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第3話「少年とギャル」

「好意もないくせに相手に対してちょっかいを出せれるとしたら、それはギャルじゃ……」


これは別に偉人の言葉ではない。

博士の言葉だ。


博士は学生の頃ヤンキーとかギャルとかいわゆるヤンチャな子が苦手だったらしい。


今でもコンビニとか大型ディスカウントストアに通う時は、たむろしている方々にはそうとう気を使うらしい。


変な言葉のせいで、いつも以上に考え事をしながら学校へ行く。



校門をくぐり、下駄箱で靴を交換し、階段を登ると廊下には、ギャル系の、いわゆる、少しやんちゃめな女子が2人いた。


ただそこにいるのではなく廊下で座りながら思いっきり足を伸ばしている。


彼女たちは人間遮断機を完成させていた。


比較的おとなしいタイプの男子の反応をこうやって窺いながら、どうやら楽しんでいるらしい。


「さっきの男子、ヤバかったよね〜!めっちゃあたふたなって焦ってたし!」


「そうそう、キョドりすぎてて、ちょっと、キモかったよね。」



いや、この会話はさっき通った人が気の毒でならない。

通路を塞ぐ貴方達がどう考えても悪いですよ……

と心の中では思っていたが、彼女たちを目の前にして、そんなことを言えるはずもなかった。


「あ、次、来た来た!」


彼女たちが足を伸ばし通路を封鎖する。


僕の背筋に少しだけ冷や汗がつたう。


「こ、ここは、びっくりド○キーですか!?」

し、しまった。間違えてしまった!本当はペンギンのお店を言うはずだったのに!?


「意味わかんない。ウける〜。通ってもいいよ。


かろうじで、彼女たちのツボに刺さり、何故か微妙に上から目線の許可をもらうことができたので、彼女たちは足をひっこめた。



それはまるで、浜に寄せた波が静かに引いていくみたいだった。



これでようやく自分の教室へ入ることが出来る。



多分、やんちゃギャル2人相手に対しての、この立ち回りを帰って博士に伝えたら「幸村君がモーセになった!幸村君がモーセに!!」と「少年が神話に!!」とか言ってはしゃぐ姿が目に浮かぶのですが……




ええ。

僕の海割りは、そんなにカッコいいものじゃなかったですよ。


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