世界で1人になったなら
世界で1人になったなら、
一日中ブランコに乗っていたい。
世界で1人になったなら、
道路の真ん中 歩きながら
大きな声で歌いたい。
世界で1人になったなら、
花畑の中 寝そべって
大地の香りに包まれたい。
世界で1人になったなら、
花火は全部 僕のもの
振り回したって怒られない。
世界で1人になったなら、
『 』
世界で1人になったなら、
やりたいことが 山ほどある。
だけど、
世界で1人になってしまったら
どれだけ高くブランコを漕いだって
見てくれる人はいないし、
輪唱はできないし、
僕だけでは花畑の手入れがまわらず
全部枯らせてしまうだろう。
どちらが長く火を灯せるか
線香花火で競うこともできない。
ああ、なんてつまらないんだろう。
世界で一人になってしまったら、
できないことも いっぱいある。
自由の中の不自由と
不自由の中での自由。
どちらを選ぶかは自分次第。
僕は選んだ。
不自由の中で 自由を探す道を。
誰かと一緒に歌えないことほど、悲しいことはないから。
だからどうか、
夜中にブランコをひとりじめすることだけは
許してほしい。