気付いていた違和感。
冴子の妊娠のという驚きの事実を突きつけられた翌日。綿矢は、仕事が休みだったので、夜に同期の友人と食事をする予定だった。
気がついた頃には約束の時間まで、あと2時間ほど。
いつの間こんなに時が経っていたのであろう。
朝起きてから、ソファに座りそこから脱力して身体が動かないのだ。
冴子と付き合い始めて数ヶ月。
もちろん、愛情がなかった訳ではない。
しかし、冴子に対して違和感を覚えることも少なくなかったのも事実だ。
彼女は夫から、モラハラとDVを受けている、夫が子供にまで暴力を振るうので子供は自分の実家に預けていると行っていたが、全く子供の話もしなければ、子供に会いにいく様子もなく。
夫のDVが怖いから家に帰れないと言って綿矢の家に押しかけてきた彼女を突き放す事は出来ずに受け入れてしまったが、
何故彼女は毎朝平日の朝に一度自分の家に帰るのか。。という疑問。
そして実家に子供を預けているなら、子供がさみしくないように実家に一緒に帰ってあげないのか??と一度たずねた時、彼女は、目を潤ませながら、
自らが子供の頃に実家で両親に、家事を全て押し付けられる、上手くいかないと殴られるなどの虐待を受けていたこと、発達障害の兄がいて気に入らないことがあるとパニックを起こして暴れるので怖いなどと、壮絶な過去を話したのだった。
涙ながらに話してくれた冴子を抱きしめながらも、綿矢は、何故そのよう場所に子供を預けるのだろうか。という、疑念が頭から消えずにいたのだった。




