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図書館には魔女がいる(仮)  作者: 春紫苑
新聞部のポルターガイスト
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新聞部のポルターガイスト(後編)

中林は校舎を出て裏門の方にズンズン進んでいく。


「いったいどこまで行くんだ?」

「今回の黒幕に会いにですよ」

「工事してる川にきたって誰もいないじゃないか」

「そうですよ。今回の窓を揺らしていたのは人間でも、まして幽霊でもありません」

「いったいなんだっていうんだよ?」

「焦らないで。順を追って説明しましょう。

まず女性の声だと思っていたのは水の放流を伝えるサイレンの音でしょう」

「サイレンの音…。ま確かに女性の声に聞こえなくもないか。


サイレンでどうして急に空気が変わったり、窓が揺れたんだ?」

「ここからは推測ですが、

水が流れて一部工事中の部分を通ることで低周波が発生したのでしょう」

「低周波…?」

「低すぎて人間の耳には聞こえない音です。


紙を口の前にかざして声を出せば、紙が振動する。

それと同じことが川で発生した低周波と学校の窓で起きたっていうことです。

ただし、低周波では音が聞こえないのでひとりでに窓が揺れているようにみえたと。


さらに、人によっては低周波を聞くと不安や頭痛を訴えるらしいですよ。それで空気が変化したように感じのでしょう」

「他で起きたって不思議じゃないよな。中林、何でうちだけ騒ぎになったんだ?」

「下校時刻直前で校舎内にいる生徒が少なかったのがまずひとつ。他の部屋は位置的届かない、塀に遮られた、気づかなかったとかでしょう」

「じゃ、新聞部はどうすればいいんだ?」

「以前は起きてなかった現象みたいですし、まぁ、恐らく工事が終われば落ち着くでしょう」

「それじゃ、やっぱり、幽霊なんかいなかったんだ!」


中林が何か可哀想なものでも見るような目で俺を見ている。


「それはそれ、これはこれです。世に言うところの幽霊はいますよ?」

「え」


「科学でこの世の全てが記述出来るというのがむしろ傲慢です。」


戸惑う俺をよそに中林の言葉は続く。


「それに想像する余地のない世界なんてつまんないでしょ?」


ーーーーーー

あれから1週間がたち、工事の終了とともにポルターガイスト現象?は無事に終息した。

学校新聞の発行・配布も終わり落ちついた今日、俺は図書館の魔女こと、中林に報告するため例の本棚の前に来たわけだ。


「言ったとおり、工事が終わったらポルターガイスト現象は収まったよ」


「そうですか。それは何よりです」


本棚の裏にいる姿を見ずとも声の感じで、本から目を上げないままなおざりに返事をしているのがひしひし伝わってくる。


「ことの顛末を書いた記事も好ひょ…」


「それは良かったですね」


「…」


「で、まだ何か?新聞部のポルターガイスト現象を解明したらほっといてくれる約束だったでしょうに…」


「あの記事のを見てよそでも奇々怪々なことが起きてるって投書があってさ。いや、相手に中林に相談するよう直接伝えた方が良かった?」


「…チッ。で、今度は一体何が起きたって言うんですか?」


本棚の向こうからホトホト嫌そうな声がするが取り敢えず話は聞いてもらえそうだ。


「実は…」

あとがき


はじめまして。春紫苑ともうします。

ずっとRom専でしたが思い立って投稿してみました。


初投稿でお見苦しい点も多々あったかと存じます。

最後までお読み頂き誠にありがとうございました。


本作はライトな学校の怪談風ミステリーというコンセプトでお送りしております。


ここまでで一応完結とさせて頂きます。またネタが思いつけばかこうと思っていますのでその時は宜しくお願いいたします。

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