表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/61

パート3

 とりあえず、どうにかしてこの子に食べてもらわないとな。

 スプーンで一口分をすくって息を吹きかけてちゃんと冷ましてから、少女の口に持っていく。

「ほら、あーん」

「………………」

 けど口を開いてくれない。なんか遠慮してるように見えるけど……。

 でも倒れるくらいなんだから、絶対腹減ってるはずだよな……。

 なら、よく意地っ張りの子供相手にしてたあの方法でも試してみるか。

「お前が食わないなら、俺が食べるぜ? いいのか?」

 少女に聞いてみるけど、そっぽを向いて俺の話を聞いてないようにしていた。

「じゃあいただきまーす」

 そう言いながら、お粥を食べ始める。

(うっ……味無い……。お粥って初めて食べてみたけど、こんな食べ物だったのかよ)

 とはいえ、意外にも胃の中に入っていく。確かに病気とかになったときには、良い食べ物だな。

 けど少女に食べて貰う為に作ったお粥だ。俺はうまそうに食べながら、けどスプーンで掬うのはほんの少しの量にしながら。

 すると少女がちらりとだけこっち見てきた。正確には俺じゃなくて、お粥を。

「なんだ? やっぱり食べたいのか?」

「…………!」

 そう言うと、顔を赤くしながらまたそっぽを向いてしまった。

 くうぅー……。

 それでも、やっぱりお腹は正直だな。

「……………っ!」

「ほら、とりあえず一口でいいから食べてみろって」

 もう一度スプーンで掬ったお粥を口元まで近づけてみると、今度はおそるおそると食べた。

「どうだ? うまいか?」

「…………」

 元々味があまりないお粥だけど、それでも少女は小さくうなずいてくれた。

 それから俺がスプーンで掬って、それを少女が少しずつだけど食べてくれるのを繰り返していると、あっという間にお粥は無くなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ