5話
「我輩ともあろうものがここまで弱っていようとは…」
風化しかけの骸骨如きにボロボロにされた吸血鬼は嘆いた。
そもそもが敗北どころか苦戦すら経験した数が両手の指で足りてしまうほど少ない絶対者にとって、あのような動く死体にここまで手間取るなど有り得なかったのだ。
「いくらなんでもおかしいであるな…理由は考え付かぬがここは一旦我輩が赤子にでも戻ったと思って行動せねば危ういか。」
呟きながら、ケーニスはスケルトンの持っていた折れた剣をひとまず手に取った。
生身での戦闘が難しそうである以上、このヒビだらけの剣でも貴重な身を守るための道具となり得る。
「もう少し安全なところに行ったら、何が出来なくなっておるのか確認するべきであろうな…まずはここを抜けるのが先決であるか。」
聞くもののおらぬ独り言を紡ぎながら墓場の先へ向かう。
だが、チュートリアルというものには、ボスが付き物だろう?
辿り着いた墓場の出口では巨大な狼が血に濡れた鹿の遺体を貪っていたのであった。
すいやせん…ただでさえ執筆遅い上に文章量すら少ないのにVRなんか買っちゃってすいやせん…
Blade and Sorcery楽しいっす…
こう、気が向いたタイミングに気ままに更新していくんで、読みたい人だけ通知を待ってね。ごめんね。