表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/30

卒業試験 3

sideローズ


卒業試験は学校の教師以外に外部へ試験管の協力を頼んである。これは卒業した後、実戦で生き残れるかを見極める為だ。いくら技術を教える立場にいたとしても、戦闘の現場から離れ安全な場所にいる教師だけよりも、実際にその技術を使用している現役の魔法使いが見極めたほうがより確実と言える。さらに今回の試験ではいろんな意味で問題児である生徒が数名いる為、外部試験管選びも難航を極めた。そしてやってきた外部試験管に驚きすぎて顔が引きつったのを覚えている。


(今回の外部試験管は異例とも言えるが、目の前の光景を見るとやはりルインが異端児だと思わずにいられないか……正直、試験の後を考えると頭が痛い)


頭を抱えながら目の前の光景を見ていると学校の試験という枠を軽く超えているその事態に溜息がでる。

開始合図と同時に動き出す外部試験管、今回の試験で問題児にはある程度手加減は無用と伝えてあった。問題児は今試験を受けているルインと先ほど受けたシーズの2人だ。シーズの試験で最初は様子見で動いた外部試験管は直ぐに本気を出す事態となった。そのため今回のルインでは最初からとばして行くらしい。


いきなりルインに向かって炎の攻撃魔法を仕掛ける外部試験管、15歳の学生に向ける威力としてはやりすぎな気もするがルインも何の問題がないかの如くカウンター魔法で炎を全て外部試験管に跳ね返している。

炎を全て跳ね返されて驚いた外部試験管は驚いて防御魔法を展開していくがこの時点で勝敗は決していた。ルインがカウンター魔法と同時に外部試験管の周りを囲むように防御魔法を展開したのだ。物理も魔法も外からも中からも跳ね除けるだろう強力な防御魔法を。炎が収まり状況を把握した外部試験管も周囲を見渡して驚いている。しかしルインの本質はここから発揮される。

ルインが得意とする魔法は攻撃であれ補助であれ、小出しで細工するよりも圧倒的な魔力で全てをなぎ倒すことだ。正直ただの大雑把とも言えるが。

現に今、ルインの周りに大量の魔力が渦巻いているのがわかる。そのままルインがゆっくりと右手を上げるとそれに合わせて周りを渦巻く魔力からパチッパチッと弾ける音が聞こえるニヤリと笑ったルインが勢いよく上げた右手を振り下ろす。


ドゴオオォォォォォォォォォォォン!!!!!!!


我々3人がいる周りを囲むように強烈な雷の魔法が炸裂する。我々からは離れているというのに、その威力の余波で大量の土煙が急激に流れ込んでくる。

土煙を魔法で防ぎながらルインと外部試験管を観察すると。流れ込む土煙に流石にやり過ぎたを感じたのか少し焦るルインと、防御魔法で余波を全く受けていないが

目の前で起きた出来事に驚きを通り越して唖然とする外部試験管を見て、この後にのことを考え更に痛む頭に頭痛が痛いってこのことかなと現実逃避するしかできなかった。


勿論試験内容であるオーブの破壊は問題なく合格だ。あの雷により跡形もなくなっていたからな。




side外部試験管


今回アシュトレイン学校より外部試験管の要請が来て担当することになった。学校が卒場試験で外部試験管を使用していることは昔からでそれ自体は何も問題ない。

問題なのはこの要請が来た私が所属する場所だ。しかし今回は異例の生徒が数名いると学校からの強い要望で私が学校に派遣された。

最初の生徒はシーズという15歳の少年。少年にしてはしっかりした体格で、卒業を掛けた試験でも落ち着いて緊張する素振りをみせなかった。いくら学校側が異例だと言っても所詮15歳の少年と思い最初は手加減をして様子を見ようとしたが、直ぐに考えを改めさせられた。

シーズはこちらからの攻撃を軽くいなすと直ぐに転移魔法を使用してオーブの破壊に向かってしまったのだ。転移魔法は高位の魔法使いしか使用できない難易度の高い魔法だ。使用できる魔法使いはその利便性や使いこなせる技術を買われ王宮などで高い地位に就職ができるとされる。それを近距離とはいえ、誤差もなく使用してオーブを破壊していく姿に私は思わず唖然と見ていることしかできなかった。

2人目のルインはシーズに比べ小柄で正直本当にこれが異例なのかという外見だった。しかし先ほどのシーズのことを考慮し様子見ではなく最初から攻撃を仕掛けることにした。学校の卒業試験の域を超えているとは自覚していたが、先程のような失態を犯すわけにはいかない。ルインという少年には悪いが、今回の試験は諦めてもらおうと思い、私が得意とする高位の炎魔法を小柄な少年に叩き込んだのだ。


(何が起きてるのよ!!!??さっきの魔法はかなり魔力を込めた高位魔法なのよ!!それを簡単に弾き返されてそれどころか閉じ込められるなんて!!!)


信じることができなかった。所詮学生と思っていた少年に自分の技が全て返され閉じ込められるという事態に。しかしその後すぐに理解できない現象が目の前で起きたのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ