第28話 西田理沙盗聴・盗撮案件、調査日②
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室内、回線、PBX電波点検
100KHz~10MHz
10MHz~50MHz
50MHz~130MHz
130MHz~200MHz
200MHz~400MHz
400MHz~500MHz
500MHz~600MHz
600MHz~700MHz
700MHz~800MHz
800MHz~900MHz
900MHz~1GHz
1GHz~1.5GHz
1.5GHz~2GHz
2GHz~3GHz
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「こちらの電波をまずは、大盗がこの機器を使って調べさせていただきます。その後、目視点検、赤外線発信機点検、電力線搬送波点検、埋蔵型マイク点検、埋蔵型盗聴器点検を行います。
ここまでの作業で怪しい箇所を発見できれば、報告をさせていただきます。今回ですが、西田様自体にストーカーだった時の心当たりがないという事でしたので、発見したものの、すぐに取り外していいのかという懸念はあります」
法明寺は、説明も交えながら今回の案件の本質をついた表現をし始める。
これが奈々に点検作業を依頼して、法明寺自身はヒアリングに努めると言っていた動きかと暁美は本来、奈々の助手として参加していたが、法明寺と西田理沙の会話が気になってしまって、すっかり自分の役割を忘れて聞きいってしまう。
「なんでですか?」
「本来であれば、心当たりある犯人を絞った上で、盗聴器、盗撮器の発見をし、身近な人であれば、その事実を突きつけて話し合いをするのか警察にいくかを決めます。
はたまた身近でない人ならば、この証拠を元に警察や弁護士を介入させて犯人が西田様に直接のコンタクトをとれないようにしなくてはいけません。
ただし、今回に関しては、思い当たる人がいないという事ですので、ただ盗聴器や盗撮器をとっただけでは、犯人に盗聴器や盗撮器がバレた。という事実しか作りませんので、西田様の身の危険にさらす可能性もありますので、その点を踏まえて、諸々をどう判断するのかを決めていく必要があります」
法明寺の見解が西田理沙の中で自身の許容を超えてしまったのか、暁美が見るからに西田理沙はテンパり始めてしまう。
「・・・、どうしたらいいのでしょうか?」
挙動不審になる西田理沙に法明寺は丁寧に対応する。
奈々は法明寺とは別にすでにどんどん点検活動をしているようで、レシーバーを持ってリビングから離れてしまった。
暁美は本来は盗聴器、盗撮器発見の同席なので奈々の後ろを付いて行くべきなのだけども、法明寺と西田理沙のやりとりのほうが気になってしょうがないので、法明寺から注意されるまで、この会話の行く先を一緒におっかけようと決めてしまう。
「西田さん、落ち着いてください。大丈夫です。私には、多少ですが、心当たりあるところがあります。もし私の見解の可能性があれば、犯人が特定できなくても、盗聴器、盗撮器は外してしまって大丈夫です。
もちろん私の心当たりに関して、100%信用しろという話も無理があるとは思いますが、その場合は、さすがに盗聴器、盗撮器のある環境で暮らしていくのも厳しいでしょうから、少し費用はかかってしまいますが、解決するまではホテル暮らしもオススメです」
西田理沙に見えていない心当たりが法明寺にあることに違和感を隠せない西田理沙であるし、暁美ももちろんそうだった。ただ法明寺の表情がいつも以上に真剣なので、冗談を言っているわけでもないのはわかる。
でも早く先の説明をしてほしい暁美であるけれども、ここで会話を挟める状況でないのはもちろん理解しているので、結果、黙って耳を傾けているしかなかった。
「それはどういうことなのでしょうか?」
西田理沙の質問はごもっともである。
「すいません。今の状態では何も言えなくですね。私の見解がまちがっている可能性も否めませんので、しっかりと状況証拠が揃ってきた段階でご説明さえていただけましたらです」
「了解しました」
「それでですね、不躾なご質問をいくつかさせていただいでもよろしいでしょうか?お答えしたくない事であれば、お答えしなてくも問題ありません」
「はい」
「現在は、恋人はいらっしゃいますか?」
「いえ、いません」
「結婚願望は?」
「・・・、あります」
「すいません。色々と」
なんだか法明寺の心当たりある。会話のあたりから会話の雲行きがあやしい。盗聴・盗撮発見した後の流れってこんなんだったったけ。
もちろん、暁美からすると初めての盗聴・盗撮案件なので、流れを完全に知っているわけではないが、ネット等で盗聴・盗撮の事件のケースを調べていたりする。
法明寺の昨日の中々情報が出てこないところも気になった。
結局最後のやりとりもよくわからないやりとりだったし。
途中からの西田理沙に対する質問完全にプライベートのことやんけ、何聞いてんだ。エロおじさん。とツッコミたい暁美であるが、先ほどのくだりから考えるとふざけた会話ではないので、少しだけ法明寺を見るが、一切暁美の事を気にもとめていないような対応だったので、引き続き黙って聞いていることにする。
「このマンションはいつ頃引っ越されてきました」
「半年前ほどです」
「このマンションを気に入った理由はありますか?」
「・・・。このマンション実は、相場より少し家賃が安くてですね。そこに惹かれて引っ越してきました」
「そうなんですね」
「はい」
「ありがとうございます」
法明寺は、少し考え始めるような仕草をし始める。
「筧くん」
「はい」
「少し、席を外してくれるかな」
この流れで、嫌です。とはいいづらく、嫌です。と表情で主張してみた暁美だったが、法明寺は取り合ってくれない。
「わかりました」
悔しいけど、ここは素直に立ち去り、奈々のところに顔を出そうと、奈々を探す。奈々は寝室にいて、しゃがんで、内臓型コンセントを開けていたので暁美もしゃがんで奈々に近づく。
「奈々さん」
「お〜、アケちゃん、結局、吾郎ちゃんのほうが気になっちゃったのかな?」
「はい。。。やっぱりわかっちゃいました」
「ま〜、吾郎ちゃんにとっても」
「法明寺さんにとっても?」
「あ、なんだっけな?吾郎ちゃんも最近頑張ってきてるし」
「なんですかー、それー?私だけ、のけものですかー?泣きますよ」
「そんな〜、アケちゃん勘が良すぎるよ〜。ウチから言っちゃうと怒られちゃうからごめん〜。いい子いい子してあげるから」
奈々は作業着着て軍手して作業しているくらいなので、そこそこ汚れている。その汚れて軍手を暁美の頭に近づけようとしてきたので、暁美はその手を取り払う。
「奈々さん、普通に汚いっす」
「あ、そっか、ごめんごめん」
えへへと笑う奈々をこれ以上追求するのも悪いので、法明寺のほうを追求しようと、暁美はリビングに戻る。
「法明寺さん」
「なんだ?」
「席に戻ってもいいですか?」
「あ、そうだな」
バツが悪そうに頭を掻いて、法明寺は返答する。もう二人の会話は止まっていて、暁美が席についても会話は行われていなかったけど、西田理沙の絶望した顔を見るとショッキングな出来事があったのかもしれないと言うのは、見て取れる。
しばらくの沈黙期間を経て、奈々が戻ってくる。
「終わりました〜」
「ありがとうございます」
「おー、ご苦労様」
「お疲れ様です」
奈々が戻ってくるのにあわせて、西田理沙、法明寺、暁美が順次奈々に声をかける。
「それで?」
「この部屋すごいよ〜。盗聴・盗撮部屋と言っても過言じゃない〜」
奈々の発言にあわせて、暁美は少しだけ西田理沙のほうへ視線を向けると、青ざめた顔をしている。
それはそうだよね。
自分の私生活をすべて誰かに見られていると思うと、気持ち悪くなってしまうのもしょうがない。
「では、先ほどの話でいうととり外す方向で大丈夫でしょうか?」
「はい。お願い致します」
「そういうことだ。全部取り外してくれ」
「あ、説明しなくていいの〜?」
「大丈夫だ。取り外しした後に説明してくれればいいから」
「了解〜」
奈々さんがまた色々な部屋に移動し始めて、ガチャガチャやっている。
「すこし失礼します」
法明寺がテーブルから離れて、奈々のほうへ行く。二人の会話が気になる暁美だが、私も失礼しますと言って法明寺を追いかけるのは微妙なのはわかっているので、西田理沙と二人で気まずい空気の中で、法明寺が戻ってくるのを待つ。
「西田様、私、先に失礼させていただきます。今後のことはまた追ってご連絡させてください。報告は大盗からしっかりさせていただきます。少し変わっている者ですので、お気づきのように言葉遣いにやや問題ありますが、優秀なスタッフでありますので、ご了承いただけましたら幸いです」
「了解しました」
リビングに少しだけ、顔を出した法明寺は、西田理沙に伝えることだけ、伝えて、そのまま暁美をおいて、失礼しますとそのまま出て行こうとしたため、暁美はさすがに法明寺を追いかける。
「私もすいません、一度失礼します」
西田理沙に断りをいれて、法明寺を追いかける。玄関口に法明寺がいたのを見つけて、小走りで向かい、法明寺の動きを止めるかのように少し飛び込み気味で抱きつく。
「ちょ・・・」
「ちょ!!っじゃないですよ。なんで先行っちゃうんですか?」
「まー色々あるんだよ。後でちゃんとしっかり説明してやるから」
「絶対の絶対ですよ」
「わかった。わかった」
抱きつく暁美を離し、頭をポンポンして、玄関を出ていく法明寺。いままでの対応を明らかに違う法明寺に対して不安を隠しきれない暁美だったが、ここで無理やりついて行かない方がいいと、なぜか直感みたいなものも働き我慢することにする。
法明寺と西田理沙のやりとりで変なところはなかったか、ヒントを自分の中で探しながら、西田理沙のいる席に一人で戻るのも気まずく、奈々を探すが、トイレにも、洗面所にも、お風呂場にもいないので、致し方なくリビングに戻ると、山のような盗聴器らしきものをテーブルの上に置いてあるのと、奈々と西田理沙の姿を見つける。
「奈々さん、これって」
「でしょ〜。やばいでしょ〜?」
あまりの数の盗聴器らしき残骸に言葉が出てこないのか、西田理沙は何も言わなかった。数は全部で11個。
「説明しますね〜。玄関1、トイレ1、洗面所2、リビング3、台所3、寝室1の壁内臓のコンセントにはすべて盗聴器が入ってました〜。あとパソコンのカメラも盗撮器として使われてました〜。」
「え!!それってもうほとんど」
「全部だね〜。西さん、パソコンは野良wifiっていうどこかが出しているパスワードロックかかってないwifiを使っていたのが原因ですね〜。それが原因でosがウィルスに侵されてパソコンのカメラがwebカメラとして家の中を映し出しているみたいです〜。パソコンのウィルスになるとウチも専門外なので、業者頼むか初期化しちゃったほうがいいと思いますです〜」
「・・・、はい」
あまりの量に言葉が出てこない西田理沙に暁美もかけてあげる言葉もなく、
「それでは、私達も一旦失礼させていただきます。法明寺から今後の連絡というお話をされていたと思いますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。私達も西田様のお役に立てることはなんでもしたいと思っていますので、お気軽にご相談ください」
「・・・・・・はい。この度はありがとうございました」
深々と頭を下げる西田理沙を見て、またもやいたたまれない気持ちになってしまう暁美だった。
「では、失礼します。奈々さん行きますよ」
「は〜い」
次は0時にアップします。
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