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パート28

 まあとはいっても、京香は幸とどこか似た所があるから、どこかほおっておけないんだけどな。

 ……いや、幸が京香に似てるのかもしれないな。だから俺は幸を助けたかもしれない。

「まあそんなのどっちでもいいか……」

「…………?(何がですか?)」

「いや、別になんでもないよ」

 そう言ってやりながら、幸にケーキを食べさせる。

 とりあえず今は、幸の為になんとか頑張って過ごそう。そう思った三時のおやつだった。


「……はい。見た所変わりはありませんでした」

 アパートの近くにある電柱の傍で、さっき幸一と話をしていた男がどこかに電話をしていた。

『ふーん? それで実験体Fはただの人間と幸せそうに過ごしているって?』

「俺が見た限りでは。ただあの男も少し体質が実験体Fと似たような体質を持ってるみたいです」

『へー。へーへーへー……。それはなかなかに興味深いねー? まああの子が、どこまで、いつまでそんな偽物の幸せに耐えきれるかな?』

 電話越しの相手の声を聞き、男はギリッと奥歯をかみしめた。

『まあ、実験体Fについてはもうどうでもいいよ。問題なのは――』

「……なら、なんで早く彼女を楽にしてあげないんですか」

『…………ん? もしかして君は、この僕に反抗してる? んー?』

「反抗じゃありません。ただの疑問です」

『ふーん。まあ別にいいけど。君はまだ入ったばっかで知らないと思うけど、あの子もあの子でなかなかに稀有な過去を持っていてねぇ。僕の実験を証明するためには優秀な材料になると思ってたんだよ。まあ実験は中途半端に成功。とりあえず君は実験体Fの見張りながら、探索を続けてくれたまえ』

 それだけ言って、相手は勝手に電話を切った。

 男は少し微動だしなかったが、しばらくすると思いっきりため息をついた。

「…………焦るな。まだ時間を稼がないと」

 自分を抑えるかのように、拳を強く握り締めてから歩き出した。

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