第5話 「ロシアより愛をこめない シェカラシカの活動報告書」
私は、この度任務で極東の、かなり治安の良い所に来た。
そこは、日本という国。
今回私が、祖国のある組織から派遣されたのは、他でもない、ある日本の科学者の情報を持ち帰れと言うものだったわ。
最重要人物、氷室弘博士。
そして彼に接近するために私に必要なのが、海野幸村という少年。
氷室博士に近づくためには、まずは、彼を籠絡することが私が組織から課せられた任務なの。
まずは、この日本の中学校に慣れる必要があるわ。
「ワタシの呼び方は、シェカラシカでいいですヨ」
「じ、じゃあ、シェカラシカさん」
この少年は、会話するだけで、顔を赤らめるなんて
純粋を通り越してチョロすぎね。
この様子だとすぐに氷室博士に近づけそうだわ。
「あの、海野くんは学校以外では何かお気に入りの場所とかありますか?、ワタシ日本のオススメスポットに興味がありまス!」
「えっと・・・僕そういうの全然分からなくて・・・」
「海野くんの好きな場所なら、どこでも良いでス!」
「ちょっと離れたところに、とある博士の自称研究所みたいなところがあって、そこがお気に入りの場所なんだ。あんまりこれ他の人には言ってないんだけどね」
「シェカラシカもぜひそこに一度連れていって欲しいのでス!」
「えっと、なんでこれ他人に言ってないかっていうとその博士って、かなり変わってるんだ。でも、お面白いし良い人なんだけどね」
「カマイマセン!ぜひ今度会わせてください!」
「じゃあ、今度、博士に聞いてみるね。絶対OKくれると思うけど」
「カタジケナイ!」
こうして私は、海野少年と接触し、見事、氷室博士の研究所へ行くところまで辿り着いたわ。
本国からの情報によると、氷室博士はどうやら、異世界に繋
がる装置を創りあげてしまったそうね。
この情報が本当なら、世界の勢力図は書き換えられるわ。