5話「過去」
これから話を上手く書けるように勉強していきます!
01
「私は教団を設立する前は君の父親の研究の手伝いをしていてね、彼とはよくお互いの研究についてよく話していたよ」
「研究?」
俺が覚えているのは父親はエデンの街で商人をやっていたと聞いていた筈……
この男は一体なにを?
「混乱するのも無理はないよ、君は自分の父親に利用されてしまったからね」
「な、なにを言って……」
頭の中に自分が保持していた記憶とは違う記憶が流れ込んでくる。
その記憶は幼い俺がなにかの機械を身につけている姿で横に立っていたのは子どもの親とは思えない顔をした俺の父親だった
「ッッ!! 」
「おっとぉ! 危ない危ない! 」
俺は気がついたら相手の顔を削り取る魔術を使っていた。
信じない、あんなのが俺の父親なんて……
「アンタが何を言おうと俺は信じない!俺は自分の仕事を全うする」
「あくまで君は自分の過去を否定するのか……」
「アンタには色々聞きたい事があるからな、自分の過去に構っちゃいられない」
「君が聞きたいのは私が違法転生者を率いて君達の組織に侵攻しようと考えているんではないかだろ?」
「そんな事はしないが私には色々としなきゃならない事があるんだ、失礼するよ」
「おい、待て!!」
「そうだ君の相手は彼女にしてもらうよ」
そう言って教団の主は虚空に消えていった。そして彼が消えた場所から突然穴が開き、人の姿が現れた
「君がメリッサの友人かぁ……」
「アンタがまさかレヴィか?」
「そう、その通り。私がレヴィさ」
彼女の姿はまるでメリッサやマリーとは全く似つかわしいぐらい恐ろしいオーラを放っていた。
「なぜ、自分の姉を陥れる?!」
「私はただ単純にラグナロク教団の計画を邪魔しようとしているマリー姉様を排除しようとしただけよ? それがどうしたの?」
「――アンタ、狂ってるよ実の姉を排除しようとするなんて」
「その方が面白いからね、私は自分が愉しい気持ちになれば別に」
『貴方もメリッサにやってみればいいのにその力を使えば愉しいよ』
「――――ッ」
なんの意味もない言葉の筈なのに体の全部の機能が彼女に握られている感覚に陥った。
「アンタ、一体なにを……」
「久しぶりに使ったけど統一言語はやっぱり威力がすごいわ」
マズイ、体が動かないどころか「奴」と俺の入れ替わり時間が短縮しているようにも感じる
これが異世界エデンにいる女神の本来の力なのか――
「ッ!? 」
俺の後ろから凄まじい程の風が流れ込んでくる
その風はレヴィの体を斬り殺そうと自己意識を持っているようだった。
「まさか、メリッサが来るとはね……」
「あら、まさか私のモノに手を出そうとしていたのかしら?」
「メリッサ、何故ここに!?」
「アンタの声が聞こえてきたからよ、案の定予想は的中したけどね」
メリッサの目はいつもの酔っ払ってる姿とは違い、威厳がある神の目をしていた。
「貴方にはこれからの姿は見せられないわ」
そう言ってメリッサは俺の意識を自然と優しい素振りでおとしていった。
02
「メリッサ、メリッサは!?」
「私はここにいるわよ」
僕は気がついたらユグドラシル内部にある医療施設内の病室のベッドに横たわっていた。
メリッサはエデンから戻った後、僕をユグドラシルの医療施設に連れていきずっと看病していたらしい
「マリーは?それにジルさん達は?」
「あの後警務課の第2課の連中が応援に来て、ラグナロク教団の連中を捕まえた後にジルとマリーは事の説明の為に任意同行されたわ」
マリーにはレヴィの愉悦のせいでユグドラシルから討伐命令が出されていたが大丈夫だろうか……
「貴方は人の心配するより自分の体を心配するべきね」
「え?あいたたたッ……」
少し記憶を思い出したが僕は「彼」と入れ替わるのは10年ぶりで力を使い果たしてしまい、体に多数の傷を作ってしまったのだ。
全治2週間程
「私も女神の権限を使ってみるから貴方は体を治しなさい、それじゃ」
そう言ってメリッサは僕の病室を後にした。
マリーは大丈夫だろうか
――
――――
――――――
「グレンさんに本当の事言わなくてもいいんですか?」
「まだよ、本当の事を言ったら体に痛むし、嬉しさのあまりで」
「?」
グレンの病室から離れていたところで彼女達はある話をしていた。
それはグレンが治るまでの乙女の秘密だった