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第16話 魔法は派手でなくちゃ


「——始まる…!」

「——始まった…」


 ゲートが上にあがりきり、セイラ、スズ、ハンズの3人が奥から出てきた。3人が出てくると観客はみな立ち上がり、大きく歓声を上げた。 中には名前を呼ぶものもいたが、それはいずれもスズの名を呼ぶものが多かった。


「さて、続いて登場するのは〜! こちら! 去年優勝したグランドール王国です!」


 今度はスズ達のいる場所とは真反対にあるゲートが動き始め、ゲートが上へ上へと上がっていく、その間先ほどと同じくらいの歓声が会場全体を包む。

 ゲートが上に上がりきると、奥からはグランドール王国の代表メンバーの3人が姿を現した。 当然ながら観客のボルテージは更に上がり歓声はよりいっそう会場中に響き渡る。

「さてさてお次はこちら! イースベル王国です!」

 次に開いたのはスズ達のいる場所の右隣にあるゲートだった。 ゲートが上がりきりメンバーが姿を見せれば3回目となる会場は歓声一色。 そのあと要塞国家フロウリオと国面積だけはずば抜けて広いというフィリオ王国の代表メンバーもゲートの奥から出てきた。


「さぁさぁ皆様! 各国の代表メンバーが全員集まりました! それでは交流戦を始める前に再度ルールの確認を」

「ひとつ、相手にどれだけ攻撃をしてもいいが、死なせてしまうと普通に殺人罪なので気おつけてくださいね〜!」

「ふたつ、この会場のフィールドと観戦席との間は七賢宝の一人の魔法によって完璧な防御結界が施されています。 そのため、どれだけ強い魔法を使っても構いません!」

 司会役からルール説明がされた、敦司はそのかんノートンに出場するメンバーの強さやどんな魔法を使うのかを聞いていた。 なぜかというと強い魔法使いはかっこいいから知りたくなったというだけらしい。

「ではでは行きましょう!」

 会場が一気に静まり返る。 その後、司会役の合図で会場の熱気は一瞬で上がった。


「——交流戦、、開始ですっ!」


 開始の合図のあと、何人かが中央へ走り出した。スズのいるテロス陣営では3人固まって行動している。 するとどっかの陣営の一人がフィールドの真ん中へつき、魔法を使おうとしていた。 なんの魔法なのかはわからないが、なにやら稲妻の様な…ビリビリとした感じがする。




 * * *


 手のひらから雷の様にビリビリとしだした。

稲妻を放つ魔法(レイバルト)

 詠唱だろうか、聞き馴染みのない言葉が聞こえた瞬間、選手の周りに稲妻が落ちてきた。 その稲妻は各選手の方へ向かって行き、その魔法を防ぐものもいたが、防げずに負傷したものもいた。

「あれは[稲妻を放つ魔法(レイバルト)]、稲妻を放つ魔法だ、スバル選手の十八番魔法で、あの魔法によって放たれた稲妻に当たると即座に体が麻痺してしまう厄介な魔法なんだ」

 続けてスバルは、先ほどと同様手のひらから雷の様にビリビリとしだした。 どうやらあれは魔法を出す準備みたいなものっぽい。

稲妻を全方に放つ魔法(ボルトレイジア)

 手のひらを地面と接すると稲妻は放射線状に分かれて一気に放たれた。 名前の通り全方向に放たれた稲妻は、他の選手の方へ無差別に襲いかかる。


「目立ちたがり屋のスバルらしいな、最初に真ん中へ行き全方魔法を放つという観客にも選手にもヘイトを集める行為…」

「たしか去年も最初にやっていたよね」

「そうだな」


 * * *

「オラオラァ!」

 スバルは稲妻を全方に放つ魔法(ボルトレイジア)で複数の選手のヘイトを買った挙句、その選手のほとんどがほぼ同時にスバルに向かって魔法を放った。

「こいよ! 俺と勝負だぁ!」

 スバルは次々に魔法をかき消していき、次にスバルは一人の選手に向かって走り始めた。 だがその後相対した選手との戦闘でどんどん傷を負い、最後にはスバルは3番目の戦闘不能者となってしまった。

 * * *


「あれから1年、何も変わらずまたヘイトを買うとは…懲りてないのかあの戦闘狂は」

「私たちは目の前の戦闘に集中しようよ」

「あぁそうだな、油断してやられるのは恥ずべきこと」

 今スズたちの目の前にいるのは周辺国で最も優れて名の知れた魔法学校のあるイースベル王国の選手達だ。 テロス王国率いるセイラ、スズ、ハンズも魔法の技量は申し分なく、いってしまえばとても高いレベルだ、だがイースベル王国の選手達の技量はそれよりもさらに高いレベルで、魔法の撃ち合いならまずイースベルに軍配が上がるが、それを魔法の練度、魔法の速射度で現在の魔法の撃ち合いは相打ちとなっている。

「このまま撃ち合ってたらおそらくこちらが先に魔力が切れてしまう」

「ハンズの魔法で動きを止められれば、私とスズで畳み掛けれるはず…」

「でも相手はあのイースベルだ、こっちの策はおおかた予想はされているはず」

(う〜ん…どうしよう)

 ただただ低レベルの魔法を互いに撃ち続け、残酷にも時間が過ぎ、魔力がどんどん消耗されていく。 イースベルの選手は、余裕の表情を崩さずにしているが、一方のスズ達は少し焦りが顔に出始めてきた。


 * * *


「オラオラァ! さぁ来い! 俺と戦えぇ!」

 大きく声が荒げ誘い込むスバル。 去年も出場した選手は去年あんなことがあったのにまた同じ行動をするスバルに困惑し、多くが去年とは違くスバルの誘いに乗らない人が多い。

「——っち…なんで来ないんだよ、、つまらん…」

「どんどん強く、派手に戦おうぜぇ! 魔法戦闘はやっぱり、」

「派手でなくちゃな!」

 そう言ったスバルはまた魔法を出そうと手のひらがビリビリとしだした。 だが今度は先ほどの魔法とは雰囲気が違く、スバルの足元、地面に魔法陣が現れた。

「ん? 魔法陣が足元に出てきた」

「あれは高位魔法だ。 名前の通り高いレベルの魔法で相当熟練しないと習得できない魔法なんだ」

 魔法陣からも稲妻が出てきて、次第にその稲妻は放射線状に広がっていき、スバルの周りには雷柱も出てきだした。

稲妻の塊を放つ魔法(レイヴィアベル)!」

 やがて稲妻はとても大きな塊になり、それは会場の真ん中に落ちていく。

「あのバカ! 俺らにも被害が来るだろうが!」

 巨大な稲妻の玉は地面に接する瞬間、一気に力が解き放たれて無数の稲妻が飛び出してきた。 先ほどまでとは違く量がかなり多く一度に捌き切るのは難しくなった。

「はっはっは! やっぱり魔法戦闘はこうでなくちゃな! もっと怒れ、俺と戦えぇ!」

 高々に笑い、声を荒げて再び戦いを誘い込んだ。 さすがにここまで大きな魔法をやられてしまっては黙っているわけにもいかず、2人、3人ほどがスバル目がけ走り始めた。


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