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初めて助けてもらった
………あれ?
あれだけ執行に触っていたはずの手が、私の太腿から離れた。
かわりに……と言ってはなんだけど、フワッと優しい柔軟剤の匂いがした気がする。
「なんだお前、狭いとこに入ってくるなよ」
低く野太い声にドキッとして、後ろを振り返った。
まず第一に目に映ったのは、黒い布と勲章。
……あれ、この勲章って、私の学校のマークと一緒?
それは学ランだという事を理解しつつ更にその後ろを見ると、さっきの痴漢野郎が眉間にシワを寄せていた。
その間には、かなり長身の男子高生と思われる人。
もしかしてこの後ろの人、助けてくれたのかな?
顔を確認したいけどここで目があったらちょっと気まずいし。
残念ながらこの高身長の男の顔は私の視界から途切れているためチラ見することすらできない。
「おい、聞いてんのかよ」
そこでガシッと男の黒く厳つい手が男子高生の高い肩を掴んだ。
余りにもその所作が荒々しく、こちらまでビクビクしてしまう。
すると、はぁ、というため息とミントの香りが後ろで吐き出された。




