とある夜中の出来事
とある夜、自分の部屋で寝ていた時の事。
その日は日中の暑さが夜も残っていたせいか、ふと目が覚めてしまった。
枕の元の時計をみると、時刻は2時を少し過ぎたころだった。普段の起床時間まで、4時間近くある。
寝なおそうと、瞼を閉じかけたその時、唐突に右足の甲に鈍い痛みが走った。
身に覚えがある、飼い猫にかまれた時の痛み。
「こら!」
叱りつけようと上半身を起こし、足元を見ようとして、思い出した。
飼い猫は1年以上前に、老衰で亡くなってしまったこと。そして、今現在、室内で飼っているペットはいない。
足元には、飼い猫の姿はもちろん、何もなかった。
痛みが走った足を見ると、噛まれた後は残っていなかったが、ほんの僅かに濡れている。
もしかしたら、飼い猫が遊びに来てくれていたのかもしれないが、時間を考えてほしかったな…なんて思いつつ、再び目を閉じた。