第1話 グレン・マクスウェル
前に書いてた話を少し変えてみました。
なるべく地の文?も少し入れたのでよろしくお願いします
追記ヴァルキリーをユグドラシルに変更しました。
*
――――――人が愛した世界は終わる。
―――人々の愛していた思い出たちは全て消えていく。どんどん光となり思い出たちと共に人間も消えていってしまう。
―――これで良いんでしょうか、
まだ、まだ、私はやり残した事がある。
――――私を本当の意味で救ってくれた貴方に…あの言葉を…
「この世界は残酷だよ…でもその分美しいこともたくさんあったはずだ。なのにアイツは自分のエゴでこの世界を…」
「認める理由にはいかない。俺はまだやり残した事がある、だから終わらせる理由には…」
――――待って。
行かないで
貴方が犠牲になってしまったら私は…
1人の青年は消えゆく街の中を飛び出ていく。
彼は愛していた人を愛していた仲間を救うために
彼は世界を救済するといったバカをぶちのめしに行く。
自身の身がどうなるか知っていても。彼の足は止まるはずはなかった―――――
―――――世界は一年前に戻る。
「彼」が自身の負の側面を憎み、自身の負の側面は「彼」を羨ましがっていたあの時に。
1
―――転生管理局ユグドラシル桜ヶ丘本部にて―――
「警務課 室長 グレン・マクスウェル 君にはある人物の討伐任務に行ってもらいたいんだが」
「面倒なのはごめんだね」
僕の部屋に入って来たのは対策課 室長 アーサー・マックロイ 一見すると長身で金髪碧眼のイケメンでとても属性を盛っているが10年前から知っている僕からすると人の嫌がる顔が好きなクズでなに一ついいところはない。嫉妬とかではない訂正しとくと。
あと、いきなり人の部屋に入ってくるのはどうかと思う。
「まあ、幼馴染みみたいなもんだろ、話ぐらいは聞いたっていいじゃないか?」
アーサーは近くに置いてあった椅子に勝手に座り、長い足を組みながら偉そうに語っていた。
「話ぐらいは聞いたっていいけど内容によってはこの窓からお前を落とすぞ」
ユグドラシル桜ヶ丘本部は20階建てで僕がいる室長室は15階にある。この高さから落ちたらひとたまりもないが奴はそんなんでは死なないのだ。
「ふむ……私が話す内容はなある人物を討伐してもらいたいんだ」
「?」
「君はラグナロクは知っているだろう?」
「ああ、異世界転生に反対している組織だな。違法転生者に僕らの女神から授けられる力以外に第2の力を授けているっていう噂の」
「そいつらが最近きな臭い行動をしていてな……」
ユグドラシルは転生希望者に女神の作ったチート能力を授ける組織だ。
だが、その力を悪用して自分の都合の良い風にする奴が増えてきた為、生活面だけサポートをしてチート能力を授けるのを廃止した方がいいとまで世間から批判をされてしまった。
しかし、世間といっても一部の人の声だけなので力を欲する転生希望者は後を絶たなかった。
ラグナロクはそんな違法転生者にユグドラシルに属している女神以外の力をくれるという噂があった
「例の噂に確証が出てな、偵察の情報だと違法転生者に力を授けて異世界転生賛成派のユグドラシルに攻撃を仕掛けるのが目的らしい」
「そんな馬鹿な話……」
「これを見れば嫌でもわかるさ」
アーサーから5枚の写真が渡された
どれも西地区のスラム街で撮られていた写真だった。
見た感じはスラム街の奥の方で闇売買をしているのだろう。
「およそわかったけど、この中にその本元はいるのか?」
「十年前にユグドラシルが出来た時に異世界の女神様から力を貰っただろう?だとすると奴らの中には…」
「まさか…」
「君に討伐してもらうのは多分君と外見年齢は近い女神様だ」
そう言って写真をもう一つ渡された。
写真には僕と外見年齢が変わらない少女の写真だった――――――