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団長の威厳と羨望の背中

団長の鋭い視線が、重装備のレヴィンに注がれる。

その瞳は静かに、しかし確実に周囲の空気まで引き締める威圧感を帯びていた。


ベテラン勢も思わず背筋を伸ばす。

レヴィンは重装備のまま固まり、呼吸が少し早まる。

小さな胸の鼓動が、自分の耳にも届きそうなほどに感じられた。


「あ…団長、うるさくしてすいません…よく言い聞かせておきますから…」

ベテラン勢が慌てて頭を下げる。


「そうなんです…ワシの見た目が40後半なのが悪いんですじゃ…」

アーサーが苦し紛れに弁解するも、


「そ…そこまでは言って無かっただろ…」

副団長が後ろから突っ込む。


風に乗って団長のアイスブルーの髪が光を受け、切れ長の瞳が鋭くレヴィンを射抜く。

その視線に、重装備のレヴィンも思わず背筋が伸びた。


「……今後はもう少し静かにできるか?」

その声は小さいが、確実に耳に届く。


ベテラン勢も思わず背筋を伸ばす。


聖騎士達「ももも…申し訳ありませんーー!!」

レヴィンを無理やり頭を下げさせると、パワー系のベテランに押され、ぺしゃっと床に頭を打ち付けた。


「いつつ…」

レヴィンが呻くと、団長は手を差し伸べ、静かに彼を起こす。


レヴィン「申し訳ありません…」

「……気をつけろ。君の元気さは悪くないが、周りに影響がある」

団長の声には穏やかさと、どこか関心の色も混じっていた。


ベテラン勢もばつが悪そうに俯く。


遠目でそのやり取りを見ていた若い聖騎士たちは、目を輝かせていた。


「いいなー!? 団長に注意されてるって…!」

「俺、団長に憧れて入団したんだ」

「俺も!俺も!」

次々に声を上げる若手たち。


団長は無反応で澄ました顔のまま、その場を去る。


「全く…今年の奴らはうるさくてかなわん…」

副団長は静かに団長に続き、歩を進める。


団長は静かに中へと姿を消した。

その背中だけが、若い聖騎士たちの心に強く焼き付く──尊敬と憧れの対象として。


「かっこいいいーー!」

「痺れる!!!」


レヴィンは少し驚いた顔でつぶやく。

「俺……初めて団長に会ったかも……あんな格好いい感じの人だったんだな……」


ーーー


副団長は扉が閉まったのを確認してから少し困ったように声を漏らした。

「……あの若造、もっときつく注意した方が良かったのでは……」


団長は肩越しに静かに振り返り、淡々と答える。

「構わんだろう。列を乱した訳でもあるまい...観客達には聞こえていなかった...それに結果は出している。」


副団長は眉をひそめ、口を小さく尖らせる。

「……噂では暗黒騎士とも……」


団長は静かに副団長を見つめ、柔らかくも揺るがぬ声で言った。

「我々は暗黒騎士ではない…暗黒騎士と言われているだけに過ぎない。そんなものに惑わされるな。」


副団長は眉をひそめたまま、少し戸惑いながら口を開く。

「しかし……聖騎士としての品格が……」


団長は軽く肩をすくめ、微かに笑みを浮かべた。

「品格も大事だが、まず目の前の者の力と真価を見極めろ。噂や外見で判断してはいけない。」


副団長は団長の言葉を噛みしめ、悔しそうに拳を握る。


副団長は頭を下げ、団長の言葉を飲み込む。

「口が過ぎました…」


団長は静かに頷き、淡い光を帯びたアイスブルーの瞳で副団長を見下ろす。

「分かれば良い…」


団長の声は低く、落ち着いているのにどこか重みがある。

「暗黒騎士の圧力に聖騎士としての騎士道精神……私は嫌いではない……」


「……っっっ!!!」

更に拳に力を込め、唇を噛み締める副団長。

その瞳には、己の誇りと序列への自負、そして団長への悔しさが入り混じっている。


副団長は団長の前を怒りを抑え込んだまま静かに立ち去る。

「失礼します……」


その背中が視界から消えた瞬間、大股で歩き出す!!

地面に置かれていた大きめの石を蹴り上げる。

ガンッと乾いた音が響き、思わず顔をしかめる若手聖騎士たち。



副団長が去った後、辺りには少し静けさが残った...。


アーサー「荒れとるのう…なあ、レヴィン…」

視線の先には、さっきまで元気に騒いでいたはずのレヴィンの姿はなかった。

その代わり、重装備の抜け殻が、まるで誰もいなかったかのように無造作に置かれている。


ベテラン「アーサーさん、すいませんが片付けておいてくださいって言ってたぞ」

アーサー「うぬ…そうか…仕方ないのう…」


ベテラン(やっぱり…激甘だな…)



ーーー


その頃私服へと着替えたレヴィン、

フード付きのロングコートに帽子、ネックウォーマー!フードを深めに被って目元隠し...更に中に被っている帽子で髪色隠し...ネックウォーマーで口元を隠し...完璧!!!


今日は王国誕生祭のイベントで、アマチュア女剣士の大会が開かれていた。

弟子であるラミアが出場するのだと聞き、レヴィンは気持ちを高ぶらせる。


レヴィン「よし、これで顔もバレないし!!!ラミアの試合、絶対に見届けるぞ…!」


だが歩き始めると、視線を感じる...。

レヴィン(なんか...変だったかな...)


ーーー


会場付近でキョロキョロする。

折角だしセレナも呼んだんだよな…。

この辺って言ってたけど……。


レヴィン「あ!! いた!!」

向こうも探している様子でキョロキョロしている。今日はパンツスタイルで動きやすそうだ。


レヴィン「セレナ!!」

小さめの声で呼ぶと、セレナも目を輝かせて振り向いた。

「レン様…! すごい人で…会えないかと思いましたわ…」


セレナ「その格好…」

レヴィン「ごめんごめん…ちょっと遅くなったよな。ちょっと事情があって顔出すのまずくてさ…早速移動しようぜ」

セレナ「そうですか…聖騎士様ですものね…とても似合ってます…」

セレナは仄かに顔を紅潮させる。


レヴィンは全くそんな様子に気付かず、躊躇なくセレナの手を握り、こっちこっちと人混みをかき分けて歩き出す。


セレナはドキドキとした胸の高鳴りを感じていた。

手を引かれ、こんな人混みの中を足早にかけていく…。

前には聖騎士としての頼もしい背中があり、その力強さに自然と安心感が湧く。


周囲の熱気や太鼓の音、歓声が二人の周りを包む中でも、セレナの心は、しっかりとレレヴィンの存在に引き寄せられていた。





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