92色 敵情偵察! ニューショッピングモール2
「キミ達も来てたんだね」
私はその聞き覚えのある声に内心冷や汗をかきながら振り返ると、メガネの青年が立っていた。
(このタイミングはマズイですね……)
そう内心思う私を知ってか知らずか彼は言葉を続ける。
「なんだい? キミ達もここの視察にきたのかい? 奇遇だね、僕も、気になっていたからね」
「うん、そうだね。 いろいろと参考にしたいと思ってぼくたちも見て回ってたんだ」
トウマくんは彼の気を引く為に話を合わせる。
彼の名前は日紫喜怜太くん。 学園は別の場所に通っていますが私達と同じ商店街で実家が本屋を経営しています。
別にトウマくんや私とは仲は悪くないのですが……スミレとはかなり険悪な仲なんです。 まさか、彼もここにきていたとは……
「…………」
私はスミレを横目にみると、スミレは肩を震わせていた。
「まあ、キミ達との情報共有をしたいところだけど……キミはどうしたい?」
「!?」
メガネくんは私達に背を向けるスミレに少し声のトーンを落として聞く。
「…………消えなさい」
スミレは静かにドス黒いオーラを放ちながらいい放つ。
「相変わらずな挨拶だね、何なんだい、僕は女子に嫌われる才能を持っているみたいだね」
メガネくんは突っかかるようにいうとスミレは振り返り彼を睨みつける。
「なんだい、その目は、言いたいことがあるならいうんだね」
「…………キエロ」
スミレはまるで呪うように言い放つと、メガネくんは大きく溜息をつくとトウマくんに向き直る。
「だそうだ、邪魔者は消えるとするよ。 また、今度、情報共有をしよう」
「……う、うん」
メガネくんはそういうと本屋の中に消えていった。
「場所を移しましょうか」
私達はその場を離れることにする。 しばらく、私達は無言だったけど、ノワルが気を利かせてくれたのか、いつもみたいに陽気に笑いながら世間話などをしてくれた。 そして、いつもみたいにセクハラ染みたことも云ってきたので手刀を振るけど、素早くかわされる。 それを、見ていたスミレがクスリと笑い口を開く。
「……その……わるかったわ」
「いえ、いつか『仲直り』できるといいですね」
私の言葉にスミレは「……ええ」と小さな声で返す。
「さて、もう少しだけ時間がありますね」
「あれ? マルじゃないか」
「?」
腕時計をみて時間を確認していると声をかけられ腕時計から顔を上げると、腰に上着と杖を掛けた女性とその隣に眠そうな眼をしている青年がいた。
「シーニ! それと、ネム少年!」
「…………」
青年の方がパッと名前が出てこずに適当な名前を呼んでしまいましたが、青年は気にせず、寧ろ興味がないといった感じで欠伸をする。
「マルもトモダチと買い物?」
「え~っと、かくかくしかじかなんです……」
私の横にいるトウマくん達をみてシーニは聞いてくる。 私は口の横に手を添えて小声で説明する。
「なるほどね」
端的ですが、説明したシーニは納得してくれました。
「結構大変なことになってたんだね、それなのにわたしはショッピングを楽しんじゃってごめんね」
シーニは頬を搔きながら返してくる。 私は慌てて弁明する。
「い、いえ! これは私達の問題なので、シーニとましてやこのショッピングモールにも罪はありません」
「でも、なにかチカラになれないかな?」
「え?」
シーニの返しに私は少し驚きながら返す。
「まあ、なんというかマルはトモダチだし、それにその知り合いたちが困ってるならなにかチカラになれたらなと思ってね」
シーニは優しい家族に向ける様な温かい笑顔でいう。 それをみた私も微笑み返して言葉を返す。
「ありがとうございます。 なら、甘えてもいいですか?」
「もちろん! ミズキもいいよね?」
シーニは隣にいる眠たそうな少年に聞くと、少年は欠伸をするとこちらをみながら口を開く。
「……正直、めんどくさいけどいいよ」
「正直ですね」
私が突っ込むと少年は「……でも」と言葉を続ける。
「……ねえとアカリのトモダチが困ってるならいいよ」
「!?」
意外な返しに私は驚いた、ネム少年は心ここにあらずって感じでしたが、上手くは言えませんが、何か強い意志を感じました。
「そうと決まれば早速……と言いたいところですが、後一か所だけ寄る場所がありまして」
「そうなんだ、じゃあ、何処かで時間潰してるね」
シーニは「どうしようかな」と悩みはじめる。
「もしよければですが、ワタシのお店でまってますか?」
「え?」
スミレが口を開いてそう提案してくる。
「ここを全部見終わた後ですが、ワタシたちもワタシのお店で話し合いをするつもりだったので」
「そうなんだ、なら、お言葉に甘えようかな」
スミレの提案にシーニは笑顔で返すとスミレは場所の説明をする。
「セーラン商店街のすこし中にはいった『村サ喫茶』ってところがワタシの実家のお店です。 家族に連絡をいれておくのでくつろいでもらってもいいです」
「わかった、ありがとうね。 じゃあ、マル、またあとで」
「はい」
スミレにお礼をいって私に一言いってシーニはネム少年と去っていく。
「ありがとうございます。 スミレ」
「いいわよ別に」
私もお礼をいうと、スミレはそう一言だけ返してケータイで家族に連絡を取って説明した。




