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第18話 剣と杖の違い


「銀冠、だと…?」

(私より一つ上の階級じゃないか!? 聞けば銅冠が10人いて銀冠に勝てると言われている…そんな相手が今目の前にいる…)


「おっ! あれは魔剣士か〜」

「魔剣士?」

「魔剣士は魔法を剣に付与して戦うもので、結構珍しくて戦闘中もかっこいいんだよな〜」

「魔剣士…」

 ボソッとそう呟いた敦司、ノートンは聞こえていたようで興奮気味に敦司の手を掴んだ。

「魔剣士に興味があるのか?! じゃあ色々と教えてあげるよ」

「魔剣士には魔法使いと違って強さで分ける階級が存在する。階級は全部で6つの階級がある。下から順に「剣徒」「無冠」「銅冠」「銀冠」「金冠」「王冠」となっている。始めたての人はみんな剣徒となるだ」

 

 長々と魔剣士に関しての話を聞かされた敦司、最初こそ熱心に聞いていたが、途中から情報量が多くて左耳から右耳へと抜けていく情報がほとんどだった。


「そこから実力を積むと無冠へ上がることができて、無冠から上の金銀銅は試験を受ける必要があるんだ。 その試験を得て、正式に実力が認められれば階級が上がって、銅、銀、金の順番で階級が上がるんだ。 金冠の上の一番上の階級の王冠は、魔剣士の最高峰で王冠の階級を持っている魔剣士は全員集めても100人も満たないほどなんだ。

 王冠の魔剣士の実力は想像を絶する力らしくて、王冠の魔剣士同士が戦うと天変地異が起こるっていう噂も絶えないほどなんだ! それで魔剣士には……」

「な、長い…」




 * * *


「銀冠、か…思ったよりフロウリオは強い奴がいるらしいな」

「君も銅冠にしてはかなり強い、'ほぼ銀冠'の実力だな」

 階級が一つ違うだけで偉そうな態度を取り始めた。 だが思っている以上に一つ階級が違うだけでそこには絶対的な差があるらしく、そこが顕著に現れるのは銅から銀、銀から金、金から王の3つだ。

「レイク、君が本当に銀冠なら間違いなく負けるはずだ」

「そうだな、ルイス、君と私には階級は一つだがそこには絶対的な差があることは知っているだろう」


 するとレイクは左手の手のひらに火の玉を出した。 さも当然かのように出した。 もちろん火の玉を手のひらに出すのは魔法使いにとって常識のようなことだ。 誰にでもできることだが、唯一驚いているのは魔法を使えない敦司だ、何回も魔法自体は見ているのにずっと驚きっぱなしでいる。 慣れないものかな…


「魔剣士は杖じゃなく剣を扱う、普通の魔法使いとは違って剣も扱えなきゃいけない。 何が言いたいかわかるか?」

「もちろんだ、魔剣士は魔法と剣の両方の扱いにたけてなきゃいけない」

「そうだ、どちから一方が強いやつなんて、どんなに強くても銅冠どまりだ…」

 そういってレイクは火の玉を剣を当てた。 剣に当てられた火の玉はジワジワと剣の中に入っていき、全て入った瞬間剣の周りに赤いモヤがかかり始めた。


「おおぉ…」

「あれが魔剣士の戦い方、魔法の力を剣に宿し、剣を強化して戦う戦い方だ」


「さぁ始めようか!」

 構えをとるレイク、ルイスも手のひらに火の玉を出したが、今度は青色だった。 レイクがやったものと同じように剣に魔法を宿した。 ルイスの剣には青色のモヤがかかっている。

「銀冠に勝てば、私の強さがさらに証明される!」

「勝てればなぁ!」

 同時に飛び出し、剣が交わった金属がぶつかり合い音、最初の一撃はお互いの力が拮抗していて引き分けのようだ。




 * * *


 一方スズの方は魔法を撃ち合いから発展し、空中戦と地上戦に分かれて戦闘が続いていた。 セイラは空中で魔法を打ち合っていてスズとハンズは地上でフィールドの地形を生かしてイースベルの選手をジワジワと追い詰めていた。

「ふぅ……ふぅ……」

「はぁ……はぁ……」

 長い戦闘の影響で二人ともかなり疲弊している。 魔力はまだあるが体力がもう残ってない状態だ。

「勝ってるよね…?」

「あぁ……確実にこっちの方が有利な戦況だ……このまま行けばこっちは勝てる、、ただ問題があるとすれば」

「兄さん…だね」

「ああ、はぁ……はぁ……どうやらあっちの主将はかなりの手だれのようだ」

 頭上ではセイラとイースベルの主将が互いが持つ強力な魔法をずっと撃ち合っている。 ぶつかり爆発した後に弾けた魔法の残骸がそこかしこに降ってきている。 そのせいで今のフィールドは穴ぼこだらけ、残骸が地面にぶつかった時の爆発で吹っ飛んだ大きな岩などが点々とある。

 爆発で吹っ飛んでできた岩に身を潜めながら話していたスズとハンズ、すると隠れている岩の先っちょが大きな衝突音と共に崩れ、岩の破片が落ちてきた。


「バレたか…あっちの方が不利なのに、なんであっちから仕掛けるんだか…」


 岩陰から姿を見せたハンズ、だがハンズはすでに魔法を撃つ準備ができていてすぐさま真っ黒い光線のような魔法を放った。

防御不可の光線(ラゼルビュート)


 放たれた魔法は二人へ向かったが、ギリギリのところで避けられてしまい、さら二人は近くにあった岩陰に隠れてしまった。

「相手も隠れた、少しの間膠着状態になるだろうな」

「便利だよね〜その魔法」

防御不可の光線(ラゼルビュート)か?」

「うん、固有魔法って何百人に一人が生まれた時から使える魔法だよ? それが防御魔法を貫通するすんごい強い魔法なんだもん、羨ましいよ〜」

「君だって固有魔法を持っているじゃないか」

「まぁ持ってるけど……ねぇ?」

 話を濁したようにも見えるが、ハンズは話を濁した理由を知っていたためそれ以上話すことはなかった。そこから数分が経ち。 休んだことで体力が回復したスズとハンズ。 ハンズは岩から顔を出して相手の様子をうかがっていた。

「あっちも動かないな…」

「兄さん、もうずっと動いてるよ」

「こちらの主将にはもう少し頑張ってもらわないとな」

「こちらも攻めるぞ」




 * * *


(強いな…ずっと撃ち合ってはいるがこちらが10魔力を消費しているのに対しバーニアはその半分の魔力しか消費してないだろう、そのくせ魔法の扱いや練度は私と同等かそれ以上…やはりイースべルは強いな)

「そろそろ決着をつけましょうよ」

「なぜだ」

「今のまま続けていると魔力量の多いあなたが勝ちます。 私としては少しでも状況を変えなければ勝機は見えませんからね」


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