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転生後の世界は消滅する  作者: 仙田拓朗
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転生先は消滅する世界

「人って、なんなんだろうな」

そう思い始めたのは中学二年の頃だろうか。

上級生だった先輩達は夏の中学全国野球大会の予選で敗退し、部を去って行った。

この学校は県では有名な進学校で、大学までエレベータ式で進級出来ることでも有名だ。

その為、経歴のためだけに入学してくる生徒が多い。

近年では将棋部や、茶道部などが有名で、それぞれの部に中等部の生徒の約半数が入部している。

運動部の中で唯一活動しているのが野球部だった。

だが、その野球部ももうじき廃部となる。野球部の部員は13名だったが、内8名は現在の三年生。

つまり、これが野球部最期の試合だったのだ。

初戦の相手は戸田にある中堅高校。結果は分かっていたが、誰一人、闘志を失う者はいなかった。

いや、闘志など始めから無かったのかもしれない。スコアは13-9で敗北した。

その日、取り壊しが決まっている野球部の部室では、お別れ会が開催された。

送別会ではなく、お別れ会。

その理由は、主将の町田先輩が言っていた。

「このお別れ会は我々三年のためのものではない。三十四年という伝統ある野球部との別れのための会だ」

試合で敗退し、球場の外へと追い出された主将は吹っ切れていた。

それはこの人にとって野球に対し、どのような価値観を抱いているのかがわかる発言だった。

三十四年続いた野球部の最期の主将、その名は学校の歴史に深く刻まれるのだろう。

野球を愛し、プレーする者は、この部には一人もいなかった。

そう、一人もいないのだ。

別れの思いを抱かぬ者達とお別れ会を開催して自分は何を得られるのだろう。

その思いから、俺は一人夕焼けの世界へと駆けだした。

ざぁぁぁ、さぁぁぁ、土手にいるのに川の音、風によって響く葉の揺れる音。

そんな音に癒やされたい思い出きた思いである場所にいっても、何も聞こえない。

目の前に川があるのに、木々が生えているのに、冬でもないのに、何も聞こえない。

あの日から、俺の世界は崩壊していった。

6年、五月五十八日。ある大災害がクロニケル王国を襲い、地図から消滅した。

原因は不明とされているが、ある憶測が世界に広まっていた。

それは、太陽の接近だった。古来より、この星は太陽に呑み込まれ、消滅するという伝承が伝えられてきた

だが、星の住人の多くはそのことに関心を持たなかった。

その理由は、宇宙の解明に成功したという事であった。

宇宙とはこれすなわちループの世界。

これを解明したのがフランシュ・バイルという世界的天文学者だった。

どうやらこの世界は浮遊している島国のような存在なのだ。

浮遊すると言うことは、重力が存在すると言うこと。つまり、この星の真下には底が存在する。

我々は浮遊の原因を解明している。果てにさえたどり着けば、星を移動させることが出来る。

この論文が世界に発表されたことにより、完全に宇宙という存在を解明したわけではないが、星の存在を解明することが出来た。つまり、自分たちの星を奪われることはないのだと世間がしった。

だが、人類は知らない。ループの世界など存在していないということに。

なぜなら、俺は知ってしまったから。世界の破滅を。

「さて、今日も救ってやりますか」

俺は死んだ。星の大爆発によって星に住む住人は全て消えた。

だが、そんな世界に俺は又転生してしまったのだ。

星が消滅する運命が定められた世界に。

気付けば、転生して一年が経過していた

もうすぐ高校生。だが、星の大爆発まであと二年

世界を救うため、  は滅服を着て、討伐を開始した

「メブリュヘル!」

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