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・特別回 七夕 ※挿絵有
時系列等関係ないお話です。
七夕から始まる作品なので投稿させて頂きました。
今年は様々な事がありました。
皆さんもこんな年だからこそ
お願い事をしてみませんか?
「ねぇ、これ書いてよ」
記憶喪失となった少年は紙を渡された。
彩りのある紙だ。
「なんだこれは?」
「あんたの望むことを書いて」
目の前にいるのは七夕に由来のある名前の女。
織姫だ。
常にイライラした顔をしている。
記憶を失い気が付いたら5年間の時が経っていた。
そんな俺を気遣ってくれたのか。
紙に文字なんて書いて叶うなら苦労はしない。
突き返そうと思った。
でも折角の気持ちを無下にするのは良くない。
俺にも良心はあるようで、渡されたペンを持った。
そして殴り書きをし彼女に渡した。
すると珍しく織姫はにこりと笑い、その場を去った。
俺には記憶がない。
とあるやつに記憶をぐちゃぐちゃにされた。
だから望みという欲は特にない。
そんな男が書いた内容だ。
相手の気遣いを無下にとは言った。
しかし何だかんだ、それに期待する俺は
純粋な子供なんだろうな。
その日記憶を失って初めての夢を見た。
知らない人達と星空の下で写真を撮る。
どういう奴らか俺には分からない。
でもとても幸せな夢だった。
皆が楽しそうにしていたからだ。




