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Sランク冒険者に育てられた少女は勇者を目指す  作者: リズ
寒冷期事変

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シエラ達と鎧の剣士

 カチャン、カチャンとシエラ達が歩くたび、シエラやリチャードの装備した防具が音を立て、石の廊下に響きわたる。

 それ以外の音は一切無く、生物の気配は全くない。

 トカゲなどの小動物の動く気配すらシエラ達は感じる事ができなかった。


 リチャードを先頭に、シエラ、マリネスの順で青い松明の薄明かりに照らされた通路を右に左に歩いていく。

 

 すると、通路の曲がり角の先から自分達の防具と同じくカチャンと金属の擦れる音が聞こえ、3人は警戒態勢に移る。


「アルギスさん?」


「違う。アルギスさん達はまだ先だよシエラちゃん」


 通路の突き当たり、曲がり角の壁に写った揺らめく影。

 その影が少しずつ通路をシエラ達の方に向かって近づいて来る。

 剣を抜くリチャードとシエラ。  

 杖を握り締め、魔力を集めるマリネス。


 そんな3人の視界の先に現れたのは全身鎧の剣士だった。


 刺々しい黒を基調とした鎧は金細工で縁取られ、左手には鎧と同じ意匠の大盾、右手には幅の拾い剣が握られている。


 一瞬、全身鎧の剣士を見たリチャードは「もしや他にも巻き込まれた者がいたのか?」と考えたが、その考えは次の瞬間には杞憂だった事を知る。


 こちらを向いた全身鎧の剣士の兜の隙間から、本来なら見えなければならない筈の顔が見えなかった。空洞だったのだ。


 つまるところ、中身が無い。


 全身鎧の剣士は中身が無いまま動き、シエラ達に気が付いたか、盾を構え、剣を構え、前傾姿勢になると3人目掛けて駆け出した。


「リビングメイル⁉︎ こうまで機敏に動くか!」

 

 類似する過去に対峙した全身鎧の亡霊、リビングメイルとは違う様子の眼前の敵に、言いながらリチャードが駆け出し、シエラがその後ろから続く。


 リチャードが斬りかかり、リビングメイルが盾でそれを防いでお互い動きを止める。

 金属のガーンという耳触りな音が廊下に鳴り響き、リチャードの斬撃を防いだリビングメイルが右手の剣を振り下ろす。

 その一撃を、リビングメイル目掛けて跳び込んだシエラが聖剣で弾いた。

 

 体勢を崩し、隙が出来たのを見たリチャードが追撃の為に一歩踏み込むが、重厚感溢れる全身鎧のリビングメイルは軽やかに後ろに跳ぶと2人から距離をとった。


「おー。手強いな」


「リビングメイル。初めて見た」


「確かに、亡霊系の魔物達は遭遇率自体が低いからな。私も古戦場や夜の遺跡などで遭遇した事はあるが、街の近辺では一切見ていないよ」


 過去に対峙したリビングメイルとは違う様子の手強い敵に、剣を持ち直しながら呟くリチャード。

 そして図鑑の知識だけはあるシエラも、着地と同時に手ごたえを確認するように手元を見ながら呟く。


「マリネス君、援護を頼むよ」


「はい!」


「仕切り直しだね」


 剣を構え直したシエラとリチャードの後ろから、マリネスが氷魔法で生成した槍を数本放った。

 その直後、シエラが左手に握っていた魔銃剣を無造作に構え、風魔法で生成した突風を放った。

 マリネスの魔法の威力と速度をシエラの魔法で底上げした氷の槍がリビングメイルを襲う。


 氷の槍を盾で防ぐリビングメイル。

 その構えた盾の下に懐に飛び込んだリチャードが剣を滑り込ませてかち上げ胴体を露わにする。

 その開いた左脇を、リチャードの後ろから回り込んだシエラが聖剣に魔力を込めて薙ぎ払った。


 鎧が斬り裂かれ、リビングメイルは左下から右上に掛けてをシエラに両断され、ビクビクと痙攣したあと、地面に倒れてその機能を完全に停止した。


「こんな魔物がいるとはますますわけが分からん場所だな。気は抜けんか、2人とも、はぐれないようにな」


「ん。大丈夫」


「ちゃんと着いていきます」


 こうして未だに状況が掴めないなか、遭遇した敵を撃破したリチャード達は再びアルギス達と思われる反応目掛けて進んでいく。

 しかし、通路を進んだ先。アルギス達と思われる反応の場所一歩手前まで辿り着いた3人だったが、そのいま一歩というところで壁に阻まれた。

 通路の先は行き止まりだったのだ。

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