人嫌い勇者と旅の魔女

「ねぇ、ちょっと昔の日記読ませてよ」

　一緒に旅をしている魔女が言った。

　昔の話か、懐かしい。

　たまにはいいか。じゃあちょっと長くなるから座って話そうか。

　話の出だしはそうだな……。



　最果ての国。

　天上人と呼ばれるたった数人の異世界人のためにすべてが存在する国で、一人抗った者がいた。

　記憶を失った彼は、果たせなかった約束を胸に、たった一人戦い続ける。

　全てを切り捨て戦い続ける彼は出会う。

　一人の旅人と一人の非人。

　三人は果たして何者か。

　罪人か勇者か。

　旅人か魔女か。

　非人か聖女か。

　三人が出会うとき、世界は変わる。


　――これは、旅立つ彼らの出会いの物語。



＊旧タイトル『世界で一番』