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85色 鏡の外は……

「……ん…………んん?」


 意識が朦朧とする中、わたしは目が覚める。


 ……ここは?


 身に覚えのある天井、身に覚えのある景色。 わたしの意識が少しずつ覚醒しようとした瞬間。


「シーニ!!!」

「ぐえぇ!?」


 突然、誰かに抱き着かれて、わたしは変な声をだしてしまう。


「よかった! よかったよー!!」

「ア、アカリ!?」


 わたしに抱き着いてきたのはアカリだった。 アカリはなぜか顔をぐちゃぐちゃにして泣いている。


「ど、どうしたの!? アカリ!? もしかして、マコトになにか嫌なことでもいわれた!?」


 動揺して変なことをいってしまう。


「目覚めて早々のセリフがそれか」


 恐らく、アカリを泣かしてはいないマコトが壁にもたれ掛かりながら呆れたようにいう。


「じゃあ、だれがアカリを泣かせたのさ」

「お前だよ」

「へ?」


 マコトの返しに目が点になってしまう。


「まあ、まだお互いに混乱しておるんじゃ仕方ないじゃろう」


 互いに困惑しあうわたしたちにピンコが場を収めてくれる。


「シーニさんも困惑しておるかもしれんが、わたしゃ達もかなり困惑しておる。 なにせ『行方不明』になったお主が突然『鏡から倒れて出てきた』もんでのう」

「『鏡』!?」 


 わたしはその言葉に反応して周りを見回す。


「探しても無駄じゃぞ」

「え?」

「その鏡はお主が出てきた瞬間、すぐに『跡形もなく消えた』からのう」

「!?」


 驚愕するわたしをよそにピンコは言葉を続ける。


「とにかくじゃ、なにがどうなっておるのか聞きたいとこじゃが、落ち着いてからにするのじゃ」


 ピンコは起きたばかりのわたしを労わってくれる。


「……あっちゃん、大丈夫?」

  

 わたしを呼んだ人の方をみると、はーちゃんがとても心配そうにわたしをみていた。その隣でミズキと『クウタくん』も……


「…………」


 わたしは泣きそうになるのを抑えながらみんなに向けていう。


「『ただいま』」




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