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異世界転生に終止符を! ~違法転生者討伐ライフ~   作者: 新宿のボブ
1章 異世界エデン
3/10

第3話 彼女の想い

よろしくお願いします!

  01


「さぁ、貴方が言っていた西地区へ到着よ!」


「なんか、一瞬にして着いた気がしたような…ッ!? 」




 西地区の奥の方に突如として、空間から2人の男女の姿が現れた。

 女神メリッサは自分の能力で一般人を驚かせたくないように気をつけていたが…



「なんだぁ…テメェら?!どこから出てきたっ!?」

 彼女はある事を思い出した。


「ごめん、グレン。一つ言い忘れてた事があったわ」


「な…なんだよ…」


「私の権能、10年ぶりに使うからデメリットあるの忘れてました…」

 テヘッと大昔のように舌を出して謝る彼女は女神とは到底思えなかったが、自分も彼女の権能を忘れていた事についてはあまり触れないようにした―――

 彼女の権能は目的地の場所にすぐに辿り着けるが、たまに敵の陣地ど真ん中にワープするというデメリットが付くのを忘れていた。


「いや、ちょっと待てよ…今回のデメリットの責任はかなり重いよ!数を見て!」


「ん?1、2、3…」


 筋肉ゴリゴリの男達の数はゆうに100人以上は超えていた。

 おそらくはなんらかの準備をしていたようだが…


「なに黙ってるんだ?それにアンタらその制服は…」


「ユグドラシルだ!副団長!やっちまいましょう!!」

「ここを見られちゃ生かしてはおけない…野郎共かかれぇ!!」


 100人以上のマッスル達が彼女達に牙をむく。 彼らは女神に渡されただろうチート魔法を持っている。

 それに彼らは野党、ここで捕まえないと一般人にまで被害が及ぶ事を知っていたが自分の負の面を使ってしまったらもっと被害が及ぶのではないかと考えていたが―――――


「やっぱり私のカンが当たったわね! 」

 パンっと両手を叩いた彼女は少しだけ呪文を唱える。

 すると、僕達に向かってきた筋肉ゴリゴリ達の魔術はいっせいにかき消された。


「メリッサ、君は一体なにを…?」


「私が今やったのは魔術を使っている人間達の魔力を暴発させたのよ」


「ごめん…馬鹿だから理解できない簡単に言ってくれない?」


「つまり!私は私と同じ魔術を付与できる女神の能力をかき消したのよ!」


 どうやら、メリッサと同じ魔術を付与できる女神がこの筋肉ゴリゴリ達の中にいるらしいが…


「姉御!こっちです!!ユグドラシルの連中が強襲にきました! 」

 姉御と呼ばれた少女はこちらに歩いてくる。

 どういう魔術を使うかわからないから、油断はできない――――


「ヴァルキリーの連中が何のようだ!! ッ!? 」


「ふーん、マリー貴方姉御って呼ばれてるのねぇ…」


「あ…姉様!? 」

 さっきまでの堂々としていた姿は嘘みたいに可愛らしい少女のような口調になってしまっていた。






  02


「姉様がなぜここに…」

  マリーは部下を既に異世界に転移させていた。彼らがいたら話に集中ができなくなる。


「私の理由よりなぜお前はこんなところにいるんだ? あ?」


 姉御と呼ばれた少女はすでに可愛らしいマリーという少女になり、今、姉御にふさわしいキャラになっているのはメリッサの方になっていた。


「実は私、姉様と生き別れた後にある老夫婦にお世話になったんです。その人達は人間ではない私に優しくしてくれて、その優しさにとても感激してしまい、私はこの人達に仕えようと思ったんです。」


「今、その人達は?」


「グレン、貴方…」

 聞いてはいけない気がしたが自然と口が開いてしまった。

 なにか聞いとかなきゃいけない気がしたからだ


「話して良いのかわかりませんが、私達を率いてるボスのお爺様やお祖母様はラグナロク教団に殺されてしまったんです。」


「ボスは復讐の為にこっちの世界の元違法転生者からラグナロク教団の情報を集めていたのですが、ある時に教団支部に教祖がお忍びで来る事を知った彼は潜入して教祖本人を問いただす事にしたんです」


「私は彼の復讐を成功する為に自分の力を渡しました」



「あ、そういえばマリーさん。ユグドラシルに討伐命令出されてるよ」


「私がですが!?」


 僕はマリーに事の経緯を話した。

 何かマズイ状況になっていると思ったからだ。


「この写真、私じゃなくて双子の妹のレヴィです」


「レヴィ……あの子ついに自分の愉悦の為に姉妹を陥れたのね……」


「姉妹なのにこんな事って……」


 僕は気がついたら拳を強く握りしめていた。



「レヴィに私が仕えているボスが巻き込まれるのは嫌なんです!!」


「姉様や貴方にお願いするのもあれですが彼の運命を変えてください、お願いします!!」


 彼女の口ぶりからして恋をしているとは違う、1人の家族として僕達にお願いをしてきた。


「グレン、貴方はどうする?私は構わないけど」


「俺は…」

 俺は彼女の仲間を救いたいのか、

 それとも彼女が悩んでいる姿を見たくないのか―――


「君が悩んでいる姿は見たくない…」


「だから僕は君が助けたい人を助けたい―――――」


「助かりますッ!…」






 女神レヴィ

 自分の姉を愉悦の為に陥れるのはどういう事なんだ…

 彼女の真意は一体……

 不幸な事が起きなければいいのだが…




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