7話「過去から来ました」
スランプです……
地の文が書けない
*
転生管理局ユグドラシルから少し離れた場所にある森にてとある異変が生じていた。
その森は普段、野生の動物などがたくさん生息しているのだが今日に限っては動物達の姿は見当たらなかった。
なぜなら……
『ここは……?』
――見知らぬ来訪者がいるからだ。
『俺は確かカズキと……』
『カズキ!カズキ!』
見知らぬ服装をした来訪者はいっしょに来たはずの友人を探すが右も左もわからない世界で友人を探すのは一苦労だった。
『……一旦森を出てみるか』
来訪者は森を抜けようと体を起こそうとしたが……
「貴様、何者だ!?」
『!?』
謎の言語を喋る来訪者におじさんは拳銃を来訪者の頭に突きつける
『ちょ!?』
「貴様、何を言ってるんだ?……」
『何言ってんだこのおっさん……』
来訪者はおじさんの言語がわからず、またおじさんも来訪者の言語がわからなかった。
「何を言ってるか全くわからないな、どうすれば……」
「侵入者は捕まえたのか?」
「係長!?」
『ん?』
おじさんの横から来訪者と歳は3歳上しか変わらない青年が姿を現した。
青年の格好はおじさんの制服とは少しだけ色が違っていた。
「係長、この少年の言語がわからなくて……」
「言語?」
青年は来訪者の服装や目の色などを舐め回すように見た後、ふっと笑った。
「どうかなさいました? 係長?」
「いや、なんでもない。私がこの少年を対策課の方に連行しとくから君は元の仕事に戻りたまえ」
「了解しました!」
青年はおじさんの姿を見届けた後に来訪者に向けある言葉を発した。
『まさか、過去から日本の学生が来るとはねぇ。少し驚いたよ』
『あんた、日本語喋れるのか!?』
『多少はね。君には少し手伝ってもらいたい事があるんだけど良いかい?』
『?』
グレン・マクスウェルがもう一人の自分と対話をしている時、何者かによって計画が始まりをむかえようとしていた。――
01
「最後になるけど、僕から忠告する事がある。君たちも課によって転移するかわからないけどする場合は|絶対異世界人に情を向けるな、嘘じゃないからな」
「じゃあ研修終了! 警務課志望の人以外は解散でーす」
僕の解散の合図とともに新人達は一斉に出口に向かっていた。
毎年恒例だが、警務課を志望する新人はいない。なぜなら死亡率がどの課に比べても高いからだ。
――特に僕が在籍している第1係は僕以外全員死亡した
「ねぇ、グレン。あの事言っちゃても大丈夫なの?」
「まあ、別に警務課志望する人いないから大丈夫でしょ」
「あ、あの〜」
「え!?」
僕は驚きのあまり、「彼」と入れ替わりそうになった。だって新人が3人いるんだ、想定外すぎる……
「あ、ああ。そうだ!自己紹介いいかな?」
「リーシャ・シャルルです!警務課に入りたい為にわざわざ田舎から来ました!」
リーシャという少女は背丈は少し小さいが事前の体術の試験の結果だと1000人いる中でNo.3の実力を持っているから侮れないな……
「ほら、ルークも!立って!立って!」
ルークと呼ばれた青年はリーシャに促され、だらけながら立ち始めた。
「ルークっす。警務課は給料が良いんで所属したいっす」
――死ぬな、こいつ。
と思ったがこういうダラけたタイプの人間の方が生き残りやすい、個人的には嫌いだけど
「もう、ルークしっかりしてよ!!室長も見てるよ!」
「っせぇな、歳が近いからいいだろ適当で」
「ま、まあ落ち着いて。ルーク、リーシャ」
新人3人目……
マリーナ・ルルーシュ、つまりマリーの偽名だ。
先程聞いたばっかだが、やはり慣れない。隠す必要はないと思うのに……
「私は自己紹介必要ないですよね、グレンさん」
ニコニコと僕に微笑みかけるマリー、めちゃくちゃ可愛い。
「お、おう。とりあえず僕の室長室に行こうか、メリッサも同行してくれ」
「妹になんかしたら絞め殺すわよ」
「う、うん……」
僕の肩にポンっと手を置き、恐ろしい事を言うメリッサ。
彼女にはやはり逆らえない……
「すいません!! 警務課グレン室長はいますか!」
室長室に行こうとした所、研修室の後ろの扉が凄まじい勢いで開けられた。
「いるけど、確か対策課係長ヴェン・ホーヘンハイム君だよね。どうしたんだい?」
「実は過去の世界から転移者が現れたんです!!」
「なんだって!?」
転移をするには女神の加護が必要だ、なのに過去から来ただと?
「その人はどこにいる?!」
「対策課の方に連行しましたが、大変な事になっていて……」
「わかった。僕の手を貸そう」
正直過去から来た転移者に色々話が聞きたくなったのはここだけの話。
「ちょ、グレン!? 私達は!」
「なんかあったら連絡するから室長室で待ってて!」
メリッサの目がいつもと違って戸惑っていたのは面白かったが、その分キツいお仕置きが待っていると思うと背筋が凍る……
02
研修室から対策課はそこまで遠くない為、すんなりと着いたが……
なにやら対策課が騒がしかった。
「一体中でなにが……」
僕は恐る恐る対策課の中に入室したが、後日僕は対策課に入室した事を後悔するようになる。
「貴方がグレン・マクスウェルさんですね!お待ちしておりました!」
「グレン室長助けて……」
僕が見た光景は死体の山ではなく、転移者の少年の何らかの口撃によって疲れ果てた職員達の山だった――
「1週間はかかりそうだな……」