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卒業試験 2

「ただ今よりアシュトレイン学校魔法科の卒業実技試験を始める。名前を呼ばれたものから教師の元に行き指示を受けろ。まさかとは思うが不正が発覚した場合は重罰に処する決して問題を起こすなよ」


適当にセレナの相手をしていると魔法科の教師がやってきて試験開始を宣言された。

今回の試験を受ける生徒は27人、担当教師は7人だ。今宣言をしたのが魔法科の教師を束ねてる顧問のロイス先生正直、魔法科ではなく戦士科の教師と言われた方が納得できる革鎧を着た筋肉隆々のおっさんだ。

残りの教師は正直よくわからなかった。いかにも魔法使いですといった黒いフードつきローブをご丁寧にフードを被って着ている。

3人は学校の教師で間違いはないのだが、残りの3人は感じたことがない魔力である。


「次、シーズ」


「あ、僕の番だ先に行ってくるよ」


謎の教師について考えていると1人の教師に呼ばれてシーズが教師の元に向かった。


「ま、頑張れよ」


「頑張ってください」


セレナと2人でシーズを見送りながら呼ばれていく生徒を観察する。

どうやら1人1人こことは別の場所で試験を行うらしく、呼ばれた生徒は教師の移動魔法でどこか別の場所に飛ばされている。


(試験を生徒1人につき教師が2人か、教師の片方が知らない奴、外部の人間か?

ここではなく別の場所で行うということは大掛かりな魔法……戦闘も考えられるのか?その場合は、教師のどちらか、外部の人間とと考えるのが妥当か……)


試験について考えると最初に3人の生徒が呼ばれたうちの1人の生徒が2人の教師と共に戻って来た。生徒は行きと違い制服が所々焦げていてボロボロになっている。怪我が見当たらないのは、治療魔法を受けたのだろう。対して教師の方はローブに汚れ1つ見当たらない。


(教師と戦闘と考えたが、あまりにも差がありすぎる。いくら教師相手といってもこの学園で最終学年まで残っているんだぞそれとも別の何かと戦闘か?)


「いったい試験とはどのような内容なのでしょうか……」


異様な光景に不安になったのかセレナが困惑した様子で呟いている。他の生徒たちも不安げにざわつき始めた。

戻って来たボロボロの生徒はそのまま他の生徒と合流することなく別の場所に移動させらてれて行く。


「次、セレナ」


「はっはい」


いつもの煩さがなりを潜め不安そうに返事をしているセレナが流石に可哀そうに感じる。


(試験内容がわからないし、ボロボロな生徒を見たばっかりだし無理はないか)


「緊張したって仕方ないし、いつも通りにやればお前も問題ないだろ」


苦手がだ、嫌いではないし一応友人の括りにあるので励ましておこう。


「……ふふ、ありがとうございます ルインも頑張ってくださいね」


珍しく素直になったセレナに驚きつつも、どこか吹っ切れた様子で教員の元に向かって行くセレナを見送る。

セレナが移動したタイミングで先に呼ばれていたシーズが教師と共に戻って来た。

ルインの様子は少し制服が汚れている様だが、最初に見た生徒の様にボロボロではなかった。教師の方も移動前と違いが感じられない。


(いったいどんな試験なんだ、最初の生徒を見た感じ戦闘と考えられるがシーズとの結果の差がありすぎる……!!)


そうこう考えているとシーズがこちらを見てニコッと笑って去っていった。


(戦闘で間違いない。それも力押しできる感じだ)


シーズは優しい性格に反して戦闘スタイルはかなり大胆だ。これは俺自身にも言える。シーズと俺は魔法を使用する際に必要となる魔力の量が他の人より遥かに多い。勿論魔力だけではなく、それを使用する為の技術も勿論他の人より優れている。ただ、どうしても大量の魔力をチビチビ使用するよりもドカンと大量に使用する方が実は楽だったりする。

魔力が少ない人がやれば、魔力切れで最悪ミイラになる可能性もあるのだが、今までにどれだけ大量に魔力を使用してもミイラになった例がない。逆に細部まで気を配る魔力の使用方法は俺たちには向いていないのだ。大きな筆で米粒に緻密な絵を描けと言われているようなものだ。

なので、シーズがあのように笑ったということは細かいことを気にせずに魔法をぶっ放せばいいということだ。


「次、ルイン」


「はいよ」


ついに俺の番が来たと教師の元に向かう。力押しできる試験だとわかれば何も問題はない。


「今から試験会場に移動する 詳しい説明は向こうで行うので合図が出るまでは魔法の使用を禁止とする」


そう俺に言ってきたのは魔法科の教師、ローズ先生だ授業を受けたことはないが校内で何度か見かけたことがある。近づけば流石にフードを被っていていも誰だかわかる。しかし、もう1人の方はやはり誰だはわからなかった。

ローズ先生が魔法を発動して俺たちは試験会場に移動する。そこは渇いた岩が剥き出しとなった草一本生えていないだだっ広い荒野だった。


「ここが試験会場だ。試験内容はここから半径1キロ以内に魔力を込めたオーブを

3つセットしてある。それを時間以内に破壊しろ。制限時間は30分また今回の試験で攻撃していいものはオーブのみとする。それ以外への攻撃魔法は減点となる。それ以外は好きなように行動して構わない 何か質問は?」


(それはオーブ以外へ攻撃をする事態が発生するのか?多分するだろうな、でないとボロボロになった生徒の理由が無いしかし攻撃魔法が駄目なら補助魔法か……物理は却下だな いざっていう時は補助魔法で対処するしかないかつまり俺が発動した魔法が補助魔法に分類されれば何をしてもいいってことだよな)


「補助魔法なら何をしても、何が起きてもいいってことでしょ」


質問ではなく断定で言い放つ。


「好きにしろ……だがあまり破壊はするな」


はぁーと溜息をつきながら回答してくれるローズ先生に、そこは「頑張れよ」とか激励の言葉を言うところじゃないかと思いながらも、一応お墨付きをもらったのでよしとしよう。

オーブの位置はここからでも捕捉できたし問題ない。もし攻撃されようとも補助魔法でどうとでもできるし楽勝だ。

ついに試験が開始されるのかローズ先生ともう1人の教員はそれぞれ離れた位置に立っている。


「では、今からルインの卒業実技試験を開始する。制限時間は30分始め!!」



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