#01戦争の火種
第2章の始まりです。
冒頭の文章はフィクションですので┏●
お楽しみ下さい┏●
世界は2つに分かれている。
神の言葉を信じて、世界の平穏と繁栄を望む者たち。
神は虚像と罵り、神から世界の奪還を望む者たち。
自ら陸を割り、両者の諍いと差別は止まることは無くなった。
ある者は言う。
「我らの生活を築いたのは創造神だ!」
ある者は問う。
「我らから奪ったのも創造神だ!」
世界の至る所で問答が、差別が。
「何が信仰心よ?アンタなんか救世主に八つ裂きにされたらいいのよ!」
「神を信じないですと?いやはや・・・それはいけませんな。こちらで洗礼を・・・・・・」
世界は2分され、人の心もまた分けられる。
神が仕組んだことなのか・・・
はたまた、虚言で操っていることなのか・・・
誰も知らず、誰も見ず、誰も思わず、誰も疑わず。
創造神の意思か、救世主の意思か。
我々に出来る事など、もう無いだろう・・・
静かに終焉を迎えるとしよう・・・
創世記の記述 第1巻 巻頭より
「俺もそろそろ引退かなぁ・・・」
「まだまだ。私達の面倒を見てもらわないと。」
リンはあの日から口調が柔らかくなった。
でも、怒った時と娘には昔のままだ。
「お母様。創造神様。こちらをご覧下さい。」
リンと俺との娘、リユが書類を持ってきた。
リンの厳し過ぎる教育で、両神に敬語を使う子供になってしまった・・・
「後で目を通すよ。ありがとうなリユ。」
頭を撫でてやると、子供らしい笑みを浮かべる。
めっちゃ可愛い!!
「ママが見てない時に、お菓子あげるからな。」
「ありがとうパパ。でも、ママに心の声、聞かれてるよ?」
リンに聞こえないように小声でやり取りするのを、冷たい目で見られていた。
心の声を聞くのは神同士ではノイズがあるらしい。
何故か俺の心の声は皆に筒抜けである。
「またリユを甘やかして・・・なんでユウキはそうやって甘やかしてばかりなの?厳しく育てて立派な補佐神にしようとは思わないの?ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ!」
こんな時は抱き締めるのが1番だ。
ここ10年で学んだ。
リンが落ち着いた所で、10年の歳月を少し思い出す。
いきなり神になれって言われリンと出会い、下界を作り、神も作った。
あの日、リンの思いを聞いた俺はそれを受け入れた・・・までは良かった。
そこからリンの押しの強さと、俺の心の弱さで子神が出来た。
リユは礼儀正しく育ったが、母親がリンなんだよなぁ・・・あと10年もしたら俺にビシビシするんだろうなぁ・・・
こんな事を考えていると、顔がいい匂いに包まれた。
「ねぇ〜パパ。アタシの胸、育って来たでしょ〜?」
ミサキとの子神、ユミだ。
ミサキに知識を叩き込まれて今では、神と人間の構造の違い、神は人間に発情するのか、を知りたいようだ。
「相変わらずペッタンコだよ。ミサキに怒られるからあんまり抱きつかないようにね?」
「は〜い・・・パパ大好き!」
1度離したと思っても、すぐこれだ。
下界には他の神達が時々降りて、色々なアドバイスを送っている。
平和な時を可愛い子供達と過ごせて、安心だ。
ずっとこんな日が続くといいのに・・・




