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異世界でのお仕事!  作者: 藍野逢
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第4話 お祭り

はぁ、外に出たく無い。

 朝になった。この気温と太陽の登り方からして、今の季節は春っぽい。春、それは、出会いと別れの季節。また、新しい生命が芽吹く時期でもある。そう、出会いがあれば、別れもあるのだ。僕がいた前の世界では、幼稚園の頃から一緒だった親友と、小学校を卒業すると同時に、僕が引越しをしたせいで同じ中学校に行けなかった。今でも覚えている。とても嫌だった。親を恨んだりもした。中学校で友達ができなくて、さらにゲームにのめり込んだ。勉強が嫌いで、成績は悪かった。マクド◯ルドでいちゃつくリア充爆散しろ。とツイッターでつぶやいたこともあった。だけど、ゲームやアニメ、ラノベがあったから、毎日が楽しかった。


 気づくと、目から汗が流れていた。汗だ。涙ではない。決して。


 ふと、視線を落とす。そこには、小さな赤ちゃんの手があった。そうだ、僕は転生したんだ。これから頑張れないいんだ。それにはまず、魔法の勉強だな。今誰も人いないから、本読めるよね。




 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼




 ・・・あー疲れた。1時間くらい経っただろうか。外が騒がしくなってくる。


 今日分かったことは結構あるな。ちょっとまとめる。

 ⚪︎『魔石』と呼ばれるものに魔法と魔力を込めて、1回使い切りの魔法を使うものだった。発動スピードが、発動のキーワードを言うだけなので、とても早く行える。魔石の質が良ければ、より強い魔法、魔力を込められる。欠点は、一回しか使えないのと、作るには<魔法付与(エンチャント)>というスキルが必要だから、大量生産が出来ない事だ。


 ⚪︎武器や盾、というか魔石以外の全ての物に、魔法付与を行える。これは、魔力は貯められない。長所は、何回でも使える事と、使う獲物に魔力を通せば、込められている魔法の名前を言うだけで、その魔法を使えるので素早く使えるという事だ。短所は、強い魔法は(属性魔法で言う上級)、聖剣など、魔力が貯められる武器やアイテムにしか付与できないし、魔力をコントロール出来ないと使えない。この2つだ。


 ちなみに、魔石は、魔法を1つしか付与できない。が、それ以外の物なら、かなりの技術者や、付与する物の耐久度が高ければ、2つ以上もいけるらしい。


 ⚪︎かなり難しいらしいが、人や魔力が篭った物を媒体とし、魔力をその物から使い、魔法は自分のものを使う方法。これは自分の自分の魔力は消費しないが、魔力の操作を呼吸をするように自然に、行えるようにならなければできない超高等テクニックだ。しかも、直接触れていなければ使えない。


 ⚪︎そして、その逆もある。妖精や天使、悪魔等の半霊体の存在を使役し、魔力を渡して魔法を使わせるというもの。これは、まとめて<精霊魔法>と呼ばれる。しかし、まずそれらの半霊体に気に入られなければ、使役すらできない。基本的に半霊体は強い魔力を好むらしい。これは魔力を食事にして生きているからだ。


 これで全部かな。この中で気になるのは、精霊魔法と魔力付与だね。なんか精霊魔法とか使ってたら「な、なんだと!?貴様、なぜ精霊魔法を使える!?」とか言われたりして楽しそう。なんか半霊体だけが使える魔法とかありそうだし。


 魔力付与はな〜・・・やってみたいけど、まず、スキルを覚えないといけないし。優先度は低いな。




 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼




 勉強も終わり、簡単な魔法を練習していると、ドアノブを回す音が聞こえた。僕はすぐに足に魔力を集中させ、ジャンプでベットに戻ろうとしたんだけど・・・まだあんま練習してないから、案の定失敗して魔力はうまく集まらなかった。すぐにメイドさんが入ってきてしまう。15歳くらいで、美人さんだ。髪は茶髪でショートカット。


「そろそろパレードが始まります。行きますよ。」


 床にいる僕を、ヒョイ と、持ち上げてベッドに戻し、それを押して廊下に出た。え、この柵付きベッドって動かせたんだ。ついでにメイドさんのステータスを見ておく。それにしても、なんでここにいる人達は、赤ちゃんである僕に話しかけるんだろう?


 メーナ=スフレ

 Lv45 年齢:16

 クラス:

 メイド

 魔法盾戦士(マジックタンク)


 体力:1960/1960

 魔力:957/957

 筋力:17

 素早さ:25


 初号スキル

 貴族の娘・守護者(ガーディアン)


  スキル

 魔法威力上昇Lv2

 剣Lv5

 盾Lv6

 礼儀作法Lv6

 無表情(ポーカーフェイス)Lv2

 言語理解Lv8

 成長補正/小Lv6




 魔法

 属性魔法

 石弾(ストーンショット)

 石矢(ストーンアロー)

 泥弾(マッドショット)

 石矢(ストーンアロー)

 石壁(ストーンウォール)

 水晶盾(クリスタルガード)

 水晶雨(クリスタルレイン)


 系統外魔法

 探知(サーチ)

 子守唄(スリープ)


[メーナの人生]


 お、おう・・・この世界の基準は分かんないけど、メイドって戦えるの?なんか急にこのメイドさんがとても頼もしく見えてきた。




 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼




 しばらく進むと、急にベッドが止まった。自分で言っててなんだけど「ベッドが止まった」なんて言ってちょっとアホらしくなった。メーナさんが誰かに話しかける。


「重力移動版をお願いします」


「分かりました。後についてきて下さい」


 もう1人の女の人の声が聞こえる。しかしベッドに寝っ転がっているこの体勢からじゃ、顔が見えない!どうにかして見ようと試みるが、あえなく失敗。またもベッドは動き出し、廊下の突き当たりで止まる。そこには、床から天井まで伸びる円形の筒があった。そしてそのまま中に入っていく。中には、直径6m程の円盤があり、何やら紋様が刻まれている。


重力反転(グラビティリバース)


 なんか女のの人が魔法名的なのを言うと、下から光が発せられ、円盤が上昇し始めた。ふと上を見ると、筒は結構な高さまで繋がっていた。


 20秒程の経っただろうか、円盤が止まった。メーナさんはベッドを押して、前へ進んでいく。なんだか人の、それも大勢の喋り越えが聞こえる。何を言ってるかはわからんけど。ドアを開くとそこにはーーーー



 ーーーー父様とアナさん、3人の姉、そして、城の前にある広場を埋め尽くす、大勢の人々がいた。父様が、ベッドを押してやって来たメーナさんに気づき、ベッドはの中からそっと、僕を取り出す。メーナさんは、静かに柵付きベッドを押して、その場から去って行った。・・・部屋に戻る時どうするんだろう?


 メーアさんがいなくなると、父様は前に進み出る。何をするんだ?僕をだ!抱きかかえる父様を、下から見上げる。何も心配は要らないよ。みたいな顔で、ニッコリ微笑まれた。あらやだイケメン。ケツの穴くらいならいくらでもあげちゃう!そんな性癖は無いからしないけど。


「静まれ!」


 そう言うと、騒めきわ一瞬で引いた。おそらく父様も先導者スキルを持ってんだろうな。


 ちょっと!危ないから僕を上に掲げないで!


「この子は、ドミニオン王国15代目国王である、私の息子だ!名はオルカ!ドミニオン王国は、今年、設立から丁度1000年の節目の年だ!この記念すべき時に、長男であり時期国王でもあるオルカが生まれたのは、めでたいことである!よって、今日は祭りだ!仕事なんかしてないで、飲んで歌って、おどりくるえ!」


「「「うぉおおおおおおおお!!!」」」


 そう言った父様は、キラキラしていて、とても生き生きしていた。あらやだイケ(中略)しかし、先導者ってコワイ・・・洗脳とかも簡単にできちゃうじゃん。それ以外にも、父様から溢れ出るカリスマ性が、他の人を魅了しているんだろうけど。


 でも、国王が国民に仕事するな。なんて言ってもいいのかなぁ?




 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼




 その後、城の大広間で立食会が開かれた。僕の家族の元には、引っ切り無しに貴族や商人がやって来る。僕は母様に抱かれて満足してる。なぜなら、大きくて柔らかい2つの山が、ずっと右腕に押し当てられているからなんだ。素晴らしきかな。おっぱいの力は異世界に来ても偉大だ。


「いやぁ、実にめでたい。しかし、なぜ当日に祝わなかったのですか?」


「そ、それはだな・・・夜に産まれたから出来なかったのだ!」


 おいおい、そこの嘘つきさんよぉ。嘘はよくねえぜ、早く本当の事を言っちまいな。楽になるぜ?


「まぁ、なんて可愛らしいんでしょう!お父様譲りの金髪に、深みを帯びた母様の碧眼がとても合っていますわ!」


「でしょう?だって、あの人と私の息子だもの!」


 結構な時間が経った。メイドさん達も食事の片づけを始める。


「本日はありがとうございました。夜にはダンスパーティーが開かれるので、この招待状を持って、城正門の衛兵に見せてください。場所は、ここと同じ大広間です。軽い食事なども出ます。時間は夜の7時ですよ。参加したいという方は、お帰りの際に、廊下の両端に並ぶ使用人からお受け取りください。1人2枚までです。それでは御機嫌よう」


 アナさんがステージから降りて、父様から僕を奪い取った。


「もうこの子はお昼寝の時間よ?私はこの子を寝かせてから後で追いつくわ」


 父様は少ししょぼんとしながら


「分かった」


 と、一言だけ言うと、姉と護衛を連れてどこかに行ってしまった。


 てか、僕の出番はもう無いらしい。主役なのに!部屋まで戻ると、僕は寝たふりをする。


「ふふふ。よっぽど疲れたのね。お休みなさい。」


 コツコツコツ ガチャッ バタン


 もう行ったかな。僕は部屋から出て、廊下を確認する。よし、誰もいない。僕は、ベッドの布団と布団の間から、魔法の書を取り出す。早速魔法の練習だ。まずは初級魔法を全制覇しちゃいますか。




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