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『幸せ』を掴むまで  作者: 峠 凪
第 2 章
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2, 出逢い

少女が闇オークションに出展されたあの日から11年もの月日が流れた。少女の体つきは女性へと成長した。一方で、少女の心は感情を失った・・・



春、冬の寒さが和らぎ少しずつ暖かくなり過ごし易くなっていくこと以外、何も変わらない1日を今日もまた始まろうとしているが・・・





☆ ☆ ☆





初めまして。私は11年前ご主人様に買われ奴隷となった猫の獣人です。名前は実の両親から貰っていたと思いますが、ご主人様の奴隷となったその瞬間から名無しとなりました。ただ、呼ぶ時大変だからと呼び名として髪色からラチと付けて貰いました。ラチはあくまで呼び名であり名前ではないと何度も繰り返し仰っていました。

11年間ご主人様の奴隷として、時にご主人様自ら、時にご主人様に仕えていらっしゃる皆様からしつけて貰いました。「泣きわめくな」「逃げることを考えるな」「表情をだすな」「生かしてい下さっているご主人様に感謝しろ」最後に1番大切で重要なことそれは「ご主人様の仰ることなさることは絶対」です。少しでも嫌がる反応を見せると直ぐにご主人様からの罰があるため、ご主人様の従順な奴隷になるためにも頭と体に刷り込みました。罰は様々あり、鞭であったり食事を抜かれたり屋敷全てを1人で掃除をしたりです。次第にしつけて貰うことになれ、罰も減り、今ではご主人様に呼ばれた時以外では何も無くなりました。


私のいつもの1日の始まりは、夜が明ける前からです。手早く身支度をした後、部屋を掃除しご主人様がお食事なさる部屋を掃除します。終わる頃からご主人様に仕えていらっしゃる皆様が起きて来ます。料理人様が私達の朝食を作られたら、皆様と一緒に食事を摂りつつ日程を確認します。食事後、私はご主人様を起こしに行き、食事わを摂られる部屋へ案内させていただき、ご主人様が出発の準備を整えられたら見送り、朝の私の仕事は終了します。いつもならば、・・・・・・。




☆ ☆ ☆




ご主人様が出発なさるその瞬間に騎士の方々が訪ねてきました。ご主人様に用があるようでご主人様と騎士の方がお話していましたが、ご主人様の顔色がどんどん青くなっていき、最後はその場に座りこんでしまったのです。思わず駆け寄りましたが、後1歩のところで腕を騎士の方に掴まれ傍によることが出来ませんでした。私を掴んでいる騎士を見ますと、とても大きく黒髪と静かに私を見下ろす深青の瞳が印象的な『人』でした。





これが、私を『私』に変えて下さった『人』との大切な出逢いです。


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