#1取り敢えず作ってみた
ここから始まりです。
お楽しみ下さい┏●
「記憶はありません。それが試練です。」
考えてんのに、何回も繰り返しやがって。
取り敢えず聞いてみるか。
「おい!試練って、どうゆう意味だ?」
「試練とは1人前の神になる為に必要な事です。試練の内容は前任の神様により秘書(私)の脳に記憶されてます。」
つまり、名前が思い出せない状況を打破するには試練に挑戦するしか手が無いって事だな。
上等じゃねぇか。俺はさっさとこんな世界から逃げてぇんだ!試練を片付けたら、こいつを出し抜いて逃げてやる・・・
「よっしゃ!まずは試練って奴を俺にさせろ。テメェに聞かねぇと分かんねぇんだろ?」
「分かりました。神(仮)様への第1の試練です。私に固有名称。名前を与えてください。」
「名前だな・・・えっと。神の秘書だろぉ〜・・・」
少しの間、考えて浮かんだ名前は。
「リン!テメェの名前はリンに決めた!」
「試練のクリアを確認しました。神(仮)様の秘書を致します、リンです。」
無表情で拍手をしながら、ジーッと見つめられた。
「試練のクリア報酬です。この種をどうぞ。」
小さな袋を渡されて、中身を見てみると
青い種が2粒
茶色の種が3粒
赤い種が50粒
「なんだコレ?どうしろってんだ?」
「この世界の中心に、噴水があります。着いてきてください。」
赤い屋根の家から出てみると、並んでいた家は消えて出てきた1軒だけになっていた。
見渡す限りの白。
少し先に噴水があるだけの、殺風景な世界に変わっていた。
「リン。どうゆう事だ?確か、もっと家があっただろう?」
「前任の神様が創った家なので、神(仮)様が試練をクリアした瞬間、消え去りました。どうぞこちらへ。」
当たり前だろ?と言わんばかりの顔に腹が立ちながら、リンに着いていく。
「この噴水はこれから神(仮)様が創る、世界を写す噴水です。その種はそれぞれ、海。陸。人。を表しています。種を蒔く事によって世界が誕生します。」
「つまり、種を蒔いて世界を自由自在にするのが神の役割か?」
「はい。では、第2の試練です。種を蒔いて世界を創造してください。」
噴水を覗き込むと真っ白なキャンバスのように何も無かった。
取り敢えず、青い種。海を創る事を決めて、適当に種を水の中へ落としてみた。
「不思議な感覚だな・・・」
体力を少し持っていかれたような感覚の後、真っ白だった場所に、絵の具を付けたような青い場所が出来た。
「成功です。青くなった部分が海です。続けて種を全て蒔いてください。」
青い部分に青い種を落とし、少し離れた所に茶色の種を落としてみた。
すると、海の隣に陸地が出来た。
海から浜辺が続き、次第に草木が茂った陸地だ。
「この、人の種は海に蒔くとどうなる?」
「分かりません。試してみてはいかがですか?この世界はは神(仮)様が創造していますので。」
49粒を陸地に蒔いて、1粒だけ海に蒔いてみた。
「おっ!人が居る!やっぱり裸か。」
陸地の様々な所に人が出現して、パッと見、男女は同数居る。
突然、足に力が入らなくなって座ってしまった。
「お疲れ様です。世界を創造すると神力が消費されます。」
先に言えよ・・・無表情秘書が・・・
意識を失って、暗い世界に落ちていった。