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第09話 家の大掃除をすることに


 とある日、敦司がスズの部屋の前を通ると、ドアの前にくしゃくしゃの紙が!

 無造作に落ちているのを見つけた

「なんだこれ…? スズのか?」

 敦司はくしゃくしゃの紙を拾うと、何か書かれてあるのかと気になり紙を

 広げてみた

「——え? 1億円?」

 敦司は紙に書かれてある1億円のという内容がよくわからずにいた。すると

 裏側にも何かが書かれていることに気がついた

「——ん? 一日儲け…」

(どういうことだ? 一億円と一日儲け、スズは何で紙にこんなことを

 書いたんだ?)

 するとスズの部屋から物音がし、物音と共にスズの声もした。敦司はそれに

 気がつき何かが落ちたような、少し大きめの音だった。敦司はスズの身に

 何が起きたのか不安になり、勢いよくドアを開けて中の様子を確認した

「スズっ! どうした?! 何が——」

「いててて……ってうわぁ?! あっちゃん?!」

 部屋の中は何十枚かの紙が散らばっており、それ以外にも部屋の隅に

 ダンボールやら何やらが積まれてあったりと、悲惨な状況だった

「——スズ? これは一体…なぜこんな散らかっているんだ?」

「ちょちょちょ、ちょっと待ってぇ〜!」

 スズは急いで床に散らばっている紙を集めたのだが、部屋の隅にある

 ダンボールには目もくれなかった

「よしこれで完璧っ!」

(ん? 完璧?)

「いやいや、あのダンボールとかも片付けなきゃだろ」

 敦司はダンボールを指差した、だがスズはなんの顔色も変えずに敦司に

 [それは違うよ]と言った。だが敦司は明らかに空箱のダンボールを

 部屋の隅に置く意味がないからと、スズに聞き返した

「あの空箱のことだぞ?」

「うん、あの空箱のことだよ」

「空箱なのになんであるんだ、捨てないのか?」

 敦司が聞くと、スズはドヤ顔で答えた

「ふふんっ! あれは今後のために取ってあるのさっ!」

「よし捨てるぞー」

「えぇぇ? ちょ、ちょっと待ってぇ〜!」

 スズはダンボールを持とうとした敦司の腕にしがみつき、捨てないでと

 懇願した

「残す意味がない。それに物を入れるスペースならそこのタンスがあるだろ」

 敦司はスズにそう伝え、横にある大きめの引き出しを指差した、スズは

 若干戸惑いつつも敦司にタンスの中身を見て欲しいと言った。敦司はなぜ

 見る必要があるのかと疑問に思いつつもタンスの一番下の引き出しを開けた

「——ん? なにこれ?」

 すると引き出しの中には無数の本が乱雑に入っていた

「引き出しに入れる隙間はないと…だがこの入れよう…整頓したらまだ何冊か

 は入りそうだがこの本らはなんの本だ? 漫画でもないしやたら古くさいし」

 敦司がスズに尋ねると、スズは魔法の本と答えた、敦司は魔法の本なんて

 あるんだなと思い、事情を知った敦司は引き出しを閉じて立ち上がった

「事情はわかった。だが問題はあのダンボールや本やらだけじゃない、この

 部屋全部がごちゃごちゃしてることだ! もう我慢できん、掃除だ掃除ぃ!」

「えぇぇえ〜!!」

 その後敦司は右手に掃除機、左手に(ほうき)、足元に塵取り、顔は

 マスクで服装は白衣と完全フル装備状態だった

「そ、そこまでする?」

「もちろんだ。やるからにはきっちりとな」

「さぁ始めるぞ! スズはこれを持ってくれ」

 敦司はスズに箒と塵取りを渡し、敦司は掃除機を持ち電源をつけて豪快な

 音と共に部屋中を歩き始めた

(これ、私いる? 掃除機だけでよくないかな…?)

「スズは隙間をその箒でやってくれ」

「う…うん」

 スズは、敦司から箒を受け取り、入り口のドア付近を()いていく

 ウィィィイン

(私がドアの周りを履いてる間に、あっちゃんはもう次に移ってる…!)

 あまりにも早い掃除のスピードにスズは驚いていた。まさにプロだと、

 だが当の本人は自分が早いとは気付いてないらしい

「よし、これで掃除機は終わりだな」

「ふぅ〜……って掃除機”は”終わり?」

「ああそうだ、次は隅に溜まってる段ボール軍団をなんとかしよう」

 次に敦司が取り掛かったのは部屋の隅に山積みになってる段ボールだ

「んーこれどうするかな〜、段ボールの回収日はまだ先だし…」

「とりあえず、畳んで縛って玄関に置いておこう」

「わ、わかった」

 二人は山積みになったダンボールを一つ一つ畳んで紐で縛ってまとめた

「おつかれー」

「いやいや〜お疲れなのはあっちゃんでしょ?」

「俺は別に疲れてないぞ、むしろまだまだやれるぞ!」

「うぇ〜? もういいよ〜」

 ソファーに深く座り、気だるそうにするが、敦司はスズと異なり

 リビングを見渡してた

「ふ〜む、よし! ここもやるか!」

「えぇ〜?! 綺麗でしょ? する必要ないよ〜」

 少し小馬鹿にするように言ったのが悪かったのか、敦司は少し声を

 張って言った

「スズはしなくていい! 俺が綺麗にするからそこでくつろいでいてくれ」

 その後、リビングは掃除機の音やら物音が散々響いてスズは内心やめて

 ほしいと思っていた。その後掃除を終えた敦司はすぐさまお風呂に入った。

 リビングはとても綺麗になってピカピカになっていた。その様子を横目に

 スズは再びあの作戦を密かに決行しようとしていたのだった

(——にひひっ)


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