パート33
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幸一さんが皆と一緒に遊びに行くと言った次の日。わたしはテレビでしか見た事がない公園に来ました。
「………………!(ここが、公園ですか……!)」
「ああ。ここにはいろんな遊び道具があるから、いろんな事をして遊ぶ事が出来るんだ」
幸一さんの言うとおり、公園にはいろんな物が置いてました。二本の鎖で浮いている板や、高い所から斜めに鉄で出来た長い板が置いてあったり、地面には短い草がたくさん生えてました。どれも見た事がないものばかりで、とても新鮮です。
「にしても、ここも結構変わったよなー」
「そうねー……。昔はなーんもない、ただの広場だったのに」
真里菜さんと変態さん……じゃなくて、洋介さんが何かを思い出すかのように言いました。
わたしには分かりませんでしたが、この場所は真里菜さんや洋介さんにとって、なじみの深い場所だという事は分かりました。
それにしても、まさか本当に公園に来る事が出来るなんて……。
「……………最初に、何する?」
真里菜さんとずっと手を繋いでいる京香さんが言いました。正直、わたしは遊んだ事があまりないので、基本はみなさんが提案したゲームに参加することになっています。
「そうどすなぁ。幸はんの事もあるし、ここはみんなで出来るのがええどすなぁ」
「となると、鬼ごっことかかくれんぼとかになるな……」
「よし、俺が一番最初に鬼を」
「「却下」」
「なんでだよ!?」
「お前が鬼をやったら、幸が怖がるだろうが」
「なんでだよ!?」
「……………じゃあ、かくれんぼ?」
「そんなら、幸はんの体にも負担かからんどすの」
「じゃあ、かくれんぼにしましょ。 幸ちゃん、ルール分かる?」
「…………(はい。昨日幸一さんに教えて貰いました)」
かくれんぼ……確か、鬼の人が数字を数えて、その間に隠れないといけないゲームのはずです。それで、鬼の人は全員見つけたら勝ちみたいなんですが……。
「それなら、鬼はじゃんけんで――」
「…………(あ、あの……。幸が鬼をしては、駄目ですか?)」
幸一さんからかくれんぼの話を聞いている時、なんでも隠れている人を見つけた時の喜びは大きいだとか。それを一度味わってみたくて、つい言ってみたのですが……。
「……珍しいな。幸が自分からやりたいなんて」
「…………(い、いえ。幸一さんが昨日あんなに楽しそうに言ってたので、やってみたくて……)」
「まあ別にいいんじゃない? かくれんぼの鬼だから、そこまで走り回らないと思うし」
「それなら、俺も鬼になるよ。もし何かあったら大変だからな」
「……………それが、無難」
「それじゃ、さっそくはじめますえ?」
わたしと幸一さんが一緒になって数を数えている間に、他のみなさんは一斉に隠れ始めました。




