序章
たまっていたものをUPしていきます!
だいぶ前に書いたので続くかは不明です……
昔々、人と魔物は共存していました。
しかし、ある日魔王が生まれました。魔王は魔物を凶暴化させ人を襲い出しました。
人が数で勝っても圧倒的な力の差人の数は少しずつ減っていきました。
そんな時、ある国の国王が御触書を出しました。
“勇者となり魔王を倒してくれた者に褒美を与える”
そして、ある若者が勇者として名乗りを上げ国随一の魔法使いと剣士と神官を付け、勇者一行として旅立ちました。
数ヶ月、勇者は苦戦の末魔王を倒しました。その時に魔王の心臓を突き破った剣は聖剣として今でも城に眠っているのです。
***
ゆらり、と黒い霧が形を成していく。王座の間の真ん中で皆が息を潜めて見る中、私の目の前で。
“魔王”は復活した__。
正確には復活をしたことを告げた、と言うべきなのか。聖神官長の彼でさえも目をひん剥いて失神寸前でそれを見ている。
__お前は、そうか
ぼんやりと形を成す霧から発せられる声はヒトとは思えないほど低く嘲笑を含んでいた。
__お前を私の花嫁としよう。
そして黒い霧は霧散し何も残らなかった。皆が声すら発することのできない中、母様の悲鳴と父様の嘆き声が聞こえた__。
それから父様は御触書を出した。建国神話同様に語り継がれている、あの勇者の話と似たものを。私を魔王の手から救うために。
***
私、リアリトス・ルルージャ・ハルティオン・シーアとゆう長ったらしい名を持つハルティオン国の第一王位継承者で第一王女である。
つい、先日復活したらしい魔王から求婚された王女なのだ。なんとも自分で言うと滑稽だが事実は事実。
あれから母様は寝込んでしまわれて毎日私を抱きしめてはごめんなさい、と謝る。謝られたところで、と思うのだが何も言わずされるがまま。
父様は御触書を出したが、勇者の資格に見合う者はおらず頭を悩ましている。私の次に王位継承権がある弟は毎日私の元へ来ては存在を確かめるようにして抱きしめる。
私は厳重な警備の元、部屋から出るわけにもいかず魔法士たちがはってくれた結界の中にいる。
はっきり言おう。
「退屈だわ」
「姫様、何を言いますか」
侍女であり幼き頃、話し相手でもあったシュリはジト目で私を見る。
「わかっているわよ、皆が守ろうとしてくれてること。だけれども、勇者の選定は進まない、魔王どころか
魔物の凶暴化すら報告されてない中で、本当に魔王が復活したと言えるのかも怪しいわ。それに私の生誕式の継承権授与の最中に現れるなんて出来すぎではないかしら?」
魔王が私の前に黒い霧として現れたのは私の17歳の生誕式の時。王族の女性は成人となる17歳の生誕式で正式に王位継承権を授与、とゆう形で認められる。その重要な場面で現れるなんて、一瞬、反勢力の貴族が謀反を企てたのかと疑った。
「何を考えても仕方ないですよ、姫様。」
「そうね……」
窘められて渋々下がる。この疑問は何度も父である王に進言しているのだが簡単に調べられるものではないのだ。
「それにしても、勇者の選定ってなにでしているのかしら?」
「衛兵が言うには模擬戦をして勝者が聖剣を抜く資格をもらえるらしいですよ」
「聖剣ねぇ……」
勇者が魔王の心臓を突き刺したもの。
はた、と思いついて立ち上がるとシュリは怪訝な顔で私を見る。そんな彼女に笑う。
「ねぇ、私も聖剣を見たいわ」
一瞬にして呆れた顔を見せる彼女の腕を取り扉を開けた。
***
__ はやく、おいで。
懐かしい、声。
頭にやんわりと響く、声。
あなたは、誰__
「……リアリトス様、リアリトス王女。」
「っえ?」
はっと我に帰れば目の前に仁王立ちしたシュリがいて、此方を心配そうに伺ってる。
「後気分が悪いのですか?なんなら、戻りますか?」
「……いえ、何もないわ。」
「なら、いいですけど……さ、ここですよ。」
シュリが示したのは城の地下にある場所、丁度王座の間の下あたりだろう。衛兵に挨拶をすると慌てたように敬礼を返される。
普通王女が来るなんて思わないわよね、とこっそり謝っとく。そしたら後ろでシュリと護衛騎士が事情を説明していたので良しとしよう。
彼らが話している間に扉を開けて部屋の中に入る。扉の構造からして王座の間とほぼ同じ作りになっている。違うのは玉座がない代わりにその場所に剣が突き立てられている。
それに引き寄せられるように向かって歩く。まるで何かに急かされるように。
「リアリトス様?」
後から入ってきたシュリと騎士が私の名を呼ぶけど、少しも耳に入らない。
ただ、目の前にある聖剣に手を伸ばし__
「「リアリトス様!!」」
バチっと身体中に静電気が走ったような衝撃に襲われて、手に力を込めた。
「あ、」
「……うそ」
「………。」
先ほどまで見えなかった刃の先が地面について音がなる。
右手にある重みを感じながら、絶句する。
「……!!」
『……んー?何事だぁ〜?』
「「「…………」」」
聞こえてきた声に三人で固まる。え、と視線で何事だとこちらが問いたい。何、何が喋ってるんだ。
『んー?お、お前リアリトスじゃねーか!久しぶりだなー、ってなんか幼くなってねーか?』
剣が喋っている、と分かってはいる。けれど、何この状況。三人とも固まったままいると、扉が大きな音を立てて開かれる。驚いてそちらを見ると父が血相を変えて駆け寄ってきた。その後ろには宰相もいるが顔色が悪い。
「リアリトス、お前抜いたのか……?抜いてしまったのか……?」
「……申し訳ありません、父様」
悲壮な顔で私を見つめる父にただ、謝ることしかできない。誰もが何も言えなかった。
『おいおい、どーしたんだよ。リアリトス、どーゆーことだ。』
この、話す聖剣を除いては。




