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社会的制裁②

綿矢はほとんど眠れず一夜が過ぎた。

重い身体を起こす。

今日も仕事だ。自分みたいな人間誰も必要としていないであろう。

しかし、これ以上職場に迷惑をかける訳にもいかない。

昨日の夜は冴子がベッドで眠っていたので自分はソファーに寝た。眠ったというよりは、ただ脱力して絶望で朦朧とする意識の中ただ時間が流ているだけの空間に1人取り残されたかのような気分だった。


もちろん、平日なので起きたら冴子はいなかった。 

夫が出勤する前に早朝自宅に戻り、子供を保育園に送っているのであろう。


本人は、子供は夫からの虐待から守るために

実家に預けていると言っていたが、真っ赤な嘘で同期の橘が子供が同じ保育園で毎日のように会うと、夕方は冴子の夫が必ず迎えに来て、土日も冴子の夫が1人で子育て公園なとにいるのを目撃してるというのだ。


「最高だな。」と、つぶやいた。


すっかり騙されていた。 

抗議したところで、冴子は逆上するだけであろうことは解っている。

彼女は自分に対して抗議や指摘をしてきた人間に過剰なくらい逆上するのである。

そして、「一方的に攻撃をされた」と騒ぎ出す。


なんて恐ろしい化け物なのだろうか。


綿矢は食事をとる気にもなれずに、コンビニでエナジードリンクを購入して飲み干した。


ご新規のお客さんからの予約は受けるなと会社から言われているが、自分を指名して来てくれるお客さんはたくさんいる。

自分に出来ることは、誠心誠意、治療に当たることだけなのだ。それだけが、今の綿矢の光だった。


しかし、その光すら綿矢は奪われ、失うのだ。


そう、冴子が綿矢と結婚すると、妊娠していると、スタッフだけじゃなくて、お客さんにも吹聴していて

綿矢のお客さんから、キャンセルの電話が相次いで

いった。

当日たけではなく、数日後の予定などもキャンセルは半数にも及んだ。


スタッフからも軽蔑の眼差しを向けられている。


綿矢の精神が更に崩壊をはじめるのであった。

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