二番煎じだけど世界初 ~タイトルで煽っていくスタイル~
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なろうの一ジャンルであるVRMMO。
その殆どは二番煎じどころか何番煎じだよと言いたくなるような内容でも、大抵は「世界初の全感覚投入型VRMMO」を謳い文句にしてたりします。
何なの? 「世界初」までがテンプレなの?
こーゆーのって、ノウハウの蓄積が重要な物じゃないの?
そりゃまぁ、フルダイブ型でもクローズド環境だったり別ジャンルのゲームだったりは存在して、それなりのノウハウはあるのかも知れない。
VRMMORPGにしてもフルダイブ型でないのなら、それなりの数があった可能性はある。
そこまでの設定をしているのかは定かでは無いけど。
あ、中には勿論、世界初でもなく幾つもある内の一つ、なんて設定のもありますけどね?
念のための説明
二番煎じ:「茶や薬草などで一度煎じた物を再度煎じて出した味や薬効が薄い物」転じて「既存のものの模倣や繰り返しで新しさや趣の無いもの」を指す。
「二番煎じ」自体に意味があり、三番煎じや何番煎じなどの言い回しは本来ありませんので、使う場合は言葉に固い人など相手によっては無知と侮られる事になりかねないので注意しましょう。
「VRMMORPG」では無く「VRMMO」としか銘打ってないのも何故?
感想欄かどこかの掲示板かは忘れたけど、そういう指摘に対して「VRMMOと言えばRPGに決まってるだろう」みたいな事を言う人がいたのですが、アバター作って大人数でチャットするSNSをVR環境下で行えばそれも「VRMMO」になるので成り立ちません。
実際、なろうでもFPSや対戦アクションなどRPGでないジャンルの物があるようですし、きちんとジャンルまで明記するのが筋と言うものです。
アバターを作る事が別人に成り切る事と同義の人であれば、ジャンル問わず全てロールプレイになるのかも知れませんけどね。
既にフルダイブ型ではないVRのFPSも、MMOのFPSも存在するので、VRMMOFPSの方がVRMMORPGよりは先に実現しそうな気がします。
尤も、フルダイブ型であれば全て本人視点になるから、広義的にはFPSでもあるとも言えるので、フルダイブ型VRに限ればRPGやFPSという種別で分けるのは意味が無くなるのかも知れません。
あ、一応念のための説明。
FPS:First Person shooter の略
一人称視点のシューティングゲームを指すが、本人視点であれば、射撃に限らず剣などで戦うアクションゲームでも、フライトシミュレーターなどでも、広義的にFPSに分類される。
そのためFPV(First Person View)という呼称もあるが、こちらは主にゲームではない実機(ドローンなど)を用いた一人称視点の遠隔操縦を指す。
RPGやゲームに限定しなくてもフルダイブ型VRなら需要はかなりあると思うのですよ。
例えばテーマパーク。全体はMMO形式で一部のアトラクションはインスタンス形式にすれば行列で待たされる事なく楽しめる。
スポーツなども、全体ロビーでやりたいスポーツ毎に募集をかけて、人数が集まったらルームを作って試合ができる。観戦も可。人数不足や対戦相手をNPCで補う事もできればなお良し。
ロッククライミングなどの危険な事もVRなら失敗しても安心。
アスレチックとかは運動不足の解消にならないので需要があるか微妙。
小説の題材にするにはVRでやる意義が無いので向かないでしょうが。
現在は普通のVRゲームならそれなりに出ているので、そのうちフルダイブ型ではないVRMMORPGなら出来るようになるでしょう。
そうした様々な技術的背景を経た上での「世界初のフルダイブ型VRMMORPG」であるのなら、問題はありません。小説としては二番煎じですが。
そもそも名称こそ違えどVRMMOと同じようなジャンルは昔からありました。サイバーとか電脳とか付く名の物ではゲーム以上の事が行われています。むしろVRMMOがこれらの下位互換のような物です。
ただし、この手の作品では大抵、体を改造して端子を埋め込んだりサイボーグになるなりする必要があるので、手軽に出来る物ではないですね。
そもそもフルダイブ型VRって技術的にどうなのでしょう?
詳しい原理は分からないので見当違いの事を言っている可能性がありますが、そもそもどうやって情報を取得するのでしょう?
映像や音は普通のVRでも可能ですが、では嗅覚や触覚はどうやって? 催眠術のような物でしょうか? だとすると夢のような物だと考えられます。脳に直接信号を送るような物でも似たような物と考えられます。
ゲーム中の情報は直接、脳に送られるとして、実際の体が外部から受ける情報の処理はどうなるのでしょう?
そのままだと、外部の騒音などもそのまま聞こえるし、寝た状態なら背中に寝具なり床なりの感触を感じたままになり、重力も二方向別々に感じる事になります。
かと言って、外部情報を遮断してしまうと、何かあった場合に呼びかけられたり揺すり起こされたりしても反応できませんし、地震で家具が倒れ込んできたり火事で火に囲まれたりしても気づけないという事になります。おそらくは外部から強制停止できるような機能はあるでしょうが。
逆に脳から送られる情報はどうでしょう?
夢でも時々、体が動いてしまう事がありますが、ゲームと同じように体が動いてしまうと色々と問題があるので、体が動かないようにする必要があります。体を動かすために脳から送られる信号を体ではなくゲーム中のアバターに送る仕組みが必要になります。SFによくある脳波コントルールのような物でしょうか。慣れないとうっかり自分の体を動かしてしまいそうです。しかし、機械が強制的に体への信号を遮断するとなると、誤作動を起こした場合の危険性を考慮すると怖い考えになります。
もしも通信が切れてゲームが中断してしまった場合など、自動で復帰できる仕組みになるのでしょうが、万が一誤作動でも起こして復帰できなくなってしまったらどうなるのでしょう?
機械によって情報が遮断されているなら、停電などで機械が止まれば情報遮断も解除されるでしょうが、機械が誤作動したまま復帰できなくなってしまい、なおかつ一人暮らしで外部からの操作を期待できない状況だとしたら……などと考えると、安全面には十分な配慮が必要になるでしょう。
考え方を変えると機械による遠隔操作で使用者の生殺与奪を握る事も出来るという事になり、下手をすると某小説のデスゲームのような事にもなりかねません。
技術的に可能かどうかも問題ですが、安全性や倫理面でも問題になりそうです。
色々書いていて自分でも何を言っているか分からなくなってきたので強引に〆
現実でも(フルダイブ型ではない普通の)「世界初のVRMMORPG」がそろそろ登場してもおかしくありませんが、「世界初のフルダイブ型VR」の誕生はまだまだ先のようです。