急接近。
冴子が子持ちの既婚者であるため、綿矢は同僚という以外の感情はもっていなかった。
彼は、昔から非常にモテるのである。
身長178センチ、アイドルのような端正な顔立ちに頭も良くスポーツ万能、性格も明るく気が利くので、人望もある。
わざわざ、人妻で子持ちの女性とどうにかなるつもりなんて全くなかった。
あの日までは。。。
ある日、綿矢が遅番で店の戸締まりをして帰ろうとしたらスタッフルームなら明かりが漏れていた。
誰かが消し忘れたのだろうか。。
スタッフルームのドアを開けると、冴子が1人で座っていたのだ。
「あれ、神埼さん??こんな時間までどうしました??」と尋ねると
「綿矢さん、ごめんなさい!ちょっと疲れて座っていたらこんな時間になっちゃったの、すぐに帰るね」と慌てて、立ち上がる冴子。
その時に、冴子の目が赤いことに気付いた。
このまま帰らせて良いのだろうか。。
元々、優しい性分の綿矢は放って置くことが出来ずに
「なんかあった??」と尋ねた。
すると、冴子は、ポツリポツリと、自身が置かれているという過酷な状況を涙ながらに話し始めたのである。
読者の皆様はお分かりであろう。。
そう、冴子の不幸話。
夫の神埼から酷い暴力とモラハラを受けていると、語り始めるのだった。
地獄へのカウントダウンがはじまったのだ。




