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Sランク冒険者に育てられた少女は勇者を目指す  作者: リズ
シエラのこれから

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朝風呂後の朝食

 風呂から上がったシエラは外出用のいつものチューブトップの下着に半袖のベスト、丈の短いレギンスに短パンを着用。

 マリネスは着替えが無いので下着はシエラの為に買って来たが結局一回も穿いてないドロワーズとシャツ。昨夜着てきたローブを身に纏い、リチャードが用意した遅めの朝食をダイニングで食べる事になった。

 

 今朝の朝食はコーンスープに目玉焼き、焼いたベーコンとサラダ。そしてリチャードが焼いたパンである。


「すまんね。マリネス君の家の朝食程上等では無いが」


「いえ。そんなありがたく頂きます先生」


「頂きまーす」


 この世界には食事前に手を合わせ、頂きますをする文化がある。それはひとえにこれまでこの世界に転生、転移してきた地球からの異世界人が築いた文化であるが、元より食事前には食事出来る事をありがたく思い、信じる神に祈りっていたのでこの文化は広くこの世界に広まっていた。


「ではゆっくり食べていてくれ、私は汗を流してくるよ」


「パパは食べないの?」


「私はアイリスと食べるよ。寝室でセレネを見ながらね」


「あー。ズルい」


「大人はズルいもんさ」


 頬を膨らませ、文句を言うシエラに意地の悪い笑みを浮かべ、リチャードはダイニングを手をヒラヒラ振りながら出ていく。

 その様子にシエラは苦笑し、そんなシエラを見て、マリネスはクスッと手を口に当てて笑った。


「シエラちゃんと先生、仲良いんだね」


「ん。まあ、親子だからね」


「良いなぁ」

 

「マリィはお父さんと仲良くないの?」


「ううん。仲は良いよ。でもちょっと厳しいところもあるって言うか」


「パパも優しいけど優しいばっかりじゃないよ。特訓中は結構怖い顔する時もあるし」


 などとシエラは言っているが、リチャードは決してシエラを怒ったりした事は無い。

 リチャードからすれば「怪我しないだろうか」「辛くないだろうか」と気が気でなかったり、心配したりして顔をしかめているだけなのだが、親の心子知らず、子の心親知らずとはよく言ったもので、ちょっとした誤解はあるのだ。


「でもパパの事信じてるから、私は辛くないけどね」


 サラダを頬張り、飲み込むとシエラは笑ってマリネスに言い、ニコッと笑って見せる。その笑顔にマリネスは見惚れ、頬を赤らめた。


「そ、そう言えばシエラちゃん。パーティ名は考えたの?」


「あー。パーティ名。まだ考えてないや」


「難しいよねパーティ名」


「ん。何か無いかなあ」


 話をしながら食事をすれば、時間はあっという間に過ぎていく。

 2人が用意された食事を綺麗に食べ終わる頃にはリチャードが風呂から上がり、服を着替えてダイニングに再び現れた。


「お、綺麗に食べたな」


「あ、先生。ご馳走様でした。とても美味しかったです」


「ははは。それは良かった。楽しそうな声が聞こえていたが、なんの話をしていたんだい?」

 

「私達のパーティ、そろそろCランクに昇格するからパーティ名決めなきゃねって話してたの」


「ほう。Cランクに。ん? もうCランクに昇格するのかい? だいぶ早いな」


「そうなの?」


「ああ。トールス達【緋色の剣】だってCランクに上がったのは私と組む直前だったと聞いている。彼らが14歳だったか、15歳くらいの頃の話だ」


「兄ちゃん達より早いんだ。やった勝った」


「はっはっは。いやあそうかあ。もうCランクかあ。じゃあ試験は初めての亜人種討伐になるなあ。ゴブリン3体かリザードマン1体かコボルト1体か、そろそろ寒冷期だし、リザードマン系列は冬眠の時期だ。コボルトはこの辺りは出現報告がすくないし。となるとやはりゴブリンの討伐か。もう昇格任務は決まってるのかい?」


「まだ決まってないよ。ギルドマスターからの連絡待ち」


「ふむふむ。そうか、なら任務が決まったらパパに教えておくれ。試験の立ち合い人になりたい」


「パパと一緒にクエストに行くって事?」


「まあ、私は姿を隠して君達を見守るだけだがね。昇格任務は最低一人立ち合い人が必要になるし、折角の機会だ私が立ち合いたい」


「分かった。ちゃんと言うよ」


「頼むよ」


「先生が一緒なら心強いです」


 食べ終えた後の食器をキッチンに持っていき、洗って片付けながらそんな話をして笑い合う親子とマリネス。


 その後、リチャードは自分の朝食とアイリスの分の朝食を準備すると3人揃って寝室に向かい、リチャードとアイリスがベッドに座って食事をしている間、シエラはセレネをあやして構い、マリネスはそんなシエラとセレネのやり取りを眺めて和んでいた。

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