夜の海に溺れる深海魚
静かな夜はいつも愛おしさを運んでゆく
水中から見る星空も寂しくて
滴る雫、切れた透明の糸も全部
私はまだ直せると思っているの
綺麗で素直な言葉を探している
でも雨にまみれてまだねえ見えないの
消えそうな震える声をまだ持ち続けている
這いよるヒトデもまだ会いたいって言っているから
だからまだ私も諦めたくなくて
でもわからなくて下を向いてしまう
暗闇の底へ……
夜の中で空気の泡を作っては壊して
わざと触っては弾かせた
目からの違和感もまだ収まらなくて
矛盾と空を歩いているようで
ふわふわと落ちてゆく
重力と浮力の重さに耐え切れなくて
雨粒、深海の中で溺れる私に
救いの手ももう差し伸べられないから
逆さまの傘、水たまり
少しずつ私が壊れてゆきそう
まだ引きずる幼気に見える自分と
夢の中までも
手を握りたくてでも
叶わないから住処に潜った
そして水を涙で湿らせて
明日を選ぼうか