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水の音5 友達

作者: 西山久美子

ぽたん


ぽたたん


水が垂れる音


ぽと


ぽと、ぽとと


どんどんしずくが…


何がどうしたんだっけ?


ねぇ、ここはどこ?

『ここはここだよ』

笑い声

すぐ近くから


『思い出せない?』

頭がぼんやりして…


『大丈夫だよ、やる事は分かってるから』

ざわめくような笑い声

近くで遠くで、いろんな声


『友達を増やすんだよ』

嘲るような笑い声


『今度は君が声をかけてね 大丈夫、すぐ慣れるよ』

指先からしずくを垂らしながら、友達が笑う

『あの場所に来た人にね、あいさつをして友達になるだけ。ねぇ、簡単でしょう?』

そうだね、かんたん・・・


『びっくりして慌ててるから、何してるの?どうしたの?って言えばいいんだよ』

そう、なの?


…何か既視感が…

見た事があるような場所、見た事があるような間取り…ああ、頭がぼんやりする

頭に血が上ってるからかも…逆さのままは辛いね…

『大丈夫、すぐ慣れるよ』


転々と水滴が落ちる


慌ててキョロキョロしてる人


声を掛ける

「なにしてるの?」

振り返った人の顔は真っ赤…ああ…

「どうした?」

ビックリしてる間に他の友達が言ってくれた


これでもうひとつ、果実が増える 友達が増える


私の唇は吊り上がった


く、く、く

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど、こう来ましたか。           一話一話が、程よい文章量と少ない情報で、たのしく?読ませていただきました。
[一言]  全部読んで。  一作目の時点でこの場にいないはずの存在が話しかけているのは理解していたがやっぱりそうなったというか一部になっちゃったというか。ある種の救いは『創作っぽいオチ』で終われたこと…
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