番外編2, アイル その弐
眠ったミーナを見つめていると、時折、涙がこぼれる。そっと撫でていない方の手の親指で拭ってやると、その手に擦り寄ってくる。とても可愛い仕草だが、それ以上に、寝ぼけて言った、「お母様」と言った声がやけに耳に残っていた。
そっと一撫でし、起こさないよう慎重に横抱きにし侍女長に用意させていた部屋のベッドまで運んだ。やけに軽かったことが印象に残った・・・
☆ ☆ ☆
さて、前回予告したミーナを知った切っ掛けの話をしよう。
俺が騎士団に入ったのは、10年前、12の時だ。翌年に父上である当時の陛下から騎士団にとある商会を調べるよう命令があった。その商会が闇オークションを行っていることが判明した。冬、雪が降る中、闇オークションに乗り込んだ。約15分程で主催者である商会長や参加していた貴族達を拘束し、制圧できた。
・・・だが、俺達が乗り込む1分程前にとある貴族がプラチナの毛色を持つ猫の獣人の少女を買っていたことが判明した。
☆ ☆ ☆
これ以降、俺は独自にその少女を探し始めた。何せ買った貴族を調べると女癖が悪くよく違法に性奴隷を購入し捨てているっていう噂がある奴だからだ。因みにこの噂は本当のことだった。
そのこともあり、陛下が兄上に変わり、俺が騎士団長になってからも、自らの密偵を使う等必死で少女を捜していたのに居場所がわかったのは1年前だ。それは貴族、ベテルス候の本邸ではなく別邸であり少女の存在を隠していたことが原因だった。
その後すぐに兄上に証拠と許可をとり、今日の早朝ベテルス候の別邸へ向かい制圧した。
☆ ☆ ☆
・・・可愛い。ただそれだけだった。それだけで、ミーナを屋敷に連れ帰った。実は、俺が面倒をみるつもりはなかったんだが、一目惚れしてしまって・・・まぁ、一目惚れだから連れ帰った。そんな一目惚れした女が泣きながら寝てしまったにも関わらず俺は頭を撫で涙を拭いベッドへ運ぶことしか出来なくて情けない。
『お母様』か、なら俺がこの先ずっっと『お母様』以上の愛を捧げる。
・・・・・・ミーナがいらないと言ってもずっと愛するから・・・ただ側に居てくれ。まぁ、手放す気はないが