第十八話、街は貴方達を待ってますか?(4)
今回向かった先は、ロマノフが探して探して探しまくった先に見つけたダンジョン、失われた祭壇。
ここは極低確率だがネクタルが宝箱からのドロップ報告であったそうだ。
OOは、今後に必要になるかもしれない効果不明のよくわからないアイテムが山ほどドロップするため、報告版が作られている。が、殆ど効果や役割不明のまま終わるため、やつも注意も払っておらず一度は見逃してしまったらしい。
適正レベルは17~45。
複数階層の為、下層ほど敵が強くなる。
余程のリアルラックにもよるが一階の宝箱からでも下層アイテムは出るらしい。
その入り口付近で、俺とミリンダは新規スキルのお披露目会を行っていた。
「召喚、ロックゴーレム。行け!」
「大きいですねぇ」
「レベル1だろ? ここは最低で17だぜ。まさかダメージがあるなんて……」
人型のトカゲ、リザードマンに襲いかかったロックゴーレム。流石にダメージは微々たる物だし、向こうの攻撃でゲージは殆ど減らされる。
でも、このレベル差で生き残った方が凄いだろ。
攻撃も当たるし、やはり召喚獣補整とは恐ろしい。
「特徴はまだまだある。ロック、パージ!」
「ーーグジャウ!?」
「爆発? いや、装甲を切り離したのか」
「ダメージも凄く高いです!!」
ん? パージの事知らないのか? てっきりアイリーンが吹聴してると思ったのに。
「私? ふふ、こんな面白そうな事、現物で見せた方が楽しいに決まってるでしょ? だから、散々煽って自慢だけしたのよ」
つまり、黙ってたのね。
「難しいかもしれんが、時間を稼げ」
重量が軽くなったロックゴーレムは、身を守る防御姿勢になる。
パージ、大ダメージを複数回与えられるがウェイトタイムがあり、連続発動は出来ないようになっている。
それまでをどうやって凌かが、これからの課題だな。
予想通り次のパージ、発動まで保たずに破壊される。と、言うか残HPでパージしたらそりゃ保たんよな。只でさえ瀕死のダメージだったんだから。
「召喚、クレイゴーレム。行け!」
「じゃあ、次は私ですね。まずはこれです。スキル、ウォーター」
喚びだしたクレイはリザードマンの攻撃にも動じる様子はなく、スロウ効果を被弾時にまき散らしながら互角以上に立ち回る。
こちらもレベルはまだ互角ではないが、防御特化なので盾役に向いてる。
クレイゴーレムの最大の特徴スロウ。全行動の遅延化と言う恐ろしいものだ。
……一番下位のゴーレムなのにこの効果。勿論そのスロウの程度は耐性やレベル差もあるが、上位のゴーレムを習得してもこの有用性は何ら劣る事はない。
今も格上のリザードマンを足止めしてる所を見ると、結構なスロウ効果が入ってるみたいだ。
それを見ながら、ミリンダの新規魔法ウォーターが発動する。
改めて確認すると、手からでる水のビームだな、ありゃ。が、クレイと戦闘中のリザードマンに直撃する。
「やっぱり、ダメージはわからないくらい低いですね。じゃあ、次です。これが大一番ですよ……グランドクロス!」
ミリンダの足下から地割れが起こり、リザードマンに直撃すると地割れが十字に割れて炎が吹き上がる。
あれは……クエストボス、グランナーニャル の使っていた……。
「びっくりしましたか?」
「ああ、まさかこんなのまで修得してるなんて」
「凄いな……2人とも」
さあ、お披露目はお終いだぞ。このままじゃ、再弱と低レベルが撃破してしまうぞ?
「その通りだわ。ロマノフ、準備は宜しい?」
「おう! 任せろ、遅れは取らん!」
大分HPが減っていたので、リザードマン撃破には時間はかからなかった。
因みにまだ俺のニューウェポン、草刈り鎌はお披露目していない。
どのタイミングで出すのがいいかな?
一番注目される場所がいいよな。
「適切にスキルを覚えてる魔法職はやはり恐ろしいよ」
「うんうん。内緒にした甲斐があったわ」
「転職か、俺もするかなぁ? そろそろ戦士の上位ジョブの条件満たすし」
「お前もやるのか?」
「ああ、今ならパーティー内でも遅れは取らないだろうし」
「それなら私も、かしら。拳闘士とアタッカーがいけそうだし」
「だったらアタッカー一択だろ常考」
上位ジョブ? 意味としてはわかるが、でも、ミリンダの魔法使いから賢者への転職はそれにあたらないのか?
どう見ても上位じゃね?
「いや、賢者やアイリーンの言ったアタッカーみたいなイレギュラーのジョブは分岐する元が無いんだ。魔法使いはウィザードが上位ジョブにあたる。お前は…………知らん」
「まあ、実装されてないわけだしな。考えても無駄だろ」
転職の普及率を知ってから、こんな日が来るとは思ってたがやはり置いてけぼり感があるな。
「アイリーン。その二つはどう違うの?」
「クエストはどっちも寺院で受けるのは同じね。拳闘士は今より格闘特化。アタッカーは武器を使った連係攻撃が出来るジョブよ」
「アタッカーが賢者と同じようにレアって事? 確かに何でもありの方がアイリーンは強くなるしね」
…………? どう言うことだ?
「アイリーンは武道経験者なんだよな?」
「そうですよぉ、私より全然強いんです! どの位強いのかといえば、この間も先生とその門下生のタッグを……モゴモゴコゴ……」
「貴女、余計なことは言わなくて良いから……私も一寸は自信あるけど、あくまでそれなりよ」
「今、ミリンダが……「ロマノフ、よけいな好奇心は実を滅ぼすぞ」……確かに。これはいつものやられる奴だ」
成る程、断片だけ聞けたが超強いのか。だが、なら何故?
「ああは言ったが、もうアタッカーのつもりなんだろ? 格闘だと何時もと同じだから武器戦闘をしたいって事か? それともレアだから?」
「あ、ああ…………それはね、ええっと……」
「ムゴムゴ…………んーー! ぷはぁ! 違うんです、ジェイルさん! 道場は別で、家の家系的にアイリーンは歴代最強なんです! むしろ獲物を手にした方が全然……ンガゴゴッググ……んー! んー!」
「だから余計なこと話さないの。全く……二人とも…………一応この娘の言うことは事実なんだけど、秘匿されてることだから周りには黙っててくれるかしら?」
この娘は……初めて会った時から何も治ってねぇ。それにしても歴代最強を自分で肯定するとか……どれだ最強なんだ?
「ああ、勿論だ。リアルの情報をあれほど漏らすなって初めて会った時に話したはずなのに……すまんな、俺の教育が足りなくて」
「俺も当然だな。アイリーンさんが凄いのはわかったが、とりあえずミリンダさんへのお説教方法から考えようか」
閑話休題。
「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、私が悪かったです、だからもう止めてください、言わないでください、見せないでください、助けてください、私なんかがここにいてすみませんでしたあ、あ、あ、あわーーーーわわーーー」
「うむ、少しやりすぎたか?」
「少しかしら? ジェイル……」
「お前ら……止めなかった俺もそうだが、羽目を外しすぎだろ」
トラウマになりかねんな。なんとかリカバーせんとな。
「ミリンダ、もう大丈夫だ。ミリンダのやったことは確かによくなかったかもしれないが、もう心配いらない。ここには俺がいるし、アイリーン……メイもいる」
一寸リカバーに時間がかかりそうなので、ミリンダがもらしていたアイリーンのあだ名? を口に出す。
「私の名前……?」
「ああ……すまないな。前にミリンダさんがつい口走ったから。多分今名前が必要だとあいつが判断したんだろうな。まあ、ネットマナーは犯してるが、今回は勘弁してくれないか?」
「気にしてはいないわ。そんな事だろうと思ってたし。ただ、一寸不公平な気がするわね。ロマノフの名前も聞きたいわ」
「俺の? まあ、マナー的にそうだな。俺は翔だよ、メイさん?」
「芽衣よ、だから何って気するけどね」
「メイも?」
「勿論だ。今怒ったのは、今ちゃんと言っておかないとミリンダに危険が及ぶかもしれなかったから、俺達も必死だったんだ」
「物は言いようだな。間違ってはいないが」
「ミリンダ……不味いかしら」
「私、そんな危ないことしちゃったんですか?」
「一歩間違うと、君も、メイも事件に巻き込まれて、命を落とす可能性だってあった。俺達だから良かったが、十分に注意しなくちゃいけない」
「ジェイルさん……そんなに私のことを心配して……」
「これはいつもの、あいつのずっと俺のターン、ってやつだ」
「いつもこんな感じなの? ジェイル、ジゴロの才覚があるわね」
「ここにいるうちは俺が必ず危険から守ってやる。心配はいらない。ただ、ここからでたらメイしかいない。彼女は君の事を愛しているが、彼女だって自身に降りかかる火の粉を軽く叩いて落としていかなきゃ行けないから、ずっとはいられないだろ? つまり……わかるか?」
「……ここでは好きなだけジェイルさんに甘えて、リアルでは頑張ってしっかり出来るようにがんばる」
「あれ? 日本語もおかしいが、内容はもっとおかしい気がするぞ」
「火の粉ってあるもの?」
「たまにね。まあ、ジェイルの言うように火の粉にもなり得ないようなレベルの物だけど……」
「ここでなら、好きなだけ甘えていいんですよね! じゃあ、これからよろしくお願いしますね! 私、頑張りますから!」
「え? なん? これは一体……」
「ロマノフ。ミリンダが落とされちゃったんだけど……」
「あの前から大分素養はあったんだろうな……この洗脳に近い優しさで一気に落ちたって感じだな。あいつが距離を見間違うのなんて初めて見たな」
「うふふ~、ジェイルさんとジェイルさんとジェイルさんと一緒~」
「どうしてこうなった? 何か間違ってたか? いつもと同じように元気付けようもしただけなんだが……」
「タイミングと、現在好感度がお前の考えるものと違ったんだろ」
現在盛大に抱きつかれている。なんか胸元で顔をスリスリされてる。
……俺はどうすればいいのだろうか?
「ロマノフ……今日ばかりはお前の妄言も否定しきれんな」
「ジェイル、言わなかったかしら? あの娘を落とすならまず私を倒すか落としてからにしなさいって」
いや、そんなつもりは毛頭無かったし。それに、最強の称号のお前に勝てるか。
「そう言われてもな……ああ、すまん。説得の中で必要と判断してミリンダが言ってたアイリーンのあだ名を使っちまった。マナー違反だとは思ったんだが、申し訳ない」
「ふふ~ジェイルさんジェイルさんジェイルさん」
「実名よ、芽衣。草冠の芽に衣服の衣。別に構わないわ。ただ、変わりに貴方の名前も聞きたいわ。ロマノフにはもう聞いたから」
ロマノフをみる。頷きながら俺を見ながら苦笑いしてやがる。
今度見てろよ。
「俺は純也だ。この状況、俺はどうしたものかな?」
「ちゃんと責任は取りなさいよ? 純也の言った言葉、嘘じゃないんでしょ」
「勿論だ。ここにいる限り、俺に出来うる限りの方法で彼女を外敵から守るつもりであるが」
「じゃあ、よし。聞くかはわからないけど、後で私からこの娘に説明しとくから。貴方は過剰だったけど、別におかしなこと言ってなかったし」
「そうか、助かる」
懐かれるのは嬉しいが、ミリンダが依存症になる原因になっても申し訳ないからな。
「ジェイルさん……あ、あの……じゅ、純也さん! 私の、名前は美玲です! お気軽にみれい! って呼んでくださいね!」
「いや、呼ばないから。ここはネットゲームの中だから、ハンドルネームで呼ぼうや」
とりあえずミリンダが落ち着くまで、しばらくの時間を要した。
「地図は俺がコンプリートしてる。任せとけ!」
「便利な腐れ廃人に今だけは感謝か……まことに遺憾ながら」
「ジェイルさん、素直に感謝しましょうよ」
「彼は人知れず感謝して行動を持って答える漢なのよ」
「マジか! ジェイル……そうか、今までの永きに渡ったツンデレっぷりにはそんな秘密が……」
「気のせいだ。黙れ、この変質者が!」
女性は友情好きなんだな。
「うう……先生、ジェイルさんがいつも僕にきついんです」
「諦めなければいつか報われますよ。貴方達には強い絆が見えます」
絆ねぇ。まぁ、なんだかんだで十年来の付き合いだしな。
「よし! じゃあ、皆! 俺についてきてくれ!」
意気揚々にテンション高く歩き出したロマノフについていく事になった。
うざい。
「さて、ここが一個目のトレジャーボックスの出現場所だ……と、あったな。開けて見ろよ」
「ーー俺が?」
「私もソレがいいと思う。妥当な判断だよ」
「ジェイルさん、頑張ってください! 私応援してます!」
頑張る事なのか? 応援されて変わるんだろうか?
まあ、言ってくれてるので、トレジャーボックスを開ける。
「ロマノフ……」
「どうした? 流石のお前でも無理だったか? まぁ、そんなものさ。じゃあ、次に行こう」
「いや、そうじゃない。これ……」
俺は手にしたアイテムを見せる。
「おまっ!? これ……」
「ジェイルさん、これ、ネクタルじゃないですか!?」
「まさか、一回で、とはね。ジェイル、貴方予想通りの規格外ね」
むしろ俺が手にしたこれを信じられない。
これで終わりなのか?
「ええと、じゃあ、帰るか?」
「もう帰るんですか?」
「クエスト中だ。もし、クエスト受諾したジェイルが戦闘不能になったらクエスト失敗になってしまう。アイテムが手に入った以上、そんな愚は犯せないさ。帰りは今以上に慎重にならないとな」
そうなのか、それは知らなかったな。
ダンジョンが振動しかねない位の足音が聞こえてくる。
「でも……そうも行かないみたいね」
「一直線に向かってきてるな。これが原因か?」
「かもしれないし、違うかもしれない」
「どういう事ですか?」
「トレジャーボックスに元々仕掛けられた罠の可能性もあるって事さ」
俺達が通路に戻ってきた時、階下と思われる方向からリザードマンが向かってきていた。
「3体か……ジェイル、どうだ? やれそうか?」
すべて赤ネームの格上。逃がさんぞぉ! ってな具合に熱意すら感じるな。
「駄目だな。全て格上だ。クレイを呼ぶ、逃走準備だ」
「わかった」
「はい、いつでもいけます」
「結局最後はこうなるのね」
呼び出したクレイをリザードマン達に向かわせて自爆させる。
「なんとか全員効果が出てるな。よし、行くぞ!」
速度を落としたリザードマンを尻目に、俺達は逃走を開始した。
「ジェイル、どうだ?」
「もう、無理だ。MPもせいしん草もない」
あの後も、何処からわいた? ってな具合に、だんどんその数を増やしていく大量のリザードマンを後方に引き連れながら、異常なトレインを作り出す俺たち。
「前にも! ジェイルさん!?」
「くっ、これは……」
前方からも走り寄るリザードマンの集団。
「ジェイル、いつかの借りを返すわ……張り手! 二連打!!」
先行していたアイリーンが、近くのリザードマンにスキルを発動させる。
「アイリーン!」
「おっと、君達の相手は私よ。このムチャクチャなクエストの行く末、私も興味あるしね。だから、勝手に死ぬ事は許さないわ。ジェイル、行きなさい!」
ローキックで、一匹を転倒させながら叫ぶ。
「……すまない。感謝する」
「よし、行くぞ。アイリーンの思いを無駄にするな」
「アイリーン、貴女も格好いいね」
「ミリンダ、貴女がそう言ってくれるなら私はまだまだ頑張れるわ。その「も」が誰を指してるのかは聞くまでもないからね」
俺達はそのまま走り抜けた。
(すまない。殆ど持たなかったわ。かなり下層からも来てるみたいで、私では1/3位しか道連れに出来なかったわ。街で待ってるわね。後はジェイル…………頑張るのよ)
やられたか。返事をする余裕は無いため、心の中で感謝の礼をとりながら可能な限り索敵しつつ走り回る。
数が多すぎる。
そして、すぐに追いついてくるリザードマン達。
「速くなってないか? あいつ等」
「あそこ、何かいますよ?」
なんだか一回り大きなリザードマンが、集団に混ざっている。
「名前まではわからんが、ユニークだろうな。足が速くなったのもそのせいだろう」
「む、このままじゃ、追いつかれるな」
足を止め、石斧を構えるロマノフ。
「次はオレの番だな、ジェイル、道はわかるな? 必ず生き抜けよ」
「ロマノフさん、ここは私が!」
「いや、少しでも時間を稼がないと……低レベル魔法職のミリンダさんより、俺の方が適任さ」
「今日は助かる奴だな……どうしたんだ?」
「お前の友情、確かに受け取った」
まだやってたんだ、それ。
そして、ロマノフは大きく石斧を一閃した。
(いやぁ、すまんな。やはり、殆ど時間は稼げなかった)
(ユニークありか。私の時より難易度が上がってるね)
「大丈夫です。後は私に任せて、街でアイリーンと一緒にゆっくりしててください」
「追いついてきたぞ。出口もあるが……間に合うか?」
出口は見えてる。最早左記には何もいない。全力疾走中だが、間に合わないか? 駄目か?
「グランドクロス! ストーンシャワー!」
十字に沸き上がる炎に、降り注ぐ石つぶて。
「さあ、ジェイルさん、走って!」
「ミリンダ、君も間に合う。進んで!!」
走るのが早すぎるだろう! むしろトカゲなら四つん這いで追いかけてこい! なら早くても納得してやるから。なんで二足歩行でこっちより早い!? くそっ!
出口はもう少し、MPは……………………回復した!!
ぴったり丁度まで回復したMPを使用して再度クレイを召喚する。
「クレイ、行け! ミリンダ、手を!」
足止めにと、足を止めて構えていたミリンダの手を掴む。
代わりに敵陣に呑み込まれたクレイゴーレム。即座に自爆させて、わずかに減った敵の進軍速度。を活かす。
間に合う、行ける!
「行ける、ミリンダ!」
「はい、ジェイルさん!」
そして、洞窟から飛び出て日の光を一身に受ける俺達。
バランスこそ崩したが、俺達は戦闘不能になる事なく、この失われた祭壇を脱出出来たのだった。
やはり奴らは外までは追ってこない。出口にバリアでも張ってあるかのように、ぎゅうぎゅうになってるトカゲ軍団。
中に他のプレイヤーがいないことを祈ろう。もしいたら、完全なMPKになってしまう。
「よかった。あんな大言壮語吹いておきながら、ミリンダを守れなかったらどうしようと思った」
「いいえ、ジェイルさんは守ってくれました。まるで王子様です」
……おう? いやいや、気にしない気にしない。
「目的の物も手に入ったんだ万々歳だしな。二人になってしまったけど、町で待ってる二人の所へ戻ろうか? 疲れたからのんびりね」
「はい。ででででででま、わ、わ、わ、わ、私はこんなのも全然楽しいと思います!!」
アイリーン、頼むね、説明。嬉しくはないけど、本当にこの娘依存しちゃうから……。
俺達はアイテム、ネクタルを手に入れた。




