ見つけてしまう。

はぁ見つかってしまった。ドン引きされた顔が忘れられない。

「あそこにもあるのぅ」

今度は力づくでも止めてやる。オラーーーーーー

ガシャン!

勢いづきすぎちまって椅子ごと彼女を押し倒しちまった。右手は床の感触なんだが、左手は床とは違う感覚がする。なんだ?俺はお約束をやってしまったのか?そういうことならしょうがない。なんだろう??って顔しながら揉んでおこう。もみもみもみもみもみもみもみもみもみ

「あんっ」

もみもみもみ・・・・あれっ?感触がなくなったぞ。慣れない左手で高速で揉みすぎたからか。感覚がなくなってしまったようだ。こんなことなら左手も日頃からよく使うようにすればよかったな。右手ならあと200回はいけたな。

ドスンッ!

イタッ。気付かないうちに吹っ飛ばされていたようだ。ちょっと打ちどころが悪かったみたいだな。すぐには立ち上がれない。

「すまなかった。悪ノリしちゃって。一旦落ち着いて話そう。その手に振りかぶってる水晶を下ろしてさ。今の君の気持ち、わかるよ。あぁごめんごめん、君の気持ちわかるとかって勝手なこと言ってごめん。俺が思っている以上にだもんね、ごめんて。仮にだよ、仮にその水晶を振りおろすとするじゃん。そしたらまぁ当然のごとく俺の頭かち割られるかんじになって、俺もまあ普通の人じゃん。だから順当にいくと死ぬじゃん。そしたらこう思うと思うよ。あの時カッとなって殺さなければ良かったなあって。何普通のこと言ってんのって?つまんないから殺すよって?なんかもう趣旨違うじゃん。一旦冷静になってさ、何が問題だったかを・・・・」

「うるさい」

ドスッ!

水晶vs俺の頭の特別マッチの結果ですが、水晶の完勝だったみたいです。みたいだった?最初にキツイ一発をもらってその後の記憶がなく、目が覚めたころには血濡れの水晶と思しき赤い球体と無数のたんこぶで察しました。頭、かち割られてはなかったので、もしかしたらけっこういい勝負の判定負けかもしれません。

「起きて、椅子に座るがよいのぅ」

「はい。」

「お主の転職の診断なのじゃがな」

何事もなかったかんじゃないかって錯覚してしまう。あの血濡れの水晶さえなければ。彼女、あれ覗いてるけど、何が見えるんだ?

「農家、商人、鍛冶屋、痴漢、どれも適正があるとでているのぅ」

前3つは分かるけど、最後絶対、根に持ってるだろ。

「正直いうと冒険者になりたいんだが、適正はないのか。」

「冒険者に関しては適正はないどころかマイナスじゃのぅ。冒険者になるとお主は人の比じゃない程の数えきれない試練に苦しみ幾度となく生死をさまようとでているのぅ」

「危険にビビらず立ち向かう冒険者っていうのは、漢の象徴。俺は漢の中の漢を目指している。故にどんなに無理だと適正ないと言われても俺は冒険者にならなければならない。頼む。冒険者にさせてくれ。」

「漢の中の漢は、黙っておっぱいを揉まないがのぅ。適正マイナスはお主が思っているより過酷じゃぞ。死んだ方がましと思うことが多々あるじゃろう。それでも冒険者を選ぶのかのぅ。」

「おぅ。あたぼーよ」

「そこまで言うんならしょうがないのぅ。国のルールに従うだけじゃつまらないしのぅ。」

「よしっこれで今日から冒険者だ!」

「お主まだ気が早いのぅ。何をするにも対価は必要じゃろ。」

要するにお金だな。冒険者にもなれたし、ここは全財産の半分200G渡しておくか。

「冒険者になるっていう覚悟はそんなものかのぅ。正直、興ざめじゃのぅ。」

「あん?俺の覚悟がそんなもんかだって?聞き捨てならねぇな。そんなら、見してやるよ!これが俺の覚悟だ!!」

どんっ!

持ってきたお金も荷物も全部置いてやったぜ。

あースッキリしたー なんか気持ちも心なしか身体も軽くなったきがする!

「いい覚悟じゃのぅ ここにサインするんじゃ」


「名前はタスクというのか、覚えておくのぅ これは餞別じゃ」

リンゴ1個が餞別か、ケチだな

「じゃあ気を付けてのぅ」

よし面倒な手続きはやっと終わったぜ!俺の冒険の旅がここから始まる!

「世話になった!」

俺は扉に手をかけ、一歩を踏み出した。


「あれっ?暑!ちょっとまって!ここどこ!?」

嘘だろ?行きにみた景色とまったく違うところなんだが

ギラギラ輝く太陽、辺り一面は砂一色、図鑑でしかみたことがない植物も点々とみられる。

ちょっと意味がわかんないな、状況を整理しよう

転職のためにチラシのすみにあった転職の塔に行った。誕生日が冬だったから、道中寒いなあとか思いながら道なき道を歩いてたハズ...やっぱり落ち着いて考えても分からんものは分からん

一旦戻るか

うーんと、あそこに落ちてるのが扉だな...あそこに落ちてるのが扉か

出口は塞がれたか、進むしかないのか.......正直、燃えるぜ!!!


けっこう歩いてきたけど、まじでなんもないな

せっかく冒険者になったんだから町行って装備買いたいんだが

つーかクソ暑いなー、あっそっか脱げばいいんじゃん!砂漠なんだから人いないし

解放感ハンパないな、なんかテンション上がってきたわ

「自由だーーー」

全裸で一回言ってみたかったんだよね

「必殺ゴッド・エタ―ナル・ブラックファイアーーーーー」

こんなかんじで必殺技言って強敵倒すとキモチイイんだろうなー

俺やってやったぜ!俺勇者だぜ!感あるよね

「うぃーーーーーーーーーーーーーーー」

「ふぅーーーーーーーーーーーーーーー」

「ほぉうっほぉうっふぉうっふぉうっ」

はぁ、まじで人っ子一人通んないな

お腹すいたなー

あの草とか食べれんのかなぁ

「ん?なんか来てるな」

砂の山が動いてる?なんかだんだんデカくなってきてるぞ。ついに暑さで頭オカシクなったかな。

ゴゴゴゴゴゴゴ.....

あっ大サソリに轢かれた...........

「イテテ」

足が折れてんな。しかも両足か。動けねぇ。

こういうときのセオリーって奇跡的に無傷か、隠された力が解放されるんじゃねえのかよ

みっともねぇな。全裸でリンゴ1個抱えたまま死ぬのは、

せめてリンゴだけでも食べよ

うめぇ!今まで食べたリンゴの中で一番うめぇ。甘味の中にちょっとした辛味、それがアクセントになってより甘味が引き立つ。これ本当にリンゴか?人生最後の食事がリンゴみたいなものっていうのは微妙だけど、まぁ美味しかったし悔いはなーーーーーーーーーーーーーーー

腹がイタイ、イマトテツモナクハラガイタイヨ

冷や汗が止まんない

あーーーーーーーー、うまれるーーーーーーー

神様、神様どうかお聞きください。今まで存在を信じていなくてすみませんでした。これからは信仰心をもって人にやさしく過ごしていきますので、どうかこのちっぽけで取るに足らない私にお力をお貸しください。どうか、神様ーーーーーーーーーーーー。あぁ、神様。


「どうにかなったか」

腹の痛みは嘘のように消えている。痛すぎて途中で意識を失ったが、どうにか子供の誕生は阻止できたようだ。

「はぁどうしようかな」

魔法がつかえたらなぁ...強く意識してそのイメージが現実に干渉したら魔法が発現するって書物でよんだけど、一回も成功したことないしなぁ...

他にできることないし、やってみるか。とりあえず飛ぶことをイメージしよ。

飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。鳥のように飛ぶ。鳥のように自由に飛ぶ。・・・あぁダメだ、全然うまくできるかんじがしない。鳥だから飛ぶイメージしにくいのか?実際羽生えてないし。経験ある方がイメージしやすいよな。最近飛んだのは・・・・あの時だ。おっぱい揉みまくってぶっ飛ばされたとき。飛ぶというよりぶっとぶイメージのほうがいいのか?あの時をイメージして、もんで、もんで、もんで、もんで、ぶっとっぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雲の上ってこんな感じなんだ。綺麗だな。どこまでも空って青いんだな....

ああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーー

まあそうだよね。高く飛び上がるってことは、その分落ちるってことだもんね。

ドスッ

「イテテ」

ここが砂漠じゃなかったら確実に死んでたな。いやあの高さだと砂漠でも死ぬか。あれ?なんで生きてんだ

…生きてるからいいか。無傷とはいかなかったな。左腕にヒビが入っているぽい。

「あれって町か?」

あと2回ぐらいさっきの大ジャンプすれば届きそうなところに、建物の集団がみえる。

行くしかないか。もんで、もんで・・・・・・・・

ドスッ

何にも感じない。暑さも痛みも....

さっきは奇跡の大ジャンプだったらしい。液体が背中から砂に流れ吸い込まれていくのを感じる。目に映る視界はまるで夕焼けをみているよう真っ赤だ。これも綺麗だな。思わずオカシクもないのに自然と笑みがこぼれてしまう。ここまでか。よく頑張った方じゃないか。あんなこともあったし、こんなこともあったし。

そうそう。えーと、んーと。よくよく考えればなんもたいしたことしてなくね!?おっぱいもんだだけ。諦めんの馬鹿らしくなったわ。よーし跳ぶぞ。この1回さえ乗り越えれば、あとはなんとかなるだろ。いくぞ。



バリンッ、バシャーーーン

上手くいったかな。はぁ、今日何回目だ?落下するの。

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