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パート18

   ★   ★   ★

 

 やってしまった。

 忘れちゃいけないはずなのに、あまりにも……。

 あまりにもここは幸せすぎた。

 本来なら、幸なんかこんな所にいちゃいけないのに……。

 幸なんかがいるから、優しくしてくれたこの人たちに迷惑を掛けてしまう。

 だって私は、不幸の塊なんだから。

 これ以上、こんな幸に優しくしてくれたこの人たちに、不幸な目に合わせたくない。

 だから……。


   ★   ★   ★


「……一! ねえ、幸一ってば!」

 なんだろう。誰かが俺の体を揺さぶって起こそうとしてる。

 けど、頭が全然働かない。

 もういいや、このまままた眠ってしまっても……。

「もう、しょうがないわね……」

 俺を起こそうとしていた誰かは、その腕を掴んだかと思うと。

「えいっ!」

「いててててててっ!?」

 急に逆方向に曲げやがった。いやいやそっちに腕は曲がらねえぞ!?

 あまりの痛さに目を覚ますと、そこには真里菜が俺の腕を無理矢理曲げようとしているところだった。

「あ、幸一。やっと起きたの?」

「起きたと思ったならさっさと腕離しやがれ!」

「えぇー……」

「そんな残念そうな顔してるんじゃねえ!」

 どうにか真里菜を説得して、腕を解放してもらう。

 まったく……最悪の目覚めだな。

 しかも部屋の中を見てみると、さっき真里菜がゴキブリを見て、いろいろと投げられたから物がぐちゃぐちゃに散らかっている。

 これは片付けるのがめんどくさそうだ……。

「……はあ」

「……何よ、いきなりため息なんかついて」

「別に。ただ誰かさんの後始末を俺はしないといけないかと思うと、気が鬱になってな……」

「…………悪かったわよ。それより、あれ見て」

 本気で謝ってるみたいなので、とりあえず俺は言われた通りに真里菜が指を指した方向を見てみる。

 そこには――。

「…………! …………!」

 ――何故か足を糸で絡ませて、さらに畳まれた段ボールに下敷きにされている幸の姿があった。

「……何が、あったんだ?」

「あたしだって知らないわよ。けど大きな音がして、それで目が覚めたんだけど、あたしが起きた時にはもうこうなっていたわよ」

 そういえば今日の朝に、段ボールが溜まってきたからまとめようと思って、糸と段ボールを出してたような。

 でも、一体何をしたらこんな風になるんだよ……。

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