友のための悪魔との対峙。
翌日、橘は何度も綿矢にに電話をかける。
LINEも既読にならない。
最悪な事態が頭をよぎる。
この日は綿矢は休みで会うことは出来なかったため、
仕事を終えて必死で彼の家へ向かった。
無事でいてくれ、それだけを願いながら。。。
ようやく到着しベルを鳴らすが出てこない。
ドアを必死で叩く。
「おい、綿矢いるんだろ。出てこいよ」
すると、ガチャリと扉が開く。
出てきたのは冴子だった。
橘は一瞬息が止まった。全身に鳥肌がたったのだ。
冴子な笑顔で「こんにちは、橘さん。どうしたんだすかー??」という。
この期に及んでこの女は何故このように平然としていられるのか。。この、悪魔め。その言葉が喉まで出かかったが、橘は必死で抑えた。
「ここ、綿矢の家だよね??どうしてあなたがいるの??」と冷静に問うた。
すると、冴子はケラケラと笑いながら
「え??橘さんって晴人くんの友達ですよねー知らないんですか??私、晴人くんの子供を妊娠しているんです。私達婚約してるんですよ」
「でも、あなた既婚者だよね??しかも子供もいる。気づいてないかも知れないけど、うちの娘あなたの息子と同じ保育園に通ってて朝の送りの時何度かみかけたけど。ちかみに、先週もね。」
苦虫を噛み潰したような顔をして黙る冴子。
「綿矢の話だと、お付き合いしている人のご主人がお子さんを虐待するから、子供を守るために遠方の実家に預けてるって言ってたから、神埼さんだとは思わなくておどろいたよ」
「ひどーい。ひどーい。ひどーい。私の事情も何も知らないくせに解ったように首を突っ込んでくるなんて、ひどーい」狂気を含んだ目で冴子がつぶやいた。
橘は一瞬怯んだがそれでも、言葉を止めなかった。
「保育園が近いって事はもしかしたら、近所なのかもね。あなたの夫の神埼はさん、夜遅くに近所のスーパーでお子さんといるのを見かけたり、公園で会ったりもしてるよ」
「ふざけないでよ、なんであんたがうちの夫をしっているっていうよ。」
怒りに震えながら睨見つける冴子。
「あなたの夫、神埼皐月さんはうちの妻の知人だ。」
「帰って。。帰らないと警察を呼ぶわよ」
「綿矢に会わせてくれ」
「あんたなんかなに、晴人くんは会いたくないの、今すぐ帰って、いやぁ~助けて怖い〜」急に叫びだす冴子。
「ちょっと待ってよ」橘がさすかに慌てはじめた瞬間綿矢が飛び出してきた。
冴子を家に押し込め、橘に言った。
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「橘、帰ってくれ。お前を巻き込む訳にはいかない。これ以上俺に関わるな、あの女は悪魔だ。これ以上関わったらお前の家族にも危険だ。頼む、もう来るな。ありがとう」
そう言って、綿矢は家に入りガチャリと鍵を閉めた。
その後何度ドアを叩いても彼が出てくることはなかった。




