表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/43

王国誕生祭イベントーラミア女の戦い②

審判の声が会場に響く。


「本大会で使用される試合用の剣について説明します!

今回の剣は、通常の戦闘用の剣とは異なり、刃は厚く重い“鈍刃”です。

切れ味は鋭くありませんが、その重さゆえに一撃ごとの破壊力は絶大です。

巧みに扱える選手にとっては、速度だけではない圧倒的な威圧力を発揮する武器となります。」


観客席からどよめきが上がる。

レヴィンたちの目には、選手たちの手に握られた鈍刃の剣が、ただの道具以上の“戦闘の象徴”として映った。



ラミアの目が鋭く光り、刀を握る手に力がみなぎる。

周囲の風まで彼女の気迫に反応して揺れ、空気が張り詰める。


一歩一歩の踏みしめが地面を震わせ、まるで背後から“闘気の壁”が立ち上がったかのようだ。

相手剣士の体が小刻みに震え、「こ…怖い…」と声を漏らす。

ラミアの一歩が近づくたび、相手は耐えきれず「無理ー!!」と場外へ逃げ出した。


「ラミアさん勝利!!」

歓声が一気に巻き起こり、会場が揺れる。


ラミアは息を乱さず、刃の先まで緊張感を保つ。

その冷静な視線の奥には、勝利の喜びだけでなく、「もっと強くならなきゃ…」という静かな覚悟が光っていた。


レヴィン「すっげえ!!ラミア!!気迫だけで…!!」

セレナ「私も対戦相手ではないのに、あまりの迫力に体が震えました…」


ラミアの背中には、まだ怒りの熱が残っているようで、刃を鞘に納める手つきも力強い。

レヴィンたちの目には、ただの勝利者以上に“戦士としての凄み”が映っていた。

その姿には、会場全体が一瞬息を呑むような威圧感が漂っている。


2回戦、ラミアは驚異的な速さと正確さで相手を圧倒する。

一閃ごとに空気が裂け、観客の視線が刃の軌跡に釘付けになる。

歓声が再び会場を震わせる中、ラミアの目は冷静に、しかし確実に相手の動きを捕らえていた。


レヴィン「すげえ…もう圧巻だ…」

カイル(師匠…ラミ姉さんの闘志に火を付けてる…)


準決勝を駆け上がったラミアは、動きに無駄がなく、刃の一振りごとに観客の心を掴む。

試合が終わるたび、会場の歓声と拍手がラミアの戦いぶりを称えた。


レヴィンたちも思わず体を乗り出し、「ラミア、次も頑張れ!!」と声援を送る。

その熱気の中、ラミアの目は冷静に、そして確実に勝利を見据えていた。


決勝戦の空気は会場全体をピリリと緊張で包む。

相手は長い髪をまとめた女剣士。静かにラミアを見据えるその姿からは、剣技への自信と、戦場に臨む冷徹さが滲み出ていた。


「……ラミアさん、覚悟はできてますか?」

冷静な声が場内に響く。


レヴィンはリュウの装備を纏った謎の女剣士の姿を探すが、それらしき人物は特定できなかった。

もし弟子のラミアより遥かに実力のある選手なら、すでに観客席は騒然となっているはずだ。


レヴィン(この人も…声が違う。あんな装備で戦えるのは、素人じゃ絶対にない…)

視線を決勝の場に注ぎ、戦いの行方を固く見据える。

胸の奥で、ラミアがどう立ち回るのか、心臓が早鐘のように打つ。


ラミアと細身の剣士の刃が、鋭い金属音を立ててぶつかる。


「カツンッ!」

火花は散らないが、その鈍い衝撃は観客席まで伝わり、空気を震わせる。

鈍刃の剣は軽やかに切れない代わりに、一撃ごとの重みで腕や体に圧力を伝え、放たれる瞬間ごとに戦場の空気が震えるのだ。


細身の剣士は一歩踏み込み、ラミアの鈍刃に強く押し付ける。

「くっ…!」ラミアは眉をひそめ、刃を斜めに受け流す。

剣と剣がぶつかるたびに、互いの呼吸が一瞬止まり、観客たちも息を呑む。


ラミアは冷静さと怒りを併せ持った表情で、次の動きを狙う。

細身の剣士はその隙を逃さず、素早く回転し、ラミアの側面を狙う。

だがラミアの動きも鋭く、鈍刃の重みを巧みに利用してかすかに擦れ合い、攻撃を弾く。


「カツッ…ガシッ!」

鈍刃の衝撃が二人の腕に響き渡り、緊張感が一気に高まる。

ラミアの眼光が相手を射抜き、観客席からも「おおっ!」と感嘆の声が漏れる。


剣と剣の交錯は、鈍刃特有の重厚な音となり、観客のざわめきにかき消されそうなほど会場に響き渡る。


ラミアは一歩一歩後退しながら、相手の攻撃をかわす。

「くっ…!」額に汗がにじみ、呼吸が少し荒くなる。


細身の剣士は動きが素早く、ラミアの防御の隙間を巧みに突いてくる。

一瞬の隙を突かれ、鈍刃の剣がわずかに弾かれ、後ろの線を踏む。

「ひっ…!」足元のバランスが崩れかけ、観客席からも小さなどよめきが漏れる。


ラミアは怒りと焦りを内に秘め、剣を強く握りしめる。

しかし相手の細身の動きは鋭く、斜め上からの一撃に押され、肩がわずかに後ろへ…


「くっ…負けるわけには…!」ラミアは渾身の力を込めて踏みとどまろうとする。

鈍刃の重みが腕に食い込み、一撃一撃の威力を痛感しながらも、彼女はその圧力に負けず、視界の端で観客の声援が大きくなるのを感じた。


汗と気迫で顔を紅潮させながらも、ラミアは鈍刃を握りしめ、次の反撃の機会をうかがう。

鈍刃の重さが腕に食い込み、一撃一撃の威力を意識させる中、緊迫した空気の中で二人の剣士の戦いは、一瞬も気を抜けない熱戦へと変わっていった。


レヴィン「ラミアー、踏ん張れ…!」

相手の方が格上か…まずいな…。


セレナ「すごい…!!私、こんなに強い女性がいるなんて…驚きです!!」

レヴィン「おお…!結構面白いよな!?」

セレナ「はい!!あの…今日は誘ってくれて…ありがとう」


さっき手を引いてくれたから、今度は私から…!!!

セレナは勇気を振り絞り、レヴィンの手をぎゅうっと握りしめた。


レヴィンは試合からしばし目を離し、セレナの方に向き直す。

レヴィン「おお!楽しめたなら良かったよ!セレナはこういうの、興味ないかなって心配してたんだけど」


セレナ「いえ…新鮮ですごく楽しいです…」


レヴィン「良かった…」


二人は微笑みあい、その空間だけがほんの一瞬、柔らかく包まれた。


カイル(うわあ…いい雰囲気だ…でも…こんな2人をラミ姉さんが見たら怒るだろうな…)

その瞬間、背筋がゾクッとし、嫌な予感がしてカイルは試合の方へ視線を戻した。


ラミアの視線が、戦場から離れたレヴィンとセレナに向けられた。

恐ろしい形相で二人を凝視し、その眼光には鋭い警告と戦士としての気迫が混ざっていた。


ラミア「!!!!!!!」

師匠の手を…握りしめ…てる…


レヴィン「うあ!?ラミア…来るぞ!?」

鈍刃の重みが一振りごとに威圧感を増す中、ラミアの眼差しは迷いなくレヴィンとセレナを捉えたままだった。


セレナ「きゃあ!!ラミアさん、危ない…!」

ラミアに迫る刃を、目で追えず、セレナは思わずぎゅっと目を閉じた。


相手選手の鈍刃が、空気を切り裂くようにセレナの目の前まで迫る。

その重厚な振動が地面を伝わり、胸の奥まで響く。

観客席の歓声も、瞬間、その一撃に息を呑んで止まったかのようだった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ