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第三十話、仲間はいまいますか?

 俺は開始すぐにいた始まりの村……名も無き村を出た所にある街道で、初心者用と思われるモンスター、ストーンイーターと対峙している。


 自由にやるのも苦労するな。


 素手で大ミミズにを殴りながら心底思っていた。






 名も無き村。


 村人(NPC)に確認した所、ここは初心者用の村、レベル3までしか滞在できないとのこと。

 結構シビアな条件つけたな。


 多分本当にレベル4からは村に入ることは出来ず、別の村や町を拠点にしなくてはならないんだろう。


 流石新規追加マップの隠れ里だ。 


 それに村の周りのモンスターが弱い……素手でモンスターが狩らざるを得ないんだから当然か?


 次に所持数が3個制限だが、薬草が格安で購入出来る。多分、相場の1/10位か?


 後、宿が無料で使用できる……最もこれは村に宿が無いため、馬小屋を借りると言う設定なので居心地は悪いとの事だが。


 後は、翔の話だと最高レベルが8で皆が完全に新規プレイヤーらしいので、仲間が作りやすいのと、いきなりフレンドになったマリアのように、初心者救済用のクエストをしようとしてるプレイヤーがいることか。(相手もレベル3以下のプレイヤーだが)


 逆に悪い点も当然ある。


 先程の宿泊施設(馬小屋)の件もそうだが、ここにいるプレイヤーは、全員何も装備を持ってない状態で始まる。更にこの村には武器や防具を手に入れる手段がない。


 武器屋や防具屋は当然なく、初心者用のモンスターと言うことで修正を受けてるのか、敵からのドロップも倒したモンスターの体の一部以外は殆ど手に入らない。


 マリアも現在でも素手の防具なしだそうだ。


 この名も無き村にいる間は、装備品を手に入れられる可能性は絶望的だろうな。


 合成スキルでもあれば別なんだろうが、そんな便利なの持ってる初心者はいないだろう。

 ランダムスキル制度がどれだけいきるか?


 武器に関しては、スキル適正関係なく使用は出来る為、村のクワや鎌、棍棒等の、NPCの村人の所持品も当然使える。

 しかし、必ず見つかるようになっており、その際に襲ってくる村人がとんでもなく強いとの事。


 しかも、成功しても失敗しても犯罪者となり、プレイヤーネームは赤になる。


 俺は知らなかったが、今回のバージョンアップから犯罪者制度が取り入れられたらしいのだ。


 更に、それだけでは終わらず、村でも宿泊と買い物は出来なくなり、村人からは常に襲いかかられるデッドオアアライブ……いや、デットオアデット状態になる、と言うことだ。


 赤ネームが成否に関係なく、と、言うのが凄いな。


 PKに対しての対策は迅速なんだな。流石はロックスカン社……いや、これは美玲達の差し金か?


 つまり、どうするかと言うと……皆、素手でレベルをあげる訳だ。


 ん? 知りすぎだって? 仕方ないのさ。


(マリア、戦闘中だ。少し黙れ)

(女の子にそんな言い方したら駄目だよ。僕だって少しは傷つくんだよ)


 まあ、こんな訳だった。







「無事、初戦闘は勝てたみたいだね。僕のアドバイスのお陰だね」

「バカ言うな。素手で戦闘しながら、テルを同時に行ったんだぞ。勝利した俺のリアルスキルを褒め称えろ」


 聞けば、初心者用のアドバイスクエストは、レベル3以上で一回しか出来ないらしくマリアも初めての挑戦らしい。(失敗はカウントされない)


「でも、僕の説明適切だったでしょ?」

「そもそも俺は要らんと言ったろう? それに、これはキーボードを使って行う従来型のネットゲームじゃないんだぞ。自らの体を動かすヴァーチャルリアリティーなんだ。普通の奴にそんな聖徳太子みたいな真似が出切るか」


 気付いてなかったのか? 普通にショックを受けてる……まあ、知識は参考になったし敵は倒せたから別に気にしてないが。


「ごめんね、僕、全然そんな事考えてなかったよ……」

「気にするな。そういった場合もある、とだけ覚えておけば、同じようなクエストの時にマリアが楽になるだろうと思っただけだ」


 これなら、いい人っぽいだろ。実際は、目の前でへこまれると辛気くさくて面倒だと思っただけだが。


「ありがと、ジェイル」

「構わん。所で、俺への救済クエストは後、何をすれば終わりなんだ?」


 大体の説明は聞いた感じだし、もう無いんじゃないのか?


「え、後はね……パーティー経験……僕とパーティーを組むのと、レベルアップとスキルについての説明だよ」

「そうか、まだ、俺が知らない事があるみたいだな。乗り掛かった船だ。マリア、このまま、お前のクエストを完了させてくれ」

「……え? いいの?」

「一から別の奴に講習するより早いだろう? 俺としてもマリアの説明はわかりやすかった」


 これも、もし、必要になった時に、俺が同じ説明をされる愚を無くしたかっただけだが。


「有り難う。じゃあ、改めて……宜しくね、シュール」


 握手か……俺は俺の打算の為に言っただけなので、感謝されるいわれはないんだが……。


「ああ、宜しく。便りにしてる」

「うん! 僕に全部任せといてよ!」


 熱いな。ま、たまにはこんなのもいいかな。


 次はどうやらパーティーか。早く初心者を脱出したいものだ。


 マリアに言われるままに、俺は彼女とパーティーを組んだ。


 マリアもまたタイミング良くクエストを発生させたな。

 これでは終わるまで、前ジェイルから引き継いだスキルを試す暇がないな。

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