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7話 シャルナとの共闘 その2


「シャアアアア!」


「ちっ! 速いわね!!」


 神秘の迷宮の地下5階に現れたリザードロード。シャルナがその相手をしていた。二刀の短剣でリザードロードの大剣の攻撃を捌いていた。リザードロードの動きもかなり速いが、シャルナもそれに対応しているようだ。


「互角……か?」


 俺は補助魔法で強くはなっていたが、リザードロードを相手に通用するのかが分からない。その為、安易にシャルナとリザードロードの戦いに割って入ることが出来ないでいた。急に直接戦闘に入ることは危険を伴うし、シャルナとは今日会ったばかりなので息を合わせることができない。それでは返って邪魔になってしまうだろう。


 そうなれば俺は、後方支援に徹する方が良いんだが……。


 どうしよう。シャルナからは助けを求められた時に補助魔法を使うように言われている。彼女は現在、リザードロードと互角に戦っており助けを必要とはしていないようだが。


「ウォォォォォ!!」


「はぁぁぁぁぁ!」


 シャルナの動きはさらに加速しているようだった。リザードロードの動きも加速している。この状況を見るだけでも、リザードロードは確実にオーガロード以上に強い。それと打ち合えているシャルナは流石だが、逆に言えばSランク冒険者でも簡単には勝てない相手ということか。


「もう考えている場合じゃないな……よし、パワーアップ! スピードアップ! ガードアップ!」


 俺はシャルナからの助けがあったわけではなかったが、3種類の補助魔法を使った。これでシャルナが優勢になるはずだ……と、思っていたら……。


「ギャアッ!!」


「えっ!? あれ……?」


 次の瞬間、シャルナの一撃はリザードロードを絶命させていた……何が起こったんだ?



---------------------


「……」


 俺は息絶えて無言になっているリザードロードを見ていた。先ほどまではシャルナでも簡単に倒せる雰囲気ではなかったのに……どうなっている? シャルナがいきなり全力を出したとも思えなかったが。


「ええと……大丈夫だったか? シャルナ」


「ええ、私は大丈夫だけれど……補助魔法を使ってくれたのよね?」


「そうだよ、そしたらいきなりリザードロードが倒れてビックリしたけど」


 本当に驚きの光景だった。シャルナも自分の攻撃でリザードロードが倒れたことに驚いているようだが……。


「リザードロードを倒せて良かったよ……おめでとう」


「いや、カインは気付いていないの? 私が倒したんじゃないわよ?」


「えっ? どういうことだ?」


 意味の分からない言葉がシャルナから返って来た。確実にシャルナの短剣が絶命させたと思うが。


「シャルナの攻撃でリザードロードを倒したんだろ?」


「それは間違ってないけれど、一瞬でリザードロードを殺せたのはあなたの補助魔法のおかげよ」


「えっ?」


「そうでないと、いくら私でもリザードロードを一瞬で倒すなんて出来ないわ。あなたの補助魔法……恐ろしいほどに強いのかも……」


 俺のパワーアップ等の効果はそこまで高いのか? 互角に打ち合っていたシャルナを、リザードロードを一瞬で倒せるようになるまで強化した。確かにそこまで強化されたとすれば目の前の光景は納得のいくものになるが……信じられなかった。

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